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君頑張ることも才能だよ!と言うやつ居るがアピポイントでは無いと思う

さて、ここで主人公の井口裕之の過去を少しだけ紹介しよう。


名前:井口 裕之(長男)

年齢:35歳

身長:173㎝

体重:78㎏(メタボ)


二人兄弟の長男に生まれる。小さな頃から落ち着きがなく、協調性に欠けると指摘されていたが、一向に改善の兆しはなくぼっち街道をまっしぐら。

 容姿もそこまで恵まれず、眼鏡、色白、肥満の3コンボを決めていた。 

 中学・高校では見事に引きこもりゲーマーオタとして完成してしまう。


 30歳まで点々とバイトを変えながら実家寄生で過ごすものの、自分の両親から「30万渡すから家から出て行ってくれ」と言われ、収入的にも就職の必要性を感じ超超超ブラックのシステム開発会社に就職。

 35歳までの5年間(週一休み・朝8時~23時半勤務)でみごとな格安社畜として使い捨てされ続けていた。

 

 そんな井口君(メタボ判定)であったが、一つだけ彼の得意なことがあった。


 それは「耐える」才能。


 ろくに才能もなく、平凡を絵に描いたような人物だったが、忍耐強く、黙々と一つのことを集中してこなせるという才能だけがあった。


 例えば1週間のデスマーチを月3回こなしたとしよう、常人なら再起不能だが彼だけは普段通りでその翌日も出勤し続けていた。


 彼自身は、その才能に対し「人より丈夫なだけ」とひけらかすこともなかったが、周囲はその彼の才能を認めて通り名として影でこう呼んでいた。


 人呼んで「ダイヤモンド井口」...と!


-----------------------------------------------------------------------------------------

  状況を整理しよう。

  この宝石は直接当てたものを片っ端から溶かす機能を持ってる。


  いろいろと試したが、蜘蛛の溶け残った足に宝石を当てたところ、2,3秒足らずでドロドロに溶けてた。

  また、付近の地面や、木に至るまで全て宝石が当たった瞬間に、ドロドロに溶かしてしまう。

  とりあえず布などで、宝石を手に張り付けて終えようともするが、接触してすぐに溶けてなくなってしまう。


  この宝石の性能が尋常じゃない。

  

  とりあえず落ちないようにしないと、一回地面に落としでもしたら永遠と溶かし続けて回収不可能になるぞ。


  なんとか落とさないように固定する方法は...、無い知恵を絞り出せ...何か方法は...。

  そうだ頭!俺自身が溶かされないのなら、髪の毛なら大丈夫なはず!


  って!俺、角刈りやないかい!切るだけの髪がねーよ!

  (日頃から1000円カット愛好家の井口君のヘアースタイルはもちろん角刈り一択なのである。)


  『Gugyaaaa!gyooooooo!』


  盛大な化物の鳴き声が彼を正常な思考へと戻した。

  

  「ひっ!」


  そうだった、今は危険地帯の真っ只中、蜘蛛一匹が死んだだけで状況は何も変わっていない。

  むしろ、蜘蛛との戦闘で肉体もメンタルもボロボロで、とにかくどこかに隠れなければ緊張の糸が切れた瞬間にこの森の「養分」としてもれなく生まれ変わることができるはずだ。


  そうなる前にここから逃げなくては。


  周囲を見渡せば、どろどろに溶けている蜘蛛の様子を見てか、遠方から二人の戦闘を観察していたライバル達は警戒モードに移行し、「餌」とするか危険な毒を持った「敵」とするかを見定めていた。

 

  ここに居るのは得策ではない。

  様々な視線が自分を見つめているのをビリビリと肌で感じる状況で、居続ける選択よりすぐさま移動するべきである。

 

  とりあえず右手は塞がるが、宝石を握りしめ、視線のない方向へと動き出すのであった。

  (肉離れのため歩くしかできませぬ。)

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