プロローグ
甘夏です。
拙い文章ですが多目に見ていただけると嬉しいです……汗
この世界は何によって回っているか。
政治?教育機関?はたまた大人、なんて事を思うだろうか。
否。
それは―――――。
「悪者」
考えて見てほしい。
学校の中、絞っていえば教室には嫌われ者が一人は存在するだろう。根暗でキモい、自分の活動を阻害してくる、性に合わない、ムカつく等々……。
理由は何であれ、クラス内で共通の敵を作る行為はよく見かけるもの。そんな敵を作るという行為が、皆の意思を一つとし、一丸とさせてくれているのは、事実ではないだろうか。
この世には、「悪」と政府により判断されたものが存在する。その者は、そのレッテルを永遠に貼られ続け、生きる事となる。
俺もその一人だった。
ただ、気味が悪い。そんな事だけで、噂は一人歩きしてしまった。
「顔を合わせると一月後に死ぬ」
「あの殺人事件の犯人だ」
「何度死んでも生き返る不死身で、末代まで呪い殺される」
など、事実無根、いかにもな噂は絶えない。
その中にも事実とかけ離れている、とも言い切れないものもある。
それが、
「呪われた身である」と言うもの。
俺は生まれながらにして顔がない。完璧に欠損しているわけではないが、ないと言ってもいいだろう。正確に言うと、認識されない。ついでに言うと存在事態曖昧な為、認識してくれるものは指折り数えられるほどしかいない。そんな理由もあって噂が蔓延っているのだが……。
前置きが長くなってしまったが、つまり何が言いたいかと言うと、必ずしも悪が完全なる悪ではない事。また、善人が完全な善に塗り固められた、ヒーローだとも限らない事だ。
その人の価値など表面でしか測ることはできない。
そう思いながら、俺は今日も「悪」を演じ続ける。
読んでくださりありがとうございます。