そして女神は……
おひさしです。
認定士シリーズ第三弾です。
今回のアルスはなにを「認めた」のでしょう。
私は全知全能の女神、12歳です。名前はまだありません。
「女神様、商売を繁盛させてください」
今日も今日とて勇者パーティーの見守りです。
「女神様。明日の入団試験を合格させてください」
はい、見守ってるだけです。何もしませんよ。
「女神様!あの娘と結婚させてください!」
何もする必要もない…とも言いますが。
「女神様!」「女神様」「女神様!」「女神様。」「女神様、」「女神様!!」「女神様!」「女神様」「女神様。」「女神様」「女神様。」「女神様!」「女神様!」「女神様、」「女神様」「女神様、」「女神様、」「女神様!!」「女神様」「女神様」「女神様、」「女神様。」「女神様!」「女神様、」「女神様!」
うん?神殿での祈りはいいのかって?
私これでもお父様の願いを叶えるので忙しいのです。
そもそも女神だからといって有象無象の願いを叶えなくてはいけないのですか?
私はお父様の願いを叶えるので忙しいのです。
大事なことなので2度言いました。
おや?羽虫さんたちじゃないですか。
復讐ですか?懲りないですねぇ。
ハエ、蚊、ナメクジ、カエル、蛾、油虫、次は何がいいですか?
ん?それで攻撃のおつもりですか?こそばゆいですよ。
攻撃ってゆーのは……こう!
どうですかぁ♪ん?ウルティマヘルフレア?違いますよぉ、これはただのトーチです♪
お父様の願いを叶えるので忙しいのです ――― 大事なことなので3度目です ――― ので、早々に片付けましょう。
ミリオントータスに転生させてあげますからじっくりと反省してくださいな♪
さてお父様は…おや?
「おい女神てめぇ!なんで取り上げた!俺の力を戻せ!
なっ、放せお前ら!俺は勇者だぞ!こんなことしてどうなるか解って……!」
あれはお父様をパーティから追放した元勇者(笑)ですか。神官たちに摘まみ出されてますね。
戻すもなにも、勇者に選んだのも力を取り上げたのも、私じゃないんですけどねぇ。
もし仮に私が勇者(笑)を選定していたとしても、お父様を追放するような輩は絶対選びませんけどね。
骨折したのもイイカンジに歪んでることですし、神殿にも立入禁止くらって今後まっとうな生活は望めないでしょうね。
何かしたのかって?ふふっ、いい質問ですねぇ♪
あの男の骨だけを回復力100万倍にしたんですよ。骨折したら数秒でくっついちゃいます。
ざまぁみさらせ♪
お父様には内緒ですよw
「女神さま。今回も無事に町に辿り着けました。
明日からもまたお見守りください」
お父様です。
勇者率いるパーティが訪れた町の神殿です。
お父様が私に感謝の祈りをくださってます。
「(女神さまってなんて名前なんだろーな?
エミリシアとかかわいーよねー?)」
私は全知全能の女神、12歳です。今から名前は「エミリシア」になりました♪とってもカワイーです♪
「アルスー!いつまで祈ってんのー?そろそろ宿にいくよー!」
―――12年前―――――――――――――
「いいですかアルス、覚えておきなさい」
「はい、おかあさま」
「女神様は私達には見ること叶いませんが、確かにいらっしゃいます。
女神様は甘える者が嫌いです。自らを助くる者を見守ってくださいます。
努力を怠らなければ、いずれ恵みをくださります」
「わかりました、おかあさま!
めがみさま、ぼくがんばりますから、ぼくたちをみまもってください!」
……お と う さ ま……
創世神と邪神はこの世界の人類の敵です。
女神にとっては赤子の手を捻るよりも楽な存在ですが、本来は銀河レベルで消したり創ったりできるレベルです。