表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジュリアさんが来た  作者: 安良久 理生
20/20

世界中のサンタさんへ

 コートを着てマフラーを首に巻いた子供たちが我先にと家の中から庭へと飛び出していった。

「二人とも、転ぶんじゃないぞ」

「はーい」

「はーい」

「大丈夫かな」

「では、わたしが付いてますね、武志さん」

 不安そうな武志の声に、ジュリアは子供たちにすぐ手が届く距離で一緒に遊び始めた。


 離れたところから見守る武志の隣に、紙袋を持った真梨子が並んだ。

「あのね、兄さん」

「ん、どうした」

「はいこれ、わたしからのクリスマス・プレゼント」

 真梨子が紙袋の中から取り出したのは、端に二重線が入っただけの、シンプルなデザインの白いマフラーだった。

「頑張って作った、手編みのマフラーだよ」

「へえ、手編みか。それは嬉しいな。あ、俺からのは家の中に置いてあるから、後でな」

「うん、そっちは楽しみにしてる。兄さん、早速巻くよ」

「ああ、悪いな」

「ううん、こっちこそごめんなさい」


 真梨子は手に持ったマフラーを、まるで網を投げるように武志の首にかけると、それをぐっと自分の体に引き寄せた。

「おい、真梨ーー」

 驚く武志の口に、真梨子は目を閉じてキスをした。

 あまりのことに何も出来ずにいると、しばらくして真梨子が離れた。慌てて振り返ると、翔と真由の目をふさいでニヤニヤとしていたジュリアと目が合った。

「どうしたのジュリア、見えないー」

「ふふっ、何でもないですよー」

 妙に楽しそうな声でジュリアは応えた。


「真梨子……」

 視線を戻すと、真梨子はすっきりとした、迷いを振り切った笑顔で武志に言った。

「好きです、武志さん。この気持ちが、真梨子サンタさんからのプレゼントです」

「あ、いや、えーっと……」

「プレゼントのお返事は、ずーっと待ってます。でもなるべく早めに返事をしてね」

 真梨子はイタズラっぽくウィンクをしながら、武志の顔を下から見上げた。

「……おう、ま、まあ、考えとくわ」

 武志は思わず赤くなりながら、目を逸らしてそう返すのが今の精一杯だった。



 誰かのサンタさんになった人も そうでない人も

 みんなまとめて メリークリスマス



これにて本作品は完結とします。

短い間でしたが、最後までお付き合い下さった皆様に感謝を込めて。

良いクリスマス、そして年末年始をお過ごし下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ