機甲戦士ジュリアーナ
今回より、毎日更新ではなく、出来るだけ月水金の週三日更新を目標にします。
毎日更新を続けられる皆様って凄いですね! 自分にはちょっと無理でした。
「行ってきまーす」
「……ます」
「留守番よろしくね」
「はい、行ってらっしゃい」
朝が早い武志が最初に出勤後、少し遅れていつものように真梨子が翔と真由の小学生組と一緒に家を出るのを笑顔で見送ると、山川家に残ったのはジュリア一人になった。
「さあて、お片づけ、お片づけっと……。あら?」
しばらく家事をしながらジュリアがふと空を見上げると、真梨子たちが向かった駅の方向の空に何か澱みのような、雷を纏った紫色の雲が広がっていた。家の外に出たジュリアはそれまでの朗らかな表情を消して、険しい目付きをした。
「あれは、ヤツらが来たんですね。急がないと」
ジュリアは周りに誰もいないことを確認し、勢いをつけて家の屋根に飛び乗った。そして屋根から屋根へと飛び移っていき、紫の雲の下へと急いだ。
ジュリアが雲の下に辿り着くと、そこには一体の怪物が周囲へと攻撃を加えていた。三メートル以上はあろうかというその巨体を活かし、手近にある建物や道路標識などに腕を振り回したり体当たりを繰り返して破壊の限りを尽くしており、居合わせた人々は悲鳴を上げて逃げ惑っていた。
真梨子が翔と真由の二人を庇うように抱きかかえているのが見えた。
「出たわね、イドの怪物! でも、これ以上の乱暴は許しません! このわたし、機甲戦士ジュリアーナが来たからには悪意の魂魄を浄化します!!」
いつのまにかジュリアは顔の隠れるフルフェイス・ヘルメットとメタリックなバトルスーツに全身を包んでおり、手を複雑に動かしてポーズを決めていた。
「とうっ!」
気合の声と共に二階建ての家の屋根から飛び降りると、イドの怪物の近くに着地した。敵が来たことを認識した怪物は、唸り声を上げながら標的をジュリアに定め、突進してきた。
「行くわよ? いいわね! 秘技・メカラビームッッッ!!!」
ジュリアが顔の横に手を当て、顔を覆っているバイザーの一部だけを解放すると、その隙間からイドの怪物へと向けて、まばゆい光を放って彼女の目からビームが真っ直ぐ伸びて突き刺さった。それを受けて、怪物は苦しそうな声をあげ、光が消えるころには怪物の姿も消えていた。
「やったわ! イドの怪物、わたしはお前たちの存在を許しません、この街の平和はわたしが守ってみせます!」
勝利のポーズを決めたジュリア、いや、機甲戦士ジュリアーナは周りに人が集まる前に再び家の屋根へと飛び乗り去って行った。その後ろ姿を見送りながら、真梨子はそっと呟いた。
「機甲戦士ジュリアーナ……。一体、どこの誰なのかしら」
「という夢を見たんです」
夕食をテーブルに並べながら、ジュリアが武志に言った。
「夢オチかよ! っていうか、お前夢を見るのか。あとやっぱりお前本当は目からビームが出せるんじゃないだろうな?」
「うふふふふ」
ジュリアは謎めいた笑顔で返した。
夢オチって便利だなー(棒)




