ホットなミルクティ
夕食後、皆がリビングで寛いでいる所にジュリアが人数分のティーカップを持ってきた。
「皆さんどうぞ。温かいミルクティですよ」
「あらありがとう」
カップを受け取った真梨子が早速口をつけて飲むと、体が緩むような温かさを持った、甘い液体が広がっていった。
「ふう、美味しい」
気がつけば微笑みと共にそんな言葉が溢れていた。
「どれどれ」
武志もカップからミルクティを飲むと、その優しい甘さに目を細めながら言った。
「うん、ホットを飲むとほっとするねえ」
その頃、夜の灯りに照らされそろそろクリスマスムードが漂い始めた街中では、何組ものカップルたちが突然吹き付けてきた冷たい風に、お互いの身を寄せ合っていた。
「きゃっ、急に何?」
「大丈夫かい、花子さん。さあ、僕の手で温めてあげるよ」
「太郎さん……。あ、太郎さんの手って、大きくて温かいね」
「可哀想に、花子さんの手、とても冷たいね。さすってあげるよ」
「太郎さん……」
「花子さん……」
そうして手と顔を近づけた二人の影は、やがて一つに重なった。
「あれ、アイスティになってる」
二口目を飲んだ武志は、その冷たさに驚いていた。リビングの空気も冷たくなって武志しか動けなかった中、ようやっと再起動したジュリアが声を絞り出した。
「……でしょうね」
別に変な念は込めてません。
本当です。
本当です。
本当です……。




