ジュリアさんが来た
毎回数分程度で読める、ショート形式で進めます。
基本は明るく、シリアス展開はほぼ予定なし。
「ただいまー」
武志が後ろに女性を従えて帰宅の声と共にリビングに入ってくると、ソファに座ってリストデバイスでゲームをしていた小学生の長男の翔と、同じくデバイスで本を読んでいた小学生の長女の真由が出迎えの挨拶をした。
「パパお帰りー」
「……お帰りなさい」
「その人お客さま?」
翔は武志の後ろから室内に入ってきた女性を見ると、首を傾げながら聞いた。
「ああ、彼女はジュリアさんだよ。ジュリア、こっちは僕の息子で翔、こっちは真由だ。二人に挨拶を」
武志が促すと、ジュリアは屈託ない笑顔で子供たちに声をかけた。
「初めまして、翔さん、真由さん。わたしはお二人のお父様にお金で買われてこの家に来ました、ジュリアと申します」
瞬間、室内の空気が凍りつく音がした。
子供たちは、二人ともジトっとした目で己らの父親を見た。武志は焦って叫んだ。
「ちょ、言い方! 違うから!! 確かにお金出して買ったけど、ジュリアは人型の家政婦ロボットだから!!!」
こんな感じで毎日更新を目指します。