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第九話

今回も読んでくれてありがとうございます☆彡

(((o(*゜▽゜*)o)))


頑張ったけど、この速度・・・・・・★ミ


ヴィンセント君の話を少し修正しました。

最初の部分「乗り物」を「馬車」。

愛車が完成するまでの経緯を微修正。





「グロリアーナ様、大変ですわ!」


 若きナバール卿からの話を近くの東屋で聞いたわたくしは、急ぎ女子寮へ戻ると、ホールの電話からグロリアーナ様に連絡を取らせ、直接彼女の部屋へ伺いました。


「今度は何方とのシナリオが始まりましたの?」


 いつものように一人で居間に通されたわたくしが席に着き、お茶を運んだセーラさんが下がると、ドアの閉まる音に被せるように聞いてきます。


「攻略対象ではなく、ナバール卿が元日本人のお仲間でしたのよ」

「TS転生ですのね?」

「いえ、元男子高校生だそうですわ」

「まあ!」


 目を丸くされて、口元を片手で隠されたグロリアーナ様の目が、急にキラキラと輝き、頬がばら色に染まっていきます。

 なんとも麗しい美女の姿ですが、もうわたくしには何を考えていらっしゃるのか丸解りです……。


「それで、何方を贔屓にしていらっしゃったの?ご自分で攻略されるご予定はございますの?」


 やっぱり……。


「違いますわ。『フロエタ』ではなく、『モモ恋』プレイヤーだそうです」

「なんて勿体ない……」


 何がですか……。


「とにかく、重要なのはわたくし達以外にも、元プレイヤーがいる可能性が高くな

ったという事ですわ」

「確かにそうですわね。それで、ナバール卿は何とおっしゃっておりましたの?」

「最初に確認されたかったのだと思いますが、『フロエタ』プレイヤーなのかと聞かれました」

「いきなり直球ですわね」


 わたくしも感じた事ですので、苦笑で同意しておきます。


「わたくしの反応から確信されたらしく、二人だけで話がしたいと申されますので、まさか殿方と密室で二人きりとはいきませんから、近くにある東屋でお話をすることになったのですわ」

「同性でしたら、わたくし達のように人払いをして話せますけれど、相手が殿方だと面倒ですわね」


 そうなんですよね。


「そこで髪の艶が良くなったのはシャンプーを使ったからかと、そう切り出されましたの」

「定番ですものね」

「ええ、ですので湯シャンであることを伝えましたら、パーム油由来のシャンプーを製造したので購入しないかと「なんですって!シャンプーを作られましたの?」」


 ものすごい食いつきですわ。


「鉱物油は配合されておりませんから、滑らかな指通りなどは無理ですわよ」

「それでも整髪剤を落とす時に使えるのはありがたいですわ」


 普段は緩めの縦巻きロールにされているグロリアーナ様ですが、侯爵令嬢として時には結い上げる必要もありますものね。纏めるために使う整髪剤は湯シャンでは落とせないので、石鹸で洗うことも度々ございますから。


「蒸留水を沸かした湯で洗えばゴワつくことはございませんけど、メイドたちの労働を考えると心苦しかったのですもの」


 本来ならば、令嬢であるわたくし達には想像もつかない下働きの苦労ですが、前世の記憶が甦った身では、罪悪感に苛まれてしまうのです……。


「もう一つ、これはまだ作れる可能性がある程度の話でしたけれど、麹のつく「作れますの!」」

「グロリアーナ様、近いなどと言うレベルではございませんわ……」

「失礼」


 思わず仰け反りましたわ。お気持ちは分かりますけれど……。


「ナバール卿の所有地では水田は無理の様で、知識として知っていらっしゃるレベルなのだそうです」

「それで、どうなさいますの!」

「ヒメネス家の所有地は以前から水田がありますので、教えて頂いた方法で作らせてみようと思います」

「いつ頃完成予定ですの?」

「まだ当分は試行錯誤が必要ですわ。それと、麹菌が手に入るのは来年の秋になりますもの」

「ほぼ一年後…………」


 やっぱりこの話は、ある程度形になるまで黙っておくべきだったかもしれませんわね……。

 ラモス商会で調べて取り寄せた『Syoyu』が、別物だった時以上に落ち込んでいらっしゃるわ。


「醤油に味噌に日本酒……塩麹も万能ですわよね。美容にも使えますわ」

「グロリアーナ様、帰ってきてください!」

「はっ!一瞬現実逃避で麹溺愛の総受けストーリーが浮かびましたわ!」


 どんな現実逃避ですの!


「麹菌×白米の濃密執着物も……生まれた子供が麹なんですわ!」

「珍しく男女物でしたのね?」

「違いますわ!愛があれば子供だって生まれます」

「生まれません!愛があれば生まれるなら、不妊治療は必要ないではありませんか!だいたい、米も菌も性別なんてありませんわよ!」

「擬人化すれば、すべて男性になりますでしょ?」

「でしょ?っと言われても困りますわ」


 疲れました……。


「そんなことはどうでも良いのです「そんなこと!」麹は一年待つしかないとして、「流した!」入学の際に乗ってこられた自動車もご自分で作らせて、今後事業になさる予定の様ですわ」


 ナバール卿の情報を集めた時に、十二歳で子爵家を継いで以降多額の借金をしていることを知り、大層な浪費家なのだろうと、それを埋めるためにラモス商会のお金を狙っているのではないかと邪推していたのです。


「勝手な憶測で失礼なことを思ってしまいましたわね」

「そうですわね。そちらの面でも協力されるおつもりですの?」

「そのつもりですわ、パーム油の仕入れをこちらに任せていただき、販売の窓口にも成れればと考えております」


 普通の令嬢でしたら、動かせる費用など多寡が知れていますが、将来ラモス商会で経営の一翼を担うことが期待されているわたくしは、それなりの資金を融通できるのです。

 もちろん、マロン会頭の決済は必要になりますけれどね。


「うらやましいですわ。わたくしでは欲しいものを希望するくらいし関われませんもの……」

「ラモス商会では、女性が会計を担う大昔のスタイルを継承してきましたから」


 もっとも家を継ぐのは弟なのですし、一番期待されているのは商会をより盛り立てる共同経営者と婚姻する事ですけれどね。


「ところで、冬期休暇前の舞踏会ですけれど、家のカールにエスコートを任せるのはどうかしら?」

「カール様、ですか?」


 どういう事でしょうか?将来は王の義弟になる侯爵家の跡取りが、私の様な陪臣男爵家の婚外子のパートナー?

 しかも攻略対象の!


「攻略対象の!カール様ですわよね?」

「二度は言いませんわね?」

「一度目は心の中で申しました。ではなくてですね!」

「危惧されるお気持ちは分かります。それでも、中途半端な相手がパートナーを務めると、あの方が強引に割り込んできそうではありませんか?」

「それは、そうですけれど……」

「もちろん、婚約者としてわたくしの手を取るように外圧を掛ける予定ですけれど、強行されてしまうと強引にとは参りませんもの」

「それは醜聞がお悪いですものね……」


 二十一世紀の日本であっても、やはり女性は男性を立てるのがあるべき姿で、恋愛の秘訣だと言われておりましたもの。今のこの世界では尚更です。


「カールでしたらゴメス家の利益のために、アレクシア様と貴女の距離を取らせる手伝いをさせても、不自然ではありませんわ」

「ザカリア様では弱いでしょうか?」


 同じヒメネス陪臣家の伯爵子息で、歳も二つ上です元々親しくしていますから、頼みやすかったのですけれど……。


「普通なら十分だと思いますわよ。普通なら」

「普通では無さそうですものね……伯父とも相談したく思いますので、少し時間をくださいませ」

「なるべく早く決めてくださいませね。狩猟会でのダメージが残っている間に纏めてしまいたいですから」


 確かにその通りですので、神妙な顔で深くうなずきます。部屋に戻ったらすぐに手紙を書かないとですわね。

 内容が内容ですから、電報でとは参りませんもの……。


「ところで、抹茶スイーツを作らせましたの」


 グロリアーナ様がベルを鳴らすと、部屋付きのメイドがワゴンを押して入ってきました。


「もともとパートナーの件で、お呼びしようと思っていましたのよ」

「ありがとうございます」


 運ばれてきたのは抹茶のシフォンケーキと抹茶ラテです!自前の厨房を押さえて、料理人たちを雇い入れているグロリアーナ様のお部屋に呼ばれるたびに、懐かしくも美味しいスイーツがいただけるのがとても幸せです。


「ん~~~♡美味しいですわ」

「気に入っていただけてよかったわ」


 シフォンケーキって軽いから乙女の味方ですわよね~♪

 抹茶の色と香りがよく引き出されています。ラテも美味しい。

 添えられているクリームも少し抹茶が加えられています。


「お気づきになりまして?」

「?」

「ふふふ……抹茶ラテですけれど、実は抹茶ソイラテですのよ」

「!!!!!!!」


 なんですってぇ!


「ごくんっ!気づきませんでしたわ!」


 大成功っとばかりに悪戯な笑顔のグロリアーナ様が可愛らしくて、こういうのがギャップ萌えなのだと思い知りました。


「グロリアーナ様、悪役令嬢転生の逆ハーヒロインを目指しませんこと?」

「何を唐突に馬鹿なことをおっしゃいますの」

「いけそうな気がいたしましたの」

「リアルの逆ハーなんて面倒しか生みませんわよ」


 それは確かにそうなんですけれどね……。


「今の笑顔は十分ヒロインの素質を感じました!」

「アレクシア様を篭絡して、陰で操れるようになれるようなら目指しても良いのですけれど……。あの方褒めると増長するタイプですし、目指す方向が違い過ぎて神輿の上で暴れ出す未来しか見えませんわ」


 富国強兵で周囲にケンカを売りたいなら、最高の神輿ですけれどね……。


「富国に強兵は必然とは言え、無駄な争いまで引き起こしそうですわね」

「この大陸を制覇して、大帝国を築くとか言いそうですもの……」


 言いそうですわ……。

 そいえば、この国の軍事面でのレベルはどの時代なのかしら?


「前公爵の内政チートは、軍事面でどの程度発揮されたのでしょうね?」

「そうですわね。軍事面に触れる機会はございませんから何とも言えませんけれど、それでも軍事に活かされていないとは思えませんから、それなりの物があるのではないかしら?」

「海軍は相当強いようですわよね?」

「その様ですわよね?」


 なんとも歯切れの悪い話ですけれど、具体的な情報が無いのでどうにもなりませんわ……。本当にこんな時代での女の身が、歯がゆくてなりません!

目指せ、週内更新!

志が低くてすみません・・・( ノД`)シクシク…

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