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~エピローグ~

オカルト研究会の面子が、並列世界から脱出してから、約一週間が経った。


オカルト研究会は、その後廃部になり、その代わりに、新たにゲーム同好会が設立された。



今日も、寺岡の代わりに部長をしている川村が一番最初に部室に入る。


並列世界から脱出した後に目覚めた川村は、自分が『アブソール・ワールド・バインダー』に取り込まれた事、一度寺岡を殺した事を覚えていた。


数日は、ベッドから起きれない程精神的ショックを受けていたが…

一週間経った今、何とか精神が安定し、ゲーム同好会の部長として活動をし始めたのである。



「はあ…今日はチェスでもしようかしら?」



川村が独り言を言っていると、忍が部室にずかずかと入って来た。

ちなみに忍は、ゲーム同好会の副部長になっていた。



「川村さーん、こんちゃあ!」


「あ、三波さん…

今日は、チェスでもしようと思っているんだけど…」


「あ、いいね!

あたし、やるやる!!」



ゲームが大好きな忍は、ぴょんぴょん跳びはねている。


寺岡がいなくなってからは、同好会の雰囲気は、大体はこんな感じである。



そして、もう一人の部員が入って来た。

好きで男装をしている柳川だ。



「川村先輩と三波先輩、こんにちはです!」


「こんにちは、柳川さん」


「あ、瑞穂ちゃん!

ねえ、チェスやろう!!」


「あ、いいですね!

先輩が相手でも、簡単には負けませんよ!!」



こうして、ゲーム同好会の活動は始まるのである。







一方の中城里沙は、ゲーム同好会にもよくよく遊びに来るが、寺岡がいなくなってからは、自分の学校の部活に専念し始めていた。


今日も書道部の部室で、筆を手に取っている。



「さてと、今日は何を書こうかしら?

もう、見本になるものは大会とかで全部書いたし…」



里沙は、何となく思い付いた言葉を半紙に書きはじめた。


それは、なんて事はないただの気まぐれだった。



「よし、書けた…」



里沙は、『平穏』という漢字を半紙に書いていた。



「やっぱり何事も平穏が、一番よね?」



里沙は、そんな独り言を言ってため息をついた。



(寺岡君…元気かしら?

やっぱり寺岡君がいないと、調子狂うわ…)



そんな考え事をしていると、書道教室に別の女子部員が入って来た。



「こんにちは、里沙先輩!

今日は、一体、何書いてるんですか?」


「あ、今日はね…」



里沙は、笑顔で答える。


里沙にとって、寺岡がいなくなって変わって事がもう一つあった。



里沙と少し距離を置いていた部員達との距離が、かなり縮まった事だ。


これは、里沙にとって大きな前進だった。







「…でやぁあっ!!」


「…ぐぁあっ!!」



冴祓渚は、演劇部の演技の真っ最中だった。


今は、『日本刀を持った高校生とチェーンソーを持った殺人鬼が、高校のグランドで決死の決闘!!』という設定で演じている。


もちろん、日本刀を持った高校生というのは冴祓だ。



「この…俺が…高校生なんかに…ガクッ…」


「フン…口ほどでも無いな」



役を演じきった冴祓は、壇上から降りた。


そして、まっすぐ舞台裏の休憩所のベンチにどっかりと腰掛けた。



「はあ…疲れた…」


「冴祓君、お疲れ様!」



冴祓の隣に、演劇部の部長が座ってきた。



「あ、部長。

…どうかしましたか?」


「いやー、君が提案してくれた演劇の脚本…お客さんが沢山来たし、大成功だね!」


「あ、はい…どうも」



冴祓は部長の質問に、怠そうに答えて言った。


部長は、冴祓の行動を見てやれやれという風に言った。



「冴祓君、もったいないなー

顔は良いのに、そんな態度だから…」


「いいんですよ…

俺は、面食い女子なんかに興味はないですからね」


「うっ…!

冴祓君、何でそんな目で私を見るの!?」



動揺している部長を余所に、冴祓は立ち上がった。



「さて、昼寝でもするか…」




▽▽▽




「ふーん…みんな、寺岡無しでも上手くやってるね」



『狭間の砂漠』では、黒川白刃が現世の様子が映されている水溜まりを覗き込んでいた。



「・・・」


「なんて…幸せそうなんだろうねぇ…

本当に、上手くやって…」


「ああ、もう!

黒川先輩、止めて下さい!!」



ニヤニヤしている黒川の隣にいたのは…

なんと、寺岡光輝だった。



「ったく…

現世と並列世界が分断した代わりに、『狭間の砂漠』と並列世界が干渉し合うことになるなんて…驚きましたよ」


「まあ…当然といえば、当然なんだけどね。

あるものが消えれば、代わりにあるものが補う…

世の中のものは、大体この法則に基づいて動いてるからね」


黒川が得意げに答える。

それを聞いた寺岡は冷めた目をして言った。



「中二病…ですね」


「なっ…!

先輩に失礼な事言うな!!」


「はいはい…」



寺岡は立ち上がり、生返事をする。



「さて、そろそろ並列世界に戻るか…

里沙さんとか、川村は大丈夫そうだしね」


「ん、もう用はないのかい?」


「急いでるし、無いな…

こっちも大変だからな…」



寺岡の脳裏には、新たな化け物の姿が過ぎっていた。


寺岡は、時空の裂け目の前に立ってから、黒川に言った。



「じゃあ、黒川先輩…

また生きてたら会いましょう」


「ああ、分かった。

アスタリスク達によろしく」


「ほいほい、言っておきますよ」



寺岡は、化け物の群がる巣窟に戻って行った。






To be continued...?


どうも、AnotherChapterの作者のノノ川玲二です。


AnotherChapter最後までご覧いただきありがとうございました!

今回が初めて筋の通ったストリーを書きましたので、読みずらい個所や、誤字脱字があって読みずらかったかもしれません。

そんな方がいたかもしれないので、この場を借りてお詫び申し上げます。


次回作ですが…AnotherChapterの続編を書くか、新しいシリーズを書くか迷っています。

そのことを踏まえ、感想をいあただけると幸いです。

普通のご感想でも大変ありがたいです。


それでは、最後に改めて…

最後まで本当にありがとうございました!!

それでは、次回作でお会いしましょう!

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