聖戦へと続く曙光1-4
炎、水、雷、氷、土、風、音、源力、そして記憶――九つの力が一つに溶け合い、新たな聖剣と未知の輝きを放つ「核心」へと昇華する。そして、合体した聖剣は再び分身するように各属性の輝きを帯びて並び立った。ライトの瞳には、これまでにない鋭い決意の光が宿る。「……虛算、お前をここで仕留める」ライトは新たな核心と聖剣を高く掲げた。「来い! 聖騎士龍! 抜剣!!」ライトの姿が瞬時に変貌し、全身がまばゆい銀白色の忍者服に包まれた。「これは……?」虚算が動揺を見せる。遠く離れた場所で、ウーミエがほくそ笑んだ(ほくそえんだ)。「ほう、第二段階か。ますます面白くなってきたな」「ふん、どんな姿になろうと、お前を殺すことに変わりはない!」虚算が口汚く罵りながら、巨大な砲台を実体化させた。一斉射撃がライトへと放たれる。「『聖領域』」ライトが静かに呟くと、領域が展開され、砲弾は彼に触れる直前で霧散した。「一太刀で十分だ」ライトが聖剣を一閃させ、領域の力を乗せて砲台を両断した。「ならば、これならどうだ!」虚算の手が再び無数に現れ、ライトを拘束しようと襲いかかる。「『聖源力剣』」ライトが召喚した無数の聖なる剣が空を舞い、虚算の手をことごとく斬り裂いた。「『神君』、行け!」虚算が模倣した雷の巨人を召喚し、ライトに襲いかからせる。ライトは召喚していた剣をすべて収束させ、一気に『神君』へと叩き込んだ。『神君』は一瞬にして灰となり、崩れ去った。「ふん、所詮は灰に過ぎないな」ライトが冷ややかに言い放つと、虚算は激昂した。「貴様……!」ライトはゆっくりと歩を進める。「お前の攻撃は終わった。次は僕の番だ、文句はないだろ?」「貴様ぁ!!」虚算がライトに向けて破壊光線を放った。だが、ライトの前方に突如として鏡が現れ、光線を完全に反射した。「何だと……!?」虚算が驚愕する。ライトは鏡の向こうを見つめ、静かに語りかけた。「これは、ジェンシャンの影だ。……僕は、彼のために少しでも何かをしてあげなきゃいけない。彼はあまりにも多くのものを背負いすぎていたんだから」亡き親友の姿が脳裏をよぎり、ライトの決意はさらに強固なものとなる。虚算は狂ったように攻撃を繰り返すが、その都度、無数の鏡が現れて彼の攻撃を阻んだ。「さあ、終わりだ……『聖光・撃』!」ライトが五芒星の軌跡を描き、虚算の放った光線を両断。そこから放たれた九条の元素破壊光線が、虚算へと襲いかかった。九つの元素を帯びた「聖光・撃」が虚算を直撃した。炎、水、雷、土、風、氷、音、記憶、そして源力――。全てのダメージが彼を貫く。「馬鹿な……私が、死ぬはずがない……核雷様、私はあなたの任務を、果たしたはずでは……!」「……確かに、お前は死なないさ」突如としてウーミエが姿を現し、衰弱した虚算を自身の闇へと吸い込んでしまった。「何をする!」ライトが鋭く問い詰める。「ふふ、礼を言うよライト。君のおかげで、私一人では倒せなかった虚算を吸収することができた」「……次にお前を倒すのは、僕だ」ライトの言葉に、ウーミエは不敵な笑みを浮かべた。「ああ、それを我々の『約束』としようじゃないか」言い残すと、ウーミエは影に溶けるように消え去った。「ライト、無事か!」仲間たちが一斉に駆け寄る。「……ああ、大丈夫だ」その時、ライトの脳裏にいくつもの情景が溢れ出した。みんなで笑い合い、修行した日々。そして、耳に残る「お兄ちゃん」という愛おしい声――。ライトは確信した。自分には、まだ見ぬ妹がいたのだということを。沈黙が戦場を包む。チーランが寂しげに呟いた。「……それじゃあ、ジェンシャンは本当に消えてしまったの?」「いいえ!」ライトは強く首を振った。「僕も、僕と彼の記憶は消えてしまったと思っていた。でも、この聖剣の中には、僕と彼の絆が刻まれている。……彼は、今も僕の心の中で生きているんだ」アーグアンが静かに、ジェンシャンの遺した聖剣と核心を差し出した。「これは彼のものだ。……お前が持っていてくれ、ライト」ライトはそれを受け取り、昇り始めた太陽の光を見つめた。「ジェンシャン……見ていてくれ。僕は君と共に、生きていく」都市から遥か遠く、そびえ立つ高層ビルの最上階。その街を支配する市長であり、その正体である核雷は、窓の外を眺めながら冷酷な笑みを浮かべていた。「虛算め……敗北したか。だが、失敗ではない。少なくとも計画はまた一歩、前へと進んだ」「……吸収までされるとはな」傍らに立つ側近が呟く。核雷は狂気を帯びた笑い声を上げた。「ハハハハハ! いいぞ、流石は『源力』のマスターだ。……おい、お前たち、こちらへ来い」核雷の呼びかけに応じ、闇の中から二人の忍者が姿を現す。不死の元素を持つミンシーと、霞の元素を持つミングアンだ。「次はお前たちの番だ。奴を完膚なきまでに叩き潰せ。だがその前に…… まずは『記憶の聖剣』を手に入れる必要がある」「「……御意」」二人の忍者が静かに命を拝受する。核雷は、かつてジェンシャンの父と対峙したあの日の情景を思い出していた。『――断る。我々は『記憶』の力を悪意ある者に貸し出しはしない。ひとたび記憶が乱用されれば、取り返しのつかない惨劇を招くことになる。……我ら一族の使命は、源力のマスターを補佐することにあるのだ!』その後の末路を語るまでもない。だが、あの時仕掛けた最大の罠……偽りの日記。「今思い返しても、実に見事な一手だった。あの偽りの言葉一つで、息子は勝手に復讐の鬼と化し、勝手に仲間割れを始めたのだからな……。ハハハハハ! ハーハハハハハハハハハハ!!」




