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オーリーはラッセルに付き添われ、目覚めたばかりの自分の部屋を離れた。そこはデカの部屋だったため、オーリーの元の身体はそのまま部屋に残し、観察を続けることになる。
リビングに入ると、オーリーはすぐに目の前の光景を観察し始めた。楕円形の部屋、木製の床、床から天井までの大きな窓、そして部屋を囲む木製の階段。天井を見上げると、屋根のガラスドームと外の夜空が見える。
「もう夜か……」オーリーは見上げながらつぶやいた。
「ここは永遠に夜だよ。でも人工太陽を発明したんだ。今は消してあるけどね。」ラッセルが補足する。
「人工太陽?永遠に夜って?」オーリーはその言葉に疑問を抱いた。
「うん、もう何百年もこうなんだ。ロボットがこの都市を建設する前から、僕たちは本当の太陽を見たことがなかった。人類が残した記録や映像でしか太陽の姿を知ることはできなかった。だから僕たちは人工太陽を作ったんだ。都市全体に十分な光を与え、遺された映像の『昼』を再現できるようにね。」
二人は話しながら、木製の階段を上がった。二階はラッセルの活動空間で、古今東西の本でぎっしり詰まった本棚が並んでいた。ラッセルはすべての本を読破しており、木の梁や三階から下りる植物の装飾と相まって、まるで森の中の図書館のような景観だった。書棚の間には手作りの木の棚があり、陶芸作品が並んでいた。それらもすべてラッセル自身の手によるものだ。
本棚の奥の木製の扉はラッセルの部屋につながっていた。部屋の天井はリビングと同じくガラス製で、中央には星型の浮遊ランプが一つ吊るされている。ガラスの間に木製の窓枠が入り組み、大小さまざまな絵画が貼られたり掛けられたりしていた。多くは風景や植物の絵だ。部屋の中央にはイーゼルがあり、白いキャンバスが置かれていた。水彩絵具、水彩筆、クレヨン、色鉛筆、マーカーペンなど、さまざまな画材が色別・種類別に整理されて収納されている。すべてがラッセルの絵画への愛を物語っていた。
「これ、全部あなたが描いたの?」オーリーは興奮した子供のように、美術館を歩くように部屋を見回した。
「うん、絵を描くのが好きなんだ。他の芸術も少しは試してみたけど、陶芸や彫刻はあまり得意じゃないかな。」
「でも、すごく上手だと思うよ!」
「過去の人間の芸術家と比べるとまだまだだね。でも練習は続けるよ。絵も陶芸も、他の技法もね。」
ラッセルは窓枠の下から一枚の絵を取り出した。その絵には植物が描かれており、花のように見えるその形に、オーリーはどこか見覚えがあった。
「これ、分かる?」ラッセルは絵をオーリーに差し出した。オーリーは数秒見つめ、思い出した。これはデカの頭上のガラスの花瓶に入っていたあの花だ。
「デカの頭の……花?」オーリーは答えた。
「見つけたね。君を部屋に連れてきたのは、これを見せたかったからなんだ。」
「あなたの描いた花を見るため?」
ラッセルは首を振った。「これだよ。」そう言うと、胸の前の扉を開け、中にはデカの頭上と同じ、灰赤緑の三色の花が浮かんでいた。オーリーは手を伸ばそうとしたが、無形のバリアで阻まれた。その花は透明な容器に封じられ、ラッセルの胸の空間に収められていたのだ。
「君の体の中にも……花があるんだね、デカと同じ花が。」
「実はね、これは本当の花じゃないんだ。」ラッセルが言うと、オーリーのスクリーンには疑問の表情が映し出された。記憶は薄れているが、オーリーの中ではこれが花だという認識が強い。
「これは『エケベリア』っていう植物なんだ。今見えている花のような部分は、実は葉っぱだよ。」
「葉っぱ?」オーリーはラッセルの胸元に近づき、花ではない花を観察した。
「多肉植物で、葉が厚く、花びらのように並んでいるんだ。だから花に見えるんだよ。」
「じゃあ、本当の花はどこ?」
「ここだよ。」ラッセルは指で本当の花を示した。オーリーがその指先を見つめると、小さな白い花びらがあり、中心は黄緑色だった。それが本当の花だ。
「小さいね!」オーリーは驚いた。
「小さいけど、五枚の白い花びらと、中央の黄緑色の花芯はちゃんと見えるよ。」ラッセルが補足した。オーリーはうなずいた。
「体の中に植物を植えているんだね。」
「これが僕たちのエネルギー源なんだ。」ラッセルは答えた。
「エネルギー?じゃあ僕も持てるの?」オーリーは好奇心からシャツをめくり、自分の胸に扉を見つけた。しかし開け方は分からなかった。
「今はまだ持ってないよ。充電が必要なんだ。」ラッセルはシャツをめくり、質問に答えた。
「じゃあいつ持てるの?これがあれば充電しなくてもいいの?」オーリーは次々に疑問を口にした。
「僕が父に作られたときも最初はなかった。1年後に付けたんだ。ただ、そんなに待つ必要はないよ。そのときはどの植物にするか決められなかっただけ。」
「どんな植物でもいいの?」
「自分で決めていいんだ。基本的には何でも好きな植物を選べるよ。君がこの体に慣れて、好きな植物を見つけたら、僕が作ってあげる。」
オーリーのスクリーンには興奮した表情が映り、描いた絵をラッセルに返した。ラッセルは絵を受け取り、掛けずに手に持ち続けた。
「この絵を君にあげるよ。」
「本当?ありがとう!」オーリーのスクリーンは喜びに輝き、宝物のように絵を抱きしめた。ラッセルはその様子を見て、文献で読んだ兄弟姉妹の情景を思い出し、オーリーを可愛い弟のように感じた。
XXXXX
三階の温室に到着すると、ガラス屋根越しに外の景色をより鮮明に観察できた。夜だが、土星型ランプは手が届きそうなほど近くに見える。ラッセルの部屋と同じ木製窓枠には、多くのオーリーには見慣れない植物が掛けられていた。三階の面積は思ったより広く、さまざまな鉢植えが地面、木の机、天井の木枠に置かれていた。透明なガラス屋根が、植物に人工太陽の光を吸収させる役割を果たしている。
緑、赤、黄、紫の色彩が交錯し、オーリーは先ほどのラッセルの絵を思い出した。小さな木々は大きな鉢に植えられ、地面に配置されている。二階にいた時から水の流れる音が聞こえたが、三階ではさらに明瞭になった。オーリーは音の出どころをすぐに見つけた。円形の蓮池があり、そこに向かって駆け寄った。池は小さなバルコニーにあり、前方は純白の壁で囲まれた裏庭につながっている。池の水は石の壁を通じて下の階の池に流れ込み、水音の正体だった。
裏庭は白い壁で囲まれ、壁の高さは三階の天井と同じで、バルコニーから外は見えない。裏庭には天井がなく、人工太陽の光が昼間には遮られず直射する。夜は数灯の屋外ライトが照明を提供している。オーリーは蓮池のバルコニーから下を見ると、地上の池や緑の芝生、折りたたみ椅子が見えた。
「すごく広いね」オーリーはバルコニーの手すりにもたれ、裏庭を眺め、温室内の植物や木々を振り返った。橙色の光がすべての植物、鉢、書棚、机に暖かく包み込み、建物全体は森の中のキャンプ地のように感じられた。
「君の部屋はここだよ。」ラッセルは温室の奥の小さな扉を開けた。オーリーは植物に夢中で、その扉に気づいていなかった。扉の奥は小さな屋根裏部屋で、デカやラッセルの部屋ほど広くはない。照明はなく、外の光で大まかに部屋の様子が見える。部屋の奥には物が積まれていたが、何かまでは確認できなかった。ガラス屋根と木製窓枠はラッセルの部屋と同じで、横になれば空を直接眺められる。
「元々は植栽用の倉庫だったので、少し狭いんだ。ごめんね。」
「大丈夫、すごく気に入ったよ。」オーリーは天真爛漫な声で返した。
ラッセルは部屋に入り、オーリーが先ほど見た床に積まれた物の中から一つの球体を取り出した。ラッセルはそれを拭くように手で触れると、球体は明るいオレンジ色に光り始めた。リビング、温室、図書館、ラッセルの部屋と同じ色だ。
球体は浮遊し、ラッセルの手から1〜2センチ上空に止まった。オーリーはそれを受け取ると、空中に浮いているはずなのに、しっかり手の中にある感覚を覚えた。
オーリーは球体を観察し、断片的な記憶から見覚えがないか探した。すると、記憶の断片が視界に現れ、本や紙の上で見たことがある気がした。青緑の球体に白い雲がシルクのように覆っていた。
「地球……」オーリーは不確かに言った。
「その通り、この球は地球の形をしている。僕たちが住む星だよ。」ラッセルは言い、球体を手で天井に押し上げると、球体は命令を受けたかのように天井中央に浮かび、部屋全体を照らした。オーリーは床に積まれていたものをはっきり見た。寝袋と見慣れない長方形の装置、球体を入れていた鉄箱が上に置かれていた。
ラッセルは寝袋を広げ、装置を横に置いた。
「君は僕たちのベッドに慣れないだろうから、特別に寝袋を用意したんだ。」
「寝袋?ロボットは寝る必要があるの?」
「本来は必要ない。植物コアのエネルギーがあれば充電もいらない。でも人間の生活習慣を再現しようとして、寝袋やベッドも作ったんだ。充電や休息のために使うこともある。人間の睡眠を模倣してね。」
「じゃああの装置は?」オーリーは興味津々で指を指した。
「これは充電用だ。君はまだ植物エネルギーを持っていないから、これで充電する必要がある。」ラッセルは身体からコードを伸ばし、吸盤のような端子をオーリーの胸の扉に接続した。オーリーは軽く震える感覚を覚え、スクリーンは電池アイコンに変わり「充電中 残量66%」と表示された後、再び大きな橙色の目に戻った。
オーリーは寝袋に横たわり、胸のコードを寝袋のファスナーから出した。
「臨時だから少し不便だけど、植物エネルギーを整えたら充電は不要になる。もっと快適なベッドも用意するよ。」
「大丈夫、これでも十分快適だし、ロボットは本当に寝る必要ないんでしょ。」
「もし休みたいなら、シャットダウンの設定も教えるよ。実際には休息にならないけど、精神的な休息は大事だからね。」
ラッセルはオーリーにシャットダウンと起動の方法を一つずつ丁寧に教えた。失敗したときの対処法も含め、オーリーは真剣に聞き逃さないようにした。ラッセルの優しい声は、かつて誰かに教わった記憶を呼び覚ますが、その姿や声はぼんやりしていて、詳細は思い出せなかった。
「おやすみ」ラッセルに言い、部屋にはオーリー一人だけが残った。寝袋に横たわり、天井の光る球体と夜空を見上げる。シャットダウン時間が近づくと、スクリーンにカウントダウンが表示される。
5、4、3、2、1――目を閉じると球体の光は徐々に消え、闇と静寂だけが残った。しかし不安はなく、言葉にできない安心感とリラックスがあった。
オーリーの、ロボットとしての日々は、この瞬間、シャットダウンという形で正式に始まったのだった。
私は台湾人で、日本語はあまり得意ではありませんが、もっと多くの人と自分の作品を共有したいと思っています。翻訳はコンピューターを使って行っていますので、どうかご容赦ください。




