第一話
エトワール王国。
そこは自然豊かな国。
その国の王様はとても優しくて、国民のことを第一に考えていたため、国の人達からの信頼がとてもあつい人でした。
そんな王様には最愛の妻と息子がいました。
王様と王妃はある日、敵国のスパイによってこの世を去りました。
しかし国民は王様の息子、王子様がやったのだと言いました。
スパイの存在に気づかずに。
王子様はお城を追放され、今では国の端にある大きな山の奥にあるお城で、一人寂しく暮らしています。
僕はブラボー。
この国の王子様。
だけど僕がこの国の王様になることはない。
僕はお城を追放されちゃったからね。
なんかわからないけどお父様とお母様のことをあの世へと送った罪の疑いをかけられちゃって。
あのときの僕は両親の突然の死で、心が壊れる寸前だった。
そこに追い打ちをかけられて。
いまはだいぶ心が落ち着いてきたけど、もう人間不信になっちゃったかもな。
もう誰も信じたくない。
まだ五歳だった僕が誰かの命を奪うなんてすると思うかい?
この国の人は頭がイカれちゃってるんじゃないの?
今はこの国の王様を代わりの人がやってる。
国民のためを思って行動してるように見えるけど、なんだか裏がある気がするんだよね。
僕はお城の窓から国を見下ろした。
僕も普通の家庭に生まれて、普通の人生を歩みたかったな。
そんな時、どこからか声がした。
「お〜っと、そこの君!」
声に驚いて、僕は後ろを振り向く。
声が後ろからしたから。
「僕らと一緒にスパイを倒してみない?」