表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

2.正解はどれだ?

「あからさまにおかしいだろ……」


 シングルルームのはずの部屋にベッドが3台。

 3人部屋がたまたま空いていたので泊めさせてくれた、と考えられなくもねえか?

 でもそれならフロントでその旨伝えるだろう。

 それに2台と1台を離して向きまで逆方向に設置する理由がわからねえ。

 普通に川の字に3台並べられるスペースはあるんだから。

 しかも


「何だこの絵?結婚式?」


 3台のベッドのうちバスルーム側に頭を向けて並べられた2台のベッドの枕元の壁には絵が飾られていた。

 絵はリアルだが遠近をずらして描いているようで、見ていると平衡感覚がおかしくなってくる。

 絵には羽織袴の男性と花嫁衣装っぽい服装の女性、それと一組の老夫婦が描かれており、雪化粧に覆われた外の景色が見えて季節が冬だと分かる。

 結婚式の記念写真を絵にしたのか?

 ともあれホテル側が部屋を間違えた可能性も考えてフロントに電話するが誰も出ねえ。


「マズい方に進んでんな」


 迅さんに電話するも

「お客様のお掛けになった番号は……」 

 のアナウンスが流れるだけで繋がらねえ。

 その後知り合いの何人かに掛けてみたがどれも同じアナウンスが流れるだけだった。

 取り敢えずLINEなどに現況を書いておく。


「となると多分」


 部屋のドアノブを掴んでドアを開けようとしたがビクともしねえ。

 閉じ込められている。


「あ、本格的にやべえ……」


『いやお前馬鹿だろ!?何で忠告されてるのに確認もしないで部屋入っちゃってるんだよ!?』

 と思うかもしれねえ。

 だが以前に『何かこの部屋変だな?』と部屋の外で寝たら槍を持った全裸の落ち武者(←髪型から推測)の幽霊に追い回されたことがあった。

 後で迅君に聞いたところ俺が変だと思ったその部屋こそ守護結界が施されていたらしい。

 そんなこともあって、明らかな危険が迫らねえ限りは部屋を出たりとかドアに物を噛ませて隙間を開けるとかいった吉と出るか凶と出るか分からねえ行動はなるべくしねえことにしている。

 第一、それやったら普通の犯罪被害に遭う可能性が上がる。

 迅君からも『現状の確認』、『救援の要請』、『体力の温存』を優先してくださいと言われてるしな。


「ただ、出来ることはやっとかなくちゃな」


 レジ袋からさっきコンビニで飲食物と一緒に購入した塩1kg入3パックを取り出す。

 迅君からの忠告があったので買っておいたのだ。

 パックを開けて隅はもちろん部屋中のあちこちに豪快に盛塩する。


 購入した塩を全部盛り終えるとシャワーを浴びて寝巻に着替える。

 疲労と不安で食欲はねえが体力回復のため無理にサンドイッチを頬張りながら考える。


「……結局どこで寝るかな?」


 迅君のアドバイスに従えば床で寝たりといったことはせず普通にベッドで寝るべきだろう。

 どれもベッドメイクはきちんとされているが、あんな不気味な絵が枕元に飾られたベッドで寝たくねえ。

 2台のベッドの枕元の結婚式の絵というのは、成人前に亡くなった子の結婚式の絵馬を納めたりといった冥婚の風習を思い起こさせる。

 最近ではその絵馬に実在の人物を描くとどーのこーのといった都市伝説みたいになってるアレだ。


 となると奥のベッド1択なんだが罠臭い。

 しかし罠だったとして俺に何をするつもりだ?

 もし仕掛けられた罠が溟婚だったとしても、俺には死に別れた幼馴染なんかいねえし、たいした血筋の家柄でもねえから婿に選ばれる理由が思い当たらん。

 とにかくスマホで冥婚に関する情報を片っ端から調べていたのだが


「な……マズい……」


 突然眠気が襲ってきてサンドイッチとスマホを取り落とす。

 もう迷う時間がないことを察した俺はなんとか奥のベッドまで歩いてそこに倒れ込む。

 と同時に意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ