第7話 試験
まもなく3年生1学期が終了する。先日は、相合傘事件があったが、その後も特に変化はないように見えた。そんな中、期末試験が行われる。
明日からいよいよ期末試験だ。そして試験が終わったら、3年生にとっての一大イベントがある。
「テスト終わったら、博物館研修があるからな。テスト最終日は、家に帰ったらちゃんと荷造りするんだぞ」
———博物館研修。7月になると、3年生は博物館研修に行くことになっている。これは、我が校の伝統であり、文化事業の一環で東京の博物館に行く。そのため、3週間ほど前に調べ学習の時間がとられていた。
朝のホームルームで先生が博物館研修についての連絡をしていた。実際には、生徒の大半は博物館研修なんてと思っている。
「アキさんは、博物館研修どう?」
「え、どうって?……別にすごく楽しみ!って感じじゃないかな」
「そうだよね。それになんでこんな時期にやるんだろうって思う」
「それ、それ。2年生のほうが絶対いいって。何かと大変な3年生じゃなくていいでしょ」
テスト前日なので、学級の時間は、先生も自習に当ててくれた。
「えー、朝も連絡した通り、テストが終わった後は、博物館研修があるからな。このクラスは7月4日に出発、その日は泊まって、5日に帰ってくる旅程だ。しおりをしっかり確認しておくように。じゃあ、自習ー」
チャイムが鳴って、6時間目が終わった。ロッカーのところへ行って、明日の試験の教科書を取り出す。
明日から期末試験。これが済んだらば、すぐに三者面談がやってきて、3年生1学期も終わりだ。夏休みがやってくる。ぐずぐずしていたら、きっとすぐに終わってしまうんだろうなと思った。
「ねぇ、明日の試験ってなに?」
「ああ、鈴木くん。明日は、1時間目が数Ⅱ、2時間目が現文、3時間目が、現社」
「ありがとう」
1日目に数学と現代文とは、オールスターだ。現代社会は、とれる。
とはいえ、現代文は、好きじゃない。
期末試験といえば、これも試験だ。まあこの試験は試験であり、試練なのだが。
4日間の試験の日程が終わった。学級内での順位もまずまずの結果だった。