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【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第3章 王都防衛編

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第93話 攻勢3・虹色ゾンビ戦

 神樹セフィロトの根元の北側でゾンビ達との激戦が続いていた。


 残るは虹色ゾンビ一体。姿形は今までのゾンビと違って人型ではなく、ドーム状だ。といっても(うつわ)に盛ったゼリーのような綺麗な形ではなく、ディッシャーから(すく)ったアイスを床に叩きつけたら出来たような汚い造形だ。


 さらにドームの外周に付いた無数の目と口、それと蚊の巨獣が出入りするための無数の穴が嫌悪感を増幅させる。


 ここまで来たら勝ちは(うっす)らと見えているが、まだ油断は禁物だ。なにせ体にゾンビ化させる蚊の巨獣を飼っている敵の親玉だ、もしかしたら色付きゾンビも量産できたりするかも知れない。


 俺は警戒しながら敵へ向けて部隊を進軍させた。


「グォォ!」


 虹色を守るように襲ってくる雑魚巨獣の群れ。


「どけ!」


 数の暴力で敵の体内に無理矢理潜入して瞬殺した。


 ほぼ停止せずに虹色との距離を詰めていく。敵は移動する気配はない。逃亡されたら面倒だったが、どうやら殺されてくれるようだし遠慮なく行かせてもらう。


 クロスボウの届く範囲に入るか入らないかの距離まで来た時だった。


 ブブブ、と不快な羽音を立てて敵の体内から無数の蚊の巨獣が飛び出してきた。人間の大人ほどのデカさだ。


 レイピアのような鋭い針を前面に押し出しながら襲ってくる。


 この程度の大きさなら鎧兵一体でも倒せるはず。って思ったら。


「ぐわー、やられたカブトー」

「やられたハチー」

「やられたセミー」


 おい。虫騎士の癖に蚊ごときにやられてんじゃねぇよ。ホント意味のない設定だよ。作ったヤツの顔が見てみたいわ。なんと今なら鏡を見れば分かります!


 ……小粋(こいき)なジョークは置いといて、とにかく蚊を一匹倒すには鎧兵が三体から五体は必要そうだ。地味に負担が大きいな。


 グダる前に一気に片をつけたい。


 蚊のムカつく羽音にイライラしながらも押していく。


「あと少しだ!」


 ようやく先頭の部隊の矢が虹ゾンビに届きそうになった時だった。敵の無数にある口が光り、ビームが放たれる。


「そんなもので!」


 こっちには無限の鎧兵がいるんだ。多少の範囲攻撃では勢いは止まらない。消された側から再召喚して距離を詰める。


「これで終わりだ!」


 敵の体中の穴に向けてスライムボム(SB)改を打ち込んだ。直後、(まばゆ)い光とともに大爆発した。


 飛散する虹色の体液。完全に仕留めた。がしかし。


「えっ……?」


 崩れた虹色ゾンビの中に謎の発光する巨大物体が見えた。煙が晴れて、輪郭(りんかく)(あら)わになっていく。


「は? なんだよそれ」


 そいつは翼の生えた光り輝く人型巨獣であった。サナギが蝶になった時のような生命の美を感じる。バカ、そんなことを考えている場合じゃない。


 ヤツには“翼”がある……!


 ふと、蚊の巨獣を初めて見つけた時のことが頭をよぎった。


 ——もし、この蚊より大きくて空の飛べる巨獣が現れたら果たして勝てるのだろうか——


 ああ、クソ。もっと考慮しとくべきだった。頼む、頼むから飛ばないでくれ。


 その嫌な展開をなぞるように光のゾンビは最悪の行動に出た。


「オオオオ!」


 俺を無視して突然の飛翔(ひしょう)


「クソ!」


 敵が空中でこちらを見下ろし、一瞬笑ったように見えた。直後、暴風を巻き起こして神樹の方へ飛んでいく。


「ヤバい! トマティナ! オイチ! 敵がそっちに行った! 逃げろ!」


 ここから神樹までかなり距離があり、すぐには戻れない。あらゆる最悪なシチュエーションが頭の中を駆け巡る。


 クソ、こんなことが……頼む、みんな逃げてくれ……!


 俺はそう願いながらも、必死に馬を走らせた。

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