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【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第2章 新天地編

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第61話 火山地帯2・クリケット捕獲

 俺は巨獣サラマンダーの調査のため聖騎士団を率いてゲブラー火山を登っていた。


 人型巨獣スミーを倒した後、火山灰や火山弾が降り注ぐ中を慎重に進んで、ようやく山の中腹に着いた。


 目の前では虫型巨獣がウジャウジャと(たむろ)している。


 コオロギ型巨獣クリケットだ。クリケットってコオロギって意味じゃなかったか? ニートンめ、名付けも適当になってきたな!


 クリケットはサラマンダーの主食であり、本来はコイツを与えて満腹にさせて大人しくなっている間に新天地への安全な道を進むはずだった。


 それがサラマンダーの突然変異によって食べさせても効果は見込めなくなった。それでも何かしらの弱点を発見するためのきっかけになるかもしれないのでエサとして連れて行くつもりだ。


 クリケットは比較的温厚な巨獣で人間を見ても襲ってこない。


 コイツをどうやってサラマンダーの元へ誘導するかというと、クリケットの特性として頭の触角を(つか)むと(わず)かに操作できるのを利用する。


「さっそく試してみますか」


 敵がエサの岩石を食べている隙に上へ飛び乗って二本ある触角を掴んだ。とりあえず両方の触角を手前に引いてみる。


「うお!?」


 クリケットが突然ジャンプした。鎧兵の主観画面が大きく揺れる。3D酔いするわ。


 なんとか落ち着かせようと触角を強めに掴む。すると、片方の触角が千切れた。


「あ……」


 勢い余って鎧兵が振り落とされた。そのまま坂を転がり落ちていって死んだ。


 ちなみにその鎧兵は音楽騎士隊小隊長ピアーノだ。白黒だし、まるでおむすびころりんみたいだぁ……。


 メルヘンなことを考えながらクリケットを見ると、触角がなくなってバランスがおかしくなったのか、壊れたオモチャのようにその場でぐるぐる回り出した。


 うん、なんかゴメン。


 かわいそうなので殺してあげた後、新しいクリケットに飛び乗った。


「次は慎重にだな」


 右の触角を引くと右に、左の触角を引くと左に動いた。お、案外簡単だな!


 自動車教習所に通っていた頃を思い出すなぁ。


 ノロノロと動かしていると、カーブに差し掛かる。曲がる時は内輪差に気をつけてっと。タイヤはないから後ろ足だな。


 慎重にカーブを曲がっていると突然の衝撃。音の先を見ると別のクリケットに接触していた。


「邪魔だてめぇ!」


 ……ハッ! 俺はいつでも冷静沈着な男。運転の時だけ豹変して暴言を吐くタイプがいるが、俺はそうではない。安心安全運転を心がけよう。


 そう思った瞬間。別のクリケットが背後から衝突してきた。


「どこ見て走ってんだてめぇ!」


 おー痛ぇー。これ絶対むち打ちだわー。その証拠に首取れちゃってるもん。地面を見ると、鎧兵の首が転がっていた。おーいてぇー! 慰謝料払いやがれ!


 ……コホン、コントはここまでにして次だ次!


 今度は触角を前に傾けてみる。するとスピードが上がった。


「ヒャッホー!」


 教習で高速道路を走った時のことを思い出す。初めはビビるけど慣れてくると楽しいんだよな。


 高速移動させていると目の前に崖が見えた。


 危ないな。よし、ブレーキで減速してっと。……ブレーキどれ?


 触角をガチャガチャ動かすも止まる気配がない。まずいまずい。


「あ……」


 ブレーキを発見できず、勢いそのままにクリケットが崖から落ちていった。


 アハハ……ま、まぁ、巨獣だしいいよな! ほら、レースゲームだって何回か転落して操作を覚えるものだしさ! 後でレッカー車呼んどくから安心してくれよな! 多分来ないけど!


 その後、ブレーキは触角を横に広げるといいと分かった。なんか間違って手前に引いてジャンプしちゃいそうだな。もっと人間工学に(のっと)った優しい仕様にしろよな! ぷんぷん!


 とにかく車幅も理解してきたし、これでもうクリケット免許は取れるな!


 運転に慣れてきたところで、鎧兵を何体も乗せてクリケットの列を形成した。


 シュッシュッポッポ、シュッシュッポッポー!


 やっぱ二十三歳ともなると一周回って電車ごっこが楽しくなっちゃうよな!


 シュッシュッポッポ、シュッシュッポッポー!


 よーし、このままサラマンダーへGOだ!


 俺は人前では決して見せられないバカみたいなテンションで頂上へと向かった。

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