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【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第2章 新天地編

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第60話 火山地帯1・スミー戦

 族長イドテアの元で一日中休憩を取ったおかげで心身共にだいぶリフレッシュできた。


 現在俺はトカゲ型巨獣サラマンダーの様子を見るため聖騎士団を引き連れてゲブラー火山地帯に来ている。ここはゲブラー火山を中心として、火山ガス、火山灰、溶岩など火山噴出物で溢れた危険地帯だ。


 ただ危険な巨獣が少ないという点ではギリギリ安全と言えなくもない。いや言えないか。


 新天地までの安全な道筋を示した地図“黄金血路(おうごんけつろ)”によれば、本来ならサラマンダーに餌をやり満腹にすれば大人しくなって比較的簡単に通れる。だが、今は突然変異したサラマンダーは凶暴で満腹にしても暴れるし、火山を活性化させて灰や火山弾を常時放出させている。


「あ、巨獣いた」


 火山に巨獣は少ない、と言ったが、全く居ないわけではない。目の前に現れた巨獣“スミー”もその一種だ。


 炭のように黒く固そうな二足歩行の人型巨獣スミー。名前の由来は炭だからか? これは巨獣資料を書いているニートンという男に聞いてみないと分からない。


 敵は砂漠で会ったミイラ男型巨獣マミーと似ているが、包帯皮膚を外してもスミーにはならない。カタツムリの殻を取ってもナメクジにはならないみたいなものだ。


 長い歯を持つスミーは、座って岩石をボリボリ食べている。このまま無視したいが、サラマンダーとの戦闘中に背後から攻撃される恐れがあるため駆除することにした。


 隙だらけだし、ちょっと新鎧兵試しますか。その名もパーフェクトポテトさんだ!


 No.99のポテトさんは鎧兵の中で生存率が高い。理由は主に一番後ろにいるからだ。後はなぜか運もいい。


 そこで俺は、五体いるストックを合体させれば強くなるんじゃね? という頭の悪い理由で作ってみた。まぁ実験は大事だよな! 何が戦術を思い付くきっかけになるか分からないし!


 それではさっそく召喚する。シルエットは戦隊モノの巨大ロボの縮小版みたいだが、両肩と両足にも顔がありマッドサイエンティストが作ったような人間を合成して作った化け物にも見える。


 ゲームなら五カ所同時に破壊しないと復活してくるボスだろう。しかし残念ながらパーフェクトポテトさんは一カ所破壊すればバランスが悪くなり動けなくなって死ぬ。


 うん、キモい見た目だよな。だってロボットなんて演劇サークル時代でもデザインしたことねぇし。もっとロボットものとか見たり、プラモとか作っとくべきだったなぁ。


 後悔先に立たず。とにかくパーフェクトポテトさん、略してPPを突撃させる。金属音を立てながら、およそスピーディとは言えない速度で走っていく。


 スミーがPPを視認した。オラァ、勝負だ! ポテトさんの底力を見せてやる!


 が、足元まできた瞬間、思い切り蹴り飛ばされる。凄い勢いで吹き飛び、岩に叩きつけられてマッシュポテト(大盛り)になった。


 ……五人分使ってこれかぁ。コスパ悪いな。


 結構ガッカリしながらも次の戦術に移る。次はポテトさん五人をそのまま同時召喚してあたかも分身しているかのように見える分身アタックでどうだ。族長代理テンソと砂漠のオアシスで会話した時、鎧兵の数が多いうんぬんかんぬん言われて思いついた戦術だ。


 ポテトさん五人を散らして突撃させる。


 敵であるスミーは目をギョロギョロと動かして惑わされている……気がする。


 これは効果的か!? と思ったら、すぐに一匹のポテトさんが鷲掴みにされようとしていた。ククク、甘いぜ。ソイツは残像だ! ……というわけもなく、もちろん実体なのであっさり捕まってしまった。そしてそのままボリボリと食べられる。ポテトさんはポテトチップス(塩分ゼロ)になって死んだ。


 残り四体のポテトさんも簡単に踏みつけられてハッシュドポテトみたいになった。


「……ふーん。なるほどね」


 凄いことに気付いた。ポテトさんって一番前に出したらゴミだわ。ふー、学びを得たね!


 内心、結構メンタルにダメージを負っていたが気を取り直して次のフェーズに移行する。ここまでは時間稼ぎだ。


 スミーを罠のある場所へ誘き寄せるため部隊を展開した。フラダンスしたり、ロボットダンスしたり、ブレイクダンスしたり、コサックダンスしたりして挑発する。


「グオオオ!」


 急に叫び出すスミー。えぇ、そんな怒んないでよ。ちょっとしたジョークじゃーん!


 ブチギレた敵は近くの岩を鷲掴みにして食べ始めた。ストレスを暴飲暴食で解消するタイプか!? 気をつけないと病気になるぞ! なんて考えていると噛み砕いた岩を鎧兵達に向けて勢いよく吐き出してきた。


「ポロポローン、これが葬送曲ですか」

「あたしが死ぬ? 嘘でしょ?」

「ファファファのファーー!」

「これが逆王手か……」


 ピアーノ、ダイヤ、ノウミソ、ショウギが死んだ。


 クソ、マミーと同じくコイツも隊長格ばっかり狙いやがって。上司に嫌がらせするタイプかぁ?


 文句を垂れているとスミーが間髪を容れず突進してきた。瞬時に距離を詰めて鎧兵を蹴り飛ばすが意外に重かったのかバランスを崩して転倒しそうになっていた。


 掛かったな。その蹴った鎧兵は、ダンゴムシ型巨獣と戦った時に作った“改造体ディフェンス型”だ。ディフェンス型は硬くなる分、地蔵のように動けなくなるというデメリットがあった。だが同時に重量もかなりあって見た目より重い。たとえるなら(から)だと思って蹴った空き缶に砂が入っていたら誰でもバランスを崩すだろう。そういう心理を突いた。


 スミーは、コケそうになっており、体勢を整えようと頑張っていた。俺はそこを畳み掛けるように次の策を打つ。


 鎧兵を強制解体して中に仕込んで置いたスライム液を敵の足元にぶち撒ける。それは巨獣スライムから抽出したものでローションのようなものだ。


「オオオォ!?」


 足を取られるスミー。諦めな。人間なら分かると思うが二足歩行の生物は片足の自由を奪うだけで簡単に転倒する。しかもここは足場の不安定な山道でバランスを取るのは難しい。


「グオォ!?」


 間抜けな叫びを上げながら遂に転倒したスミー。そこにスライムボム(SB)改を叩き込む。敵に接触した瞬間、大爆発を起こして断末魔を上げる間も無く死んだ。


 上がった砂煙が晴れて周囲に異常がないことを確認した俺は、そっと胸を撫で下ろした。


 ……ふぅ、戦術も増えていい調子だ。この感じならサラマンダーも倒せるかもな。


 俺は少し楽観的に考えながら先に進んだ。

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