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【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第2章 新天地編

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第39話 邪教と聖教2・NTR?

 同人誌即売会会場みたいなところにいた団長ゼロの元に突如現れた聖教ポテトの信者達。


 豚の仮面を被り、トゲトゲの白装束を着た小太りな男が前に出てきた。


「おうおうおう、あっしら聖教ポテトに断りもなくこんなとこでなにしてんだぁ?」


 一人称があっし、小太り、豚の仮面。絶対“キャロブゥ”だろ。


 キャロブゥとは豚鼻の中年男。貧民街のボスであり、ポテト信者一号だ。コイツがあちこちでポテトの武勇伝を有ること無いこと吹聴(ふいちょう)しまくったお陰で国中に存在が知れ渡り、今や聖騎士団といえばポテトという図式が成り立ってしまっている。


 ゼロ推しの俺としては歯がゆい感じだが、ポテトの威光に助けられている部分は多いので我慢している。まぁ同一人物だし、と割り切るしかないわな。


 しかしキャロブゥの野郎、まさか宗教まで作ってやがったとはな。全く知らなかった。


 そんなことを考えていると、邪教側である女王マルメロがキャロブゥの前に出た。


「何をしているかじゃと? 見ての通り邪教ゼロの布教活動なのじゃ」


 ただの同人誌即売会です。


「なんだぁ? 見た感じ小娘のようでさぁ。ガキは引っ込んでな」


「ふん、見た目で判断するとは浅い奴よ。わらわはマル。この邪教ゼロの創設者であり、教祖じゃ」


 いやお前がつくったのかよ! 女王が邪教つくったとか、バレたら国が傾くんじゃねぇのか!?


「ぶはは! こんなガキが教祖とはゼロさんも可哀想だなぁ。悪いことは言わないから解体してあっしらの聖教ポテトに合流すべきでさぁ」


「そんな事をすればマイナーな粗チンゼロ本が淘汰され、巨チンポテト本ばかりになってしまうのじゃ! 多様性を尊重せよ!」


 着眼点おかしいだろ! あと巨チンポテトやめろ! モロじゃねぇか!


「ふん、布教本など“ポテト×キャロブゥ”があれば充分よ」


 一番いらねぇよ!


 その後も二人のどうでもいい言い争いが続く。


 もうやめて! 俺のために争わないで! いやマジで頼むわ。


 すると突然、キャロブゥが俺の方に寄ってきた。


「一丁前にこんなゼロさんそっくりの鎧なんて作りやがってよぉ!」


 突っ立っていたゼロを蹴り飛ばしてきた。おい、ブタ野郎。汚ねぇ靴で蹴ってんじゃねぇよ。


「何をする」


「え、鎧がしゃべったああああ!」


 聖騎士団全員、鎧のまま喋ってるだろ! 分かれよ!


「失礼な奴だな。私だ、ゼロだよ」


「ゼロさん本人!? こ、これは失礼しました! えっと、ということはゼロさんが邪教をおつくりに?」


「いや、私はさっきたまたま知ってな。どういう活動をしているか調査しに来たんだ」


「そうでしたか。やはり邪教は潰すべきでは? ゼロさんからしても邪魔じゃあないっすかぁ?」


「そう思っていたが、見た様子だと害はなさそうだし、今のままでいいと思う」


 宗教というかただのオタクサークルだしな。


「いやいや、邪教だけに限らず、こういう質の悪い宗教を増やすと監視が難しくなりますぜ。やっぱり似たようなのは一つにした方がいいと思いまさぁ」


「あんまりしつこいとポテトに報告するぞ」


「にょひぃ! それだけはご勘弁を!」


 どこから声出してんだよ。


 平謝りするキャロブゥ。ふと、その背後を見ると、仮面をつけた銀髪ロングの女性がいた。天狗の葉っぱのようなピアスをしている。あ、占い師“クズヨ”さんだろ。


 クズヨさんは、No.28蜂型鎧のブンブンにちょっかいを掛けてくる鬱陶しい人だ。ただ、占いは結構当たるので重宝している。決してお礼は言わないが。


 それからクズヨというのは本名ではなく、俺の団の女鎧兵をけなして“クズよ”とばかり言うので俺が勝手に付けたあだ名だ。


 その正体は“イチクジ”という名で貴族の令嬢である。年齢は二十二歳。綺麗な銀髪で美人なのだが、前述の通り性格がクズなので絶対に彼女にしたくないと俺は思っている。


 キャロブゥを適当にかわして、クズヨさんに話しかけてみる。


「もしかして君は占い師をやっている人か?」


「……! ええ、そうですわ! よく分かりましたわね……!」


 認めるのか。自己顕示欲隠せないタイプだな。


「も、もしかしてわたくしのこと、気になっていますの?」


「いや、ない」


「気になっているのでしたら、で、デートして差し上げてもよろしくてよ?」


 コイツ話全然きかねぇな。


「そうか。なら、ブンブンに言っておくよ。アイツと仲良かっただろう」


 クズヨさんは、その名前を聞いた途端、体を仰け反らせて露骨に嫌そうな態度を取った。


「ブンブン? あぁ、いましたわね。語尾が“ハチ”のクズ」


 おい。ひでぇ言い方だな。


「以前、婚姻関係を結びたいと言っていたとイチクジ令嬢から聞いたが」


「気が変わりましたの。旦那様にした時にそんな語尾の人、恥ずかしくて紹介できませんもの」


 嫌な奴って否定する時だけ正論っぽいこと言うよな。


「それよりも今はポテト様ですわ。彼ったら声が低くて、変な語尾もなく落ち着いていて理想の殿方ですわ」


 その代わり体中すっげぇトゲトゲしてるけどな! つーか推し変してんじゃねぇぞ!


「さらに高身長、高戦歴、高収入で完璧ですのよ」


 収入はブンブンも同じなんだが!


「あ、でもゼロ様も悪くないですわ。聖騎士団の団長ですものね。なのでどうしてもと言うのなら邪教に入信して、伴侶になって一生を共に過ごして差し上げてもよろしくてよ?」


 重いわ! コイツ、ちょっと良い肩書きに弱すぎんだろ。


 なんつーかすっげぇネトラレた気分。コイツだけには俺の正体バラせねぇな、ってのを改めて思い知らされたわ。もし正体バレしたら、脅されて、魔法、財産、体液、全部悪用されるだろうな。マジで気を付けよう。


 クズヨさんを軽蔑した目で見ていると、周囲で邪教と聖教の言い争いが始まった。険悪な雰囲気だ。


 マズイな。暴行沙汰になると面倒だし、ポテトを連れてきて収束させるか。


 俺本体はキーボードを叩き、画面の一つをポテト視点に切り替えた。すると、画面いっぱいに茶色い物体が広がっていた。


 ん? ああ、木の幹か。どうやら自動操縦中に肩のドリルが何かに引っ掛かってルートがズレ、木に向かい延々と歩行モーションを行なっていたらしい。


 まぁ自動操縦だとよくある事だ。特にポテトは全身トゲトゲで引っ掛かる部分が多いし。


 手動操作に切り替えて木から剥がす。すると、近くで談笑していたおばちゃん軍団が視界に入った。


 あ、見られたか。まぁいいけどね。


 なぜなら——


「今、ポテト様何をしていたのかしら?」

「あれは神樹セフィロト様と対話していたのよ」

「なるほど、全ての生命は一つに繋がっているという思想のもと、小さな木を通じて神樹様と対話しているのね」

「偉いわねぇ」

「偉いわねぇ」


 ——と、勝手に勘違いしてくれるからだ。


 いやぁポテトに関しては適当でいいから本当助かる。


 ポテトを動かしてゼロ達の元へと走らせる。


 数分後、ポテトが到着した。


「貴様達、なにをしている」


 ポテトを見たキャロブゥが驚く。


「ぽ、ぽぽ、ぽぽっぽ、ポテトさぁん!?」


 “ぽ”多いな。沸騰しかけのヤカンかよ。


「キャロブゥ、これはどういう事だ」


「きゃっ、また名前呼ばれちゃった」


 ポテトの前だと乙女になるのやめろ!


「いいから早く説明しろ」


 その時、ポテトの鎧のドリルがゼロに接触した。勢い余って後ろに倒れたゼロ。あーもう、トゲトゲうぜぇ。誰だよこんな使い勝手悪い鎧考えたやつ。俺です。


「あ、やっぱり二人は仲が悪かったんだ……!」


 いや、違う違う。ちょっと体が当たっただけだから。勘違いだから。そういうのやめてくれ。


「だよな。会うたびにバチバチなの見るもん」


 やめろ。ただの静電気だから。


「こりゃあもう決闘するしかないね」


 やめろやめろ。仲悪くない! 会うたびに肩組んで足を高らかに上げてラインダンスするレベルで仲良いよ!


「さぁ遂に始まるぜ。ゼロ対ポテトの頂上決戦が!」

「うひょお! ワクワクが止まらないぜ!」

「やれ、やっちまえ!」


 やめろー! なぜそうなるの!

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