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【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第1章 誕生編

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第13話 緊急招集

 マルクト王国中央にある王城の大部屋に要人達が集まっていた。女王に教皇、枢機卿(すうききょう)に大司教、名のある貴族と、錚々(そうそう)たるメンバーだ。


 もちろん俺も聖騎士団団長ゼロとして出席している。いつも通り本体は留守番だけど。だって鎧重いんだもん。体鍛えなさい俺。


 そして円卓を囲むように着座した面々。こういう要人会議憧れてだんだよなー。中二病的にはホントゾクゾクする。


 俺が自室でニヤニヤしているとも知らず、女王マルメロが神妙な面持ちで話し始める。


「さて、急に招集をかけてすまないのじゃ。由々しき事態ゆえ、すぐに本題に入らせて貰う。皆も知っての通り国中の聖水が湧出しなくなった」


 そう、神樹セフィロトから無限に湧いていた聖水と呼ばれる水が一切でなくなったのだ。巨獣のせいで木からほとんど降りられない人間達にとって絶望的な状況と言える。


「原因を調査したところ、北東の“ケセド川”の枯渇が確認された。そのせいで神樹自身に水が足りず、国にも湧かなくなったと見ているのじゃ」


 一国がすっぽり入るほどの大樹なので、その分、水が大量に必要なのだろう。それこそ川から直接吸収するくらいに。


 マルメロが円卓中央の巨大な地図に対して長柄の杖を向けてケセド川を指し示した。高そうな木の杖だなぁ。神樹さんのかな? 信者に売りつければお金儲けできそう。ニチャア。


 腹黒いことを考えている間も話が進んでいく。


「よりによってケセド川とはねぇ。ここは神樹様が最も恩恵を受けているとされる川でねぇ。これは大変なことだよぉ」


 高貴な雰囲気を纏うお婆さん大司教が発言した。おっとりしててカワイイ。彼女にしたい。……ハッ、俺は何を!


 コホン、ともかくケセド川は地図にも他の川より太く長く描かれている。神樹ちゃんからしたらいきなり家の水道を止められたものだろう。俺ならパニックで泣いちゃう。嘘です。


「枯渇の要因は何なのでしょう?」


 貴族の男が尋ねた。


「目下調査中じゃ。推測じゃが、巨獣により地形を変えられたと考えるのが妥当じゃろうな」


 巨獣は城のようにデカかったり、高層ビルのように高かったりするのでちょっとした動きでも川の破壊すら可能なのだろう。迷惑な話だ。


「対策はお考えで?」


「……うむ、ゼロ! 頼めるかの?」


 あ、俺か。一瞬対策が(ぜろ)なのかと思った。紛らわしい名前しやがって! 俺が付けたんだけど!


 ま、ともかくそういう流れになるよな。対外的には不死身の騎士団だし。


「お任せください。猶予はどれくらいと見てますか?」


「ある程度の貯水があるし、雨の有無で多少前後するだろうが、もって一ヶ月じゃな。それ以上は暴動で火の都になっとるかものう」


 思ったよりはあるが、短いな。貧民街の奴らなんて些細なきっかけで火事場泥棒とかしそうな気がする。何が起こるか予想が付かない。急がないと。


「分かりました。時間が惜しい。すぐに出ます」


「——そのまま逃げなければいいがな」


 ああん? 醜悪な顔の貴族から余計な茶々が入った。


「まさか。我々はこの国の聖騎士団。神樹を見捨てることは死と同義です。共に朽ちることはあれど、逃げることはあり得ません」


「ふん、口では何とでも言えるわ。もし逃亡したら私が地の果てまで追いかけて皆殺しにしてくれよう。覚悟しておけ」


 その有り余った脂肪じゃ無理だろ。てか追いかけられるならオメーが問題解決しろよ。


「それは恐ろしい。肝に銘じておきます」


 悪口でも言ってやろうと思ったが口論になったら口の水分が勿体ないのでやめておいた。感謝しろよクソジジイ!


 ゼロ()はその場を後にした。

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