第118話 邪神樹攻略戦2・フェンリル戦
雪山にてゴリラ型巨獣イエティを倒した俺は、少し東に移動し、狼型巨獣フェンリルの群れと相対していた。
こっちも倒しておかなければ邪神樹を破壊する時に邪魔に入る可能性がある。ゆえに戦う。
「ガルルル」
一番前の左眼に縦断傷のあるリーダーがイヌ科しかりとした唸り声を上げる。そして大口を開け、氷の玉を射出してきた。
「散開!」
俺の号令とともに鎧ユキヒョウ部隊が的を絞らせないため散り散りに動く。
敵は首を左右に動かして鎧兵を狙撃している。気を取られているせいか足は止まったまま。
「んじゃ、早めにやらせてもらうか」
イエティの時と違って策を仕込む時間があった。そのため早くもアレを使う。
俺がキーボードを叩くと、雪山の上部が爆発した。
イエティをやった時と同じく雪崩作戦だ。
雪の津波がフェンリル群を襲う。敵のリーダーは、それを視認すると、大きく息を吸い込んだ。
「ワゥゥゥゥゥ!」
遠吠え。直後、フェンリル達が一斉に冷気を吐き出し、氷の壁、否、氷の砦を作った。それに群れが登る。ほどなくして雪の波が砦に直撃するも、ビクともしなかった。
「ま、そう簡単にはいかねぇか」
俺は焦ることなくニヤリと笑った。コイツらはイエティより速度があるとニートンから聞いていた。だからこれで倒せるとは思っていない。
本命は斜面を雪で平すことにあった。
「行け! スノボ部隊!」
火鎧兵が盾をスノーボードのようにして滑り降りる。鎧兵は召喚した武器を自動操作で、ある程度上手く扱える。その利点を応用した策だ。
さらに上空から鎧コウモリの大群をけしかける。
さらにさらに下からは雷鎧兵を弾に変えての雷撃。
「ワゥ、ワゥ!」
敵のリーダーが上手く指示を出しているのか、俺の波状攻撃を凌いでいる。
でもいくら統率が取れていても個体差があり、ついていけないヤツが出てくるもの。俺は一番動きのトロい個体を見つけると、集中攻撃した。
そしてソイツが足を滑らせて砦から落ち、斜面を転がる。
「ワゥ!」
それを見たリーダーが救出しようと跳んだ。
「焦ったな。そいつは悪手だ」
敵が着地した瞬間、足元が爆発した。
雪崩を起こした時に巻き添えで埋もれた火鎧兵をそのまま放置しておいたのだ。つまりは即席の地雷。
雪煙が晴れた先、リーダーは足を負傷したことで動けなくなっていた。
機動力のなくなった巨獣なんて怖くない。俺は畳み掛けるように連続攻撃でリーダーを始末した。統率のとれなくなった群れも簡単に全滅。
「セフィラ持ちじゃなくて飛ばない巨獣なんてもはや俺の敵じゃないよな。がはは!」
俺は策をそこそこ講じたのを棚上げして高笑いした。




