第105話 コクマー岩壁群2・グリフォン戦
ハーピーを倒した直後に現れた四足歩行のワシ型巨獣グリフォン。灰色の宝石のような体色をしている。間違いない、突然変異体だ。
もし、コイツが神樹に来たら危険だな。絶対に仕留めないと。
「クェェェェ!」
不快な鳥っぽい声を発しながら急降下してくる。隕石でも落下したような衝撃が地面に走り、砂煙が天高く舞った。グリフォンはケガした様子もなく、即座に煙を割りながら獲物を狙う肉食獣のように走行して鎧兵達を蹂躙していく。
クソ、いいよなぁデカいやつは。走るだけで攻撃になるんだもん。
俺が羨ましがっていると、敵は鎧兵を破壊するだけ破壊して再び飛翔した。
ヒット&アウェイ戦法か。あーめんどくせぇ。これだから空飛ぶ敵は嫌いなんだよ。ゲームでもこういう敵ってすぐ空に逃げるし、ホバリングして攻撃当てづらいし、遠距離攻撃ばっかしてくるし、時間制限があったりするし、トラウマ製造機だろ。
メランコリーな気分から立ち直る間もなく次の攻撃が来る。
地面スレスレを低空飛行して鎧兵を鷲掴みにした。そして急上昇。他の兵が点に見えるくらい飛び上がり、手を放して落とされる。ひぇぇ、やめろー。パラシュートはないのぉ?
もちろんないので鎧兵はうっかり階段から落としたマネキン人形のようにバラバラになった。
「クェェェェ!」
俺が半べそをかく暇もなく、敵が羽根を豪雨のように飛ばしてきた。出たよ全体攻撃。卑怯者め。俺なんてたった十万体の兵で戦っているというのに。……え? こっちも数が多くて卑怯? 人間様が常に正しくて正義なんだよ!
俺は小悪党のようなことを考えながら敵の攻撃が止むのを見守っていた。
見守って、見守って、見守り続けた。結果。
「いや、全滅しちまったじゃねぇか!」
千体くらいいた兵は見るも無惨な姿になっていた。
グリフォンは満足したのか空中でグルグル旋回した後、どこかに去っていった。
「ズルい、セコい、卑怯!」
俺はクソガキのような負け惜しみを言って口を尖らせた。
くっそー、これだから飛行する敵は嫌なんだよ。
どうしようかなー。セフィラを飲み込んでいる以上、倒さないわけにはいかないよなー。血迷って神樹の方に行く可能性もあるし。
ハーピーの時と同様に行き止まりに追い詰めたいが、移動速度が早すぎて難しいだろう。
次に掴んで来た時に爆弾兵で爆破するか? いや、破壊できても足だけだろうし、怯んで逃げられ、最悪縄張りを変えられたらやばい。
仕方ない。数日は掛かりそうだが、ひとつだけ思い付いたアイデアを煮詰めてみるか。
俺は部隊をいくつかに分けて準備に取り掛かった。




