第102話 世界攻略の朝
大聖堂の地下の書庫で宝玉セフィラの手掛かりを掴んでから一週間後。
俺は世界攻略へ向けての準備が終わり、旅立ちの日を迎えていた。
貧民街のボス兼No.99ポテト信者で、豚鼻のキャロブゥが見送りのために門の前へ来ていた。
豚兜の鎧兵No.93トンカツの前に来る。
「本当にニィさんも行くんですかい?」
キャロブゥはトンカツを兄さんと呼んでいる。なんか知り合いと似ているかららしい。
「もちろんだトン。これでも聖騎士団の一員だトン。頑張るトン」
「エサにしかならなそうっすが」
コイツ失礼なヤツだな。
「ともかく気をつけくださいっす。ポテトさんの次に心配してますんで」
余計な一言いわなくていいぞ。
「任せるトン」
えっへん、と胸を張る。それを見てキャロブゥは満足気に笑っていた。
見送りにはトマティナとオイチもいた。馬の兜を被った俺本体の前に来る。
「本当にシロも行くの? 鎧兵だけではダメ?」
トマティナが心配そうに眉を下げている。
「うん、決心は変わらないよ」
これについては準備期間に何度も話し合った。
これまでに手に入れた六個のセフィラは全て巨獣の体内にあった。それなら残り四個も同じく巨獣が食べている可能性が高い。セフィラを取り込んだ個体は突然変異して超強化されるので、鎧兵が多少いたところで勝てない。
さらに突然変異体によって危機に陥ったのが一年も経たずに三回もあった。次もすぐ絶望的状況になってもおかしくない。
だから俺本体も連れていく。ハイリスクだが、モタモタしていられないためこれが最善だ。
「途中で新天地カーナにも寄って休憩をとるから大丈夫だよ」
ゾンビ襲撃の時にカーナに置いておいた鎧兵を全て分解、回収してしまったので、ついでに様子を見るつもりだ。
「わかった。もう何も言わないわ。ただ、死なないで」
こくり、と頷く。
「わたくしもお姉さまと抱き合って帰りをお待ちしておりますわ」
オイチが言った。抱き合うって健全な意味だよな?
「心配をかけて悪い。必ず生きて戻るから。……それじゃあ行ってくる」
踵を返し、兜を正す。
「聖騎士団アイン、出陣」
そして世界攻略の旅が始まる。




