表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ  作者: 一終一(にのまえしゅういち)
第4章 世界攻略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/141

第100話 旅の準備2・大司教ビーチ

「やっぱりダメかー」


 教皇の住む宮殿の前で俺は肩を落とした。


 教皇に宝玉セフィラの情報を聞くため謁見(えっけん)を申し出たのだが、門前払いされてしまった。


 そりゃあ、ふらりと入る居酒屋のようなノリで教皇に会えるわけないよな。女王はバカだから会えるのにな。


 しれっと女王をディスりながらどうすべきか考える。


「うーん、どうするかな」


 謁見の申請だけしておいて復興の手伝いに戻るか。思案していると、背後から声が掛かった。


「ゼロや、どうかしたのかえ?」


 振り返ると、白髪のお婆さんであるビーチ大司教が、桃を詰めた袋を持って立っていた。


「ああ大司教猊下(げいか)。実は宝玉セフィラについて教皇聖下(せいか)にお(たず)ねしたかったのですが、すぐには謁見が叶わないようでして、困り果てていたところです」


「おぉゼロや、遂にセフィラを探す気になってくれたんだねぇ。それなら大聖堂に来なさい。私の管理する書庫にセフィラに関する本が沢山あるんだよぉ」


「本当ですか……! それは助かります!」


「こっちにおいでぇ」


 大司教とともに王都復興の様子を見ながら移動。さほど時間は掛からずに大聖堂へ着いた。建物の一部が破損していたものの、あまり被害を受けていないのですんなりと入れた。(ほこり)っぽい階段を降りて地下に着く。暗い廊下を歩き、とある部屋の前で立ち止まってドアを開いた。


「こんな場所があったんですね」


「普段は聖職者しか入室できない特別なところなんだよねぇ」


 中を(のぞ)くと、本棚が所狭(ところせま)しと立ち並んでいた。


「綺麗な本が多いですね。管理がしっかりしているってことかな?」


「違うよぉ、数年前に小火(ぼや)があってねぇ。一部の本が焼けてしまったんだよねぇ」


「あぁ、そういうことですか。では、あまり有益(ゆうえき)な情報は期待しない方がいいかも知れませんね……」


「大丈夫だよぉ。私と他の生き字引(じびき)たちが知識を持ち寄って本を修復したからねぇ。細かい違いはあれど(おおむ)ね元通りだと思うよぉ」


 おいおいすげぇな。俺なんて演劇サークル時代の脚本なんて一行すら思い出せないのに。


「なるほど、素晴らしいです」


「ヒッヒッヒ」


 魔女のように笑うビーチ大司教。かわいいような、不気味なような不思議な感覚を味わった。


 それから俺はさっそく本を(あさ)り始めた。日本語っぽい文字で書かれているが完全に一致しているわけではないので推測で読むしかない。


 巨獣の情報が()っているニートン巨獣記はまだ読めたんだけどな。まぁあれは絵もあったからというのもあるか。


 もうすぐ俺の屋敷にやってくる二人の彼女、踊り子トマティナと占い師オイチにも手伝ってもらうかな。役に立つかは分からないが一人よりは(はかど)るだろう。


 それから少し経って二人が屋敷にいる俺本体の元へやって来た。俺は彼女達に事情を説明した。


「分かったわ」

「喜んでやりますわ」


 トマティナには火がモチーフのNo.1ファイアを、オイチには蜂モチーフのNo.28ブンブンを操作させて大聖堂の地下に誘導してもらった。


「おや、助っ人のご到着のようだねぇ」


 ビーチ大司教が口を三日月に(ゆが)めて歓迎した。


「オレはファイア。よろしく」


 トマティナが魔法のボイスチェンジャーで声を変えて挨拶した。


「ブンブンです。お邪魔します。ビーチ大司教猊下(げいか)


 オイチも同じく声を変えて挨拶した。


 俺はそれを聞いてムッとした。


「おい、オイチ。ちゃんと語尾の『ハチ』を付けろよ」


 ブンブンの特徴だ。


「クッ……そのような屈辱(くつじょく)的な語尾付けたくありませんわ。ですがシロ様が罵倒(ばとう)するように命令してくだされば、やぶさかではありませんの」


「黙れ。早く付けろ」


「ああ! 命令口調が気持ちいいですわハチ!」


 それでいい。やっぱりキャラ付けは変な語尾に限るぜ。


「ああ! 早くシロ様の股間の針で刺して欲しいですわハチ!」


「発情してないで働け」


 変態は放っておいてみんなで本を漁り始めた。


 ビーチ大司教は近くのイスに座って本を読んでいる。


「ビーチ大司教って魅力的ですわよね」


 オイチが本をめくりながら言った。


「うーん? 確かに落ち着いていて理想の老人ではあるか」


「なんだかビーチ大司教からは、わたくしと同じ匂いを感じますわ」


 はぁ? うさん臭いとこか? それとも異常性癖持ちってことか? 想像したくねぇな。


「それはない。お前にはエロさしかないだろ」


「そう言ってもらえて嬉しいですわ!」


 暖簾(のれん)に腕押しかよ!


 オイチに侮蔑(ぶべつ)の視線を向けていると、団長ゼロに対して誰かが声をかけて来た。


「ゼロ君、進捗(しんちょく)はどうでしょうか?」


 振り返ると高貴なローブを着用した白髪のお(じい)さんが立っていた。


「教皇聖下(せいか)……!」


 その老人は、教皇“ホロウ”であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ