表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お金のない僕は、お金持ちの家の養子になった!

作者: 七瀬








僕は子供の頃からきっと、“お金に縁がない。”

お父さんは、僕が5歳の時にリストラになった。

お母さんは専業主婦で、家で毎日内職をしていた。

お父さんは、会社にリストラされてからは仕事を全くしなくなる。

毎日、パチンコや競馬、家に居る時はお酒ばかり飲んでいたんだ。

お母さんが、外で働きに行きたいと言うと? お父さんは猛反対した。

僕を入れて、幼い子供が5人も居てその面倒をお父さんは一人で見れない

というのが大きなに理由だったらしい。

でも? 家にはお金がないのに僅かなお母さんの内職で稼いだお金も

お父さんはお酒のお金に使っていた。

お母さんはどうしようもなくなり、自分の両親に頭を下げてお金を借りて

生活が何とかできていたのだけど...。

お母さんが無理言って借りてきたお金も、お父さんは見つけ出してギャンブル

に使っていたんだ。






・・・だけど? お母さんはお父さんと離婚はしなかった。

どうしようもない父親だったけど、僕達子供には優しかったお父さん。

一緒に遊んでくれたし、いっぱい笑って、僕には楽しい記憶しかない!

お金はないけど、“愛情はたくさんもらって育った僕。”

何とか? お母さんが僕達子供5人を女手一つで育て上げてくれた。

殆どお父さんは、家に居なかったから。

僕が18歳になると? 本格的に仕事をはじめる。

正社員で建築関係の仕事に就いた。

毎日道路の道を掘り、きれいに舗装する仕事。

会社で、普通免許も取らせてもらった。

仕事も憶えて、今では後輩もできた。

でも? 家に帰れば母親に今月分の給料半分を渡す。

他の兄弟達も、僕のように給料の半分を母親に渡していた。

家のローンも残っていて、それを返すためだ。

それに、まだ食べ盛りの下の弟妹達もいる。

父親は相変わらず、ギャンブルをやめられないし仕事もしていない!

家でぐうたらぐうたら、寝てお酒を飲んでまた寝てを繰り返している。

僕は少ないお金を貯金してコツコツ貯めていた。

喉が渇いても、公園の水道水や持って来た水で我慢する。

昼ごはんも母親に作ってもらうお弁当。








・・・でも? そのうち僕にも彼女ができた。

彼女は25歳、“結婚を考えれる男性ひとと付き合いたかったらしい”

何故? 僕が当てはまったのか?

付き合って、半年するぐらいまでは上手くいっていたのだけど?

彼女から突然! 別れ話をされる。



『リンキの事、好きだけど? 結婚は無理! リンキ、お金持ってないし

結婚したら、大変そうだから。』

『・・・・・・』





僕もそう言われると? 何も彼女に言い返せなかった。

お金がないのは、物心つく頃からだから。

“お金”が原因で、彼女にフラれたなら仕方ないと諦めるしかなかった。








 *






・・・彼女にフラれて1ヶ月後。

僕は一人のお婆さんを助けた。

横断歩道で、青から赤に信号が変わり困っていたお婆さんを僕が助ける。



『お婆さん、大丈夫?』

『・・・えぇ、ありがとう、あなたお名前は?』

『飯野島リンキです、お婆さん! 気をつけて家まで帰ってね。』

『本当にありがとう! この恩は必ず返しますからね。』

『そんなのいいですよ、じゃあ、また!』

『本当にありがとう!』






その日は、それで終わったんだけど、、、。

その後、何処でどう調べたのか? あのお婆さんから僕へ連絡してきた。



『先日は、ありがとう! リンキ君にお礼をしたいの!』

『そんなの気にしなくてもいいのに、逆に気を遣わせてごめんね。』

『いいのよ! お願いだからお礼をさせて!』

『・・・そ、そこまで言ってくれるなら。』

『じゃあ、住所はココなので明日にでも来てくれる?』

『あぁ、分かりました。』





僕は何も考えずに、言われた通りお婆さんの家に行った。

住所の場所に着くと? “物凄い豪邸だった!?”




【ピーポーン】

『はーい! 中に入って!』

『あ、ありがとうございます。』





部屋の中を、家政婦さんが通してくれる。

僕はお婆さんの居る部屋に通された。



『あらあら? やっと来てくれたのね!』

『お婆さん、元気だった?』

『えぇ、リンキ君は?』

『僕も元気ですよ。』

『・・・実はね?』





そこで思いがけない話を、僕はお婆さんからされた。

お婆さんの養子に僕をしたいという事! 

お婆さんの全財産を僕に全てくれるという事! 

好きなだけお金は使っていいと言われる。



『・・・で、でも? 何で僕が!?』

『本当にあの時、私は困っていたしリンキ君以外の人は誰もワタシを

助けてくれなかったからよ。』

『・・・それだけで、僕に全財産をくれるというの?』

『勿論! 養子になってくれたらね。』

『・・・でも、僕には大切な家族が居るし!』

『養子と言っても、何も変わらないのよ。』

『えぇ!?』

『今のリンキ君の家族とはそのままでいいの! そんなに難しく考え

なくていいのよ。』

『・・・でも?』

『家に帰って一度! 家族でこの話をしてみて!』

『ううん。』










家族は大賛成してくれた。

僕はお婆さんの養子になる。

そして、お婆さんの会社の社長になり今はこっちで頑張っている。

スーツ姿が、少しづつ様になってきた。

僕はお婆さんが亡くなった後、全財産を手にする!



最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ