表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
521/2020

第521話 歌姫オンステージ2(2)

「まさか、俺が在籍してた当時の先生がまだいらっしゃるとは思ってませんでしたよ。雰囲気もけっこう変わられましたね」

「ぱっと見、上品になったでしょ? でも、中身はあんまり変わってないつもりよ。でも、帰城くんは本当に見た目が変わったわね。昔はそんなに前髪長くなかったでしょう? せっかくイケメンなのにもったいないわね」

「え!?」

 影人と春子が昔を懐かしむように話し合っていると、暁理が驚いたようにそんな声を上げた。今まで影人と春子の事を気遣って、周囲の作品を1人見ていた暁理だったが(もちろん聞き耳は立てていた)、流石に春子のその発言には、反応せざるを得なかった。

「え、影人がイケメン!? というか、影人の素顔見たことあるんですか!?」

 素っ頓狂な声で暁理は女性教師にマッハで近づき食い気味にそう聞いた。そんな暁理の様子に驚いた春子は「え、ええ・・・・・」と目を瞬かせていた。 

「少なくとも3年生の時は、前髪は多少長かったとはいえ、顔は見えていたから。帰城くんはちょっと暗めだったけど、かなりのイケメンで、クラスの女子たちにも密かに人気があったのよ。まあ、帰城くんは気がついてないようだったけど」

「なっ・・・・・・・・ほ、本当ですか? そんな事はなかったと思いますけど・・・・・・・・」

 春子の言葉通り、そんな事には全く気がついていなかった影人は、面食らったような表情を浮かべた。確かに小学3年生の時は今のように前髪は長くなかったし、素顔も露出させていたが、女子に人気があったと言われても、影人には半信半疑、いや無信全疑である。

「え、影人がかなりのイケメン・・・・・? じ、女子たちから密かに人気があった・・・・・・・・? い、いったいどこの世界の影人の話なんだ・・・・・・・・・・?」

 一方、食い気味に春子に質問していた暁理はというと、ポカンと口を開けて、信じられないといったような顔を浮かべていた。別に影人はその事にとやかく言うつもりはないが、相変わらず自分には何とも失礼な奴である。

「まあ、帰城くん女子とは全く関わってなかったしね。でも、不思議ね。あなた、そんな格好をしているけど、女の子でしょう? 私はあなたはてっきり、帰城くんの彼女だと思っていたけど違うのかしら? 彼女さんなら、帰城くんの素顔は見た事があるはずだし・・・・・・・」

 春子は、言葉通り不思議そうな顔で暁理にそう聞いた。春子から「彼女云々」と言われた暁理はというと――

「か、かの、かかかかか彼女!? ぼ、ぼぼぼ僕がですか!? そそそそそそんな事ない、いや、も、もしかしたら、あるかもですけど・・・・・!」

 なぜか顔を真っ赤にして、バグったように首を横に振っていた。影人の彼女云々で頭が混乱したのだろう。言動もどこか怪しい。

「おい、俺の彼女云々で気分を著しく害したのは分かるが、ちょっと落ち着け暁理。あー、すみません高町先生。こいつは彼女とかではなく、俺のただの悪友なんです。勘違いをさせてしまって申し訳ないですが・・・・・・」

「そうなの? とっても仲が良かったから、てっきりそうだとばかり思ったわ。それは失礼したわね、ごめんなさい」

 影人の弁明に春子は少し驚いたような顔で、そう謝罪した。春子の謝罪に影人は、「いえ、気にしないでください」と軽く首を振った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ