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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
163/1999

第163話 実力者たち(4)

「嘘!? アイティレさんみたいな美人がモテなかったら、私たち一般女子はどうすればいいんですか!?」

「くっ・・・・・・日本だけでなく、各国で草食系、いや絶食系男子が増えているというの? これは由々しき事態だわ・・・・・・!」

「ああ、それは嘘ね。だってアイティレが留学してから、アイティレの男子からの人気は凄まじいことになってるって、芝居が言ってたもの」

「何? 初耳だぞ・・・・・・・そうなのか?」

「よかったー! というかそりゃそうですよね! アイティレさんがモテなかったらこの世界終わりですよ!」

「銀髪赤目のスタイル良しロシア人・・・・・・モテる要素しかないわ。世界はまだ大丈夫なようね」

 そんなこんなで。

 4人はしばらく普通の話で女子会を楽しんだ。







「――そう言えば、君たちはスプリガンと何度も出会っているそうだが、君たちから見て奴はどんな存在なんだ?」

 ひとしきり話を楽しんだ後、アイティレはそう話を切り替えた。元々アイティレがこのお茶会に出席したのは、スプリガンと何度も出会ったという光導姫に興味を持ったためだ。ゆえに、ここからが本題ともいえる。

「彼は・・・・・・スプリガンは何度も私達を助けてくれた命の恩人です。彼がいなかったら私は今ここにはいません。香乃宮くんは・・・・・私の知っている守護者は、彼のことを危険だと言います。彼は闇の力を扱うからって」

「確かに彼から攻撃を受けたこともあります。私達には彼の目的も正体も分かりません。でもこれだけは言えます」

 明夜はそこで隣に座っている陽華を見た。陽華も明夜の顔を見つめ頷く。2人の言いたいことは一致していた。

「「私たちは彼を信じます」」

「・・・・・・・そうか。それが君たちの答えか」

 真摯な2人の目と顔を見たアイティレはただ一言そう呟いた。

「――私は先日スプリガンと戦った」

「「!?」」

「ちょっと、アイティレ・・・・・・・」

「いい、風音。いずれ彼女たちも知っていたであろう事だ。私は真剣に自分たちの考えを聞かせてくれた者に、嘘はつきたくない」

 愕然とする2人にアイティレはスプリガンとの戦いのことを詳細に語った。2人はその話の途中、何も言葉を挟まなかった。

「私には私の正義がある。私にとって闇の力を扱う者は敵だ。・・・・・・・ゆえに、スプリガンは私の敵だ。スプリガンを信じる君たちからしてみれば、私は面白くはない存在だろう。だが、これだけは言っておきたかった。・・・・・すまないな」

 すまない、というのは彼女がその考えを覆すことはないという言葉の現れだ。

 アイティレの考えを聞いた陽華と明夜は、少し悲しげな表情になりながらも口を開いた。

「・・・・・・そうですか。ありがとうございます、アイティレさん。正直に話してもらって。そうですよね、そういった考えももちろんありますよね」

「・・・・・・私たちは助けてもらったから、こういった考えですけど、普通はきっと香乃宮くんやアイティレさんみたいな考えが普通なんですよね・・・・」

 ショボンとした雰囲気でそう言葉を返す2人に、アイティレは「まあな。だが」と言って言葉を続けた。

「君たちがその思いを曲げる必要なはい。それは個人の思考だからだ。・・・・・・逆を言うと私もこの考えを曲げることはないが、あまり気にしすぎるな。信念を持って、正しいと思っていることを曲げる必要はないのだからな」

「そうそう、あまり気にしすぎないで。正しいと思っていることが、いずれ他の正しいとぶつかってしまう時もあるけど、私たちは光導姫っていう仲間なんだから。お互いが敵である必要なんてないわ」

「「っ・・・・・・!」」

 アイティレと風音の気づかいに、2人は衝撃を受けたような顔をした。陽華と明夜は自分たちの思いを否定されると思っていたから。

「2人ともイケメン過ぎますよ・・・・・・」

「姉貴! って感じです・・・・・・」

 ジーンと感激したような顔に変わった陽華と明夜はゴシゴシと目元を擦った。

「待て、イケメンとはなんだ?」

「あ、姉貴・・・・・・初めて言われた」

 イケメンという言葉を知らなかったアイティレは頭に疑問符を浮かべ、姉貴と言われた風音は驚きながらも、どこか嬉しそうな顔をしていた。

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