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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1279/2161

第1279話 謎の女の暗躍(2)

「ですが、あなたの気配が完全にこの世界から消えた時は驚きましたよ。まあ、あなたをこの世から排除する事は誰にも出来ないので、どこかで封印されたと予想していましたが」

「ならおめでとうだ。お前の予想は当たりだよ。吾はついさっきまで封印されていた。それにしても、よく吾の気配を覚えていたなお前。今やこんなに微弱になった吾の気配を」

 女は軽く笑うと男にそう言った。男が1日も経っていない内に、封印から解かれた女の前に現れたのは、気配を探っての事だろう。つまり、女の気配を覚えていなければ、女の前に現れる事は出来ない。今の口ぶりから考えるに、男は女がこの場所に封印されていた事を知らなかったはずだ。

「まあ、あなたとは何だかんだ1500年ばかりの付き合いですから。あなたとは()()()()()()()者同士、この世界で無力に生きる事しか出来ないという事も相まって、親近感もありますし。私は数時間前までフィンランドにいましたが、あなたの気配の元を探って、転移用の道具を使って急いでここに来たというわけですよ」

 女の言葉に男はそう答えた。その言葉を聞いた女は笑い声を上げる。

「ははっ、親近感ね。確かに吾とお前は境遇が似ている事は似ている。だが・・・・・・・・」

 女は急にその顔を無表情なものに変えると、こう言葉を放った。

「お前と吾は同じではない。不敬であるぞ。たかだか物造りを権能とする下位の神如きが。吾と同じ存在など、全ての世界において存在しない」

 女は絶対的にそう言い切った。その言葉には当然といった意味しか存在せず、そこに傲岸さと不遜さは不思議と一切なかった。女の前では、全てのモノは絶対的に下なのだ。

「っ、それは失礼しました。何ぶん、あなたと言葉を交わすのは久しぶりですから。ご無礼をお許し下さい」

 女の威圧に屈したわけではないが、男はその場に跪き許しの言葉を述べた。その言葉を聞いた女はしばらく黙っていたかと思うと、その首を縦に振った。

「・・・・・いいだろう、許す。吾は寛大だからな」

「ありがとうございます。では、少しご質問をしてもよろしいですか?」

「いいぞ、吾に分かる事ならばな」

「それでは・・・・・なぜ急にあなたの封印は解かれたのですか? それと、そもそもなぜあなたは封印されたのです? あなたの気配がこの世界から完全に消えたのは、今から6から7年前。あなたに、いったい何が起きたのですか?」

 女から許可をもらった男は、そんな質問を女に投げかけた。男は女がどのような存在なのか知っている。ほとんど無力な幽霊のようになってしまったとはいえ、女が何者かに封印されたという事実。それは、ずっと男にとって疑問だったのだ。

「そうか、吾が封じられてからそれくらいの時が経ったのか。ふむ、なるほどな」  

 自分が封印されていた期間を男の言葉から知った女はそう呟くと、男の質問にこう答えた。

「まず吾の封印が解けた理由は、吾を封じた者がその存在を世界改変の力によって消されたからだろう。世界改変によってその存在を消された者は、関わりがある物や、その者が行った行為すらも消え去るからな。その行為は他の何かや何者かによって代替される事もあるが、吾の封印の場合は代替が効かなかったという事だ」

 そう。女の封印が解けた理由は、女を封印した張本人である、帰城影人の存在がこの世界から消えたからだ。影人が消えた事によって、影人が女を封印したという事実も消え去った。影人の事を思い出した時から、女は自分の封印が解けた理由を理解していた。

 ただし、女は影人がこの世界から消えて既に3ヶ月の時が経過している事は知らない。ではなぜ、それ程の時間が経って女の封印が解かれたのかと言うと、それは一種のラグのようなものだった。世界が女の封印を代替出来る辻褄を探し、なかった末に女は封印から解かれたのだ。その辻褄を探す時間に、世界は3か月の時間を掛けた。

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