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【第二章】第十六部分

「アタシの水枕に資するような攻撃なんかして、どうするつもり?」

「ここから出るのは水とは限らないよ。」

『ゴオオオ~!』

明らかに水とは違う轟音が部屋中に響いた。

「スプリンクラーから火!?聞いてないわよ!」

「火力はソバカスの比じゃないよ。」

火は竜のようになり、すごい勢いで、千紗季に迫る。千紗季は水でガードしながら走って逃げ回るだけ。

「ははは。これだからシロートは。政治家に民間人は勝てないんだよ。」

「く、苦しいわ。攻撃魔法を使うどころじゃないわ。どうしてこんなに苦しいのかしら。練習不足?あれだけ走ったのに、どこが違うんだろう。はっ、もしかしたら。」

千紗季は水を宙に浮かせて、睨みつけるようにしている。中からボコボコと泡が出てきた。千紗季はつかさの前にも同じように水と泡を作った。

「今はこれが限界だわ。魔法としてはかなり高度なものだもんね。」

一方、スプリンクラーの火が小さくなり、やがて消えた。

「いったいどうしたというんだ。それに、い、息が、く、苦しい。」

市長は喉をかきむしりながら倒れた。

千紗季は臥している市長を見下ろした。

「か、勝ったわね。スプリンクラーの火が消えたのは、部屋中の酸素を消費したからよ。そして酸素がなくなれば、人間は生きていけないわ。前に酸素不足を指摘されていたから、そのお礼も兼ねてるわよ。アタシは魔法力に余裕があるから、自分とつかさ用の酸素は水を分解して確保したのよ。」

「全然余裕はなかったがな。」

軽くツッコンだつかさは笑顔だった。


宮殿の首領は悶々として、顎を引っ掻いていた。

「またやられたぞ、しかもこの前勝ったモンスターが敗れてしまったとは情けなさすぎじゃ。」

「いや陛下、これでよいのですよ。市長ひとり減っただけで、この市は大混乱に陥りますよ。今回は政令指定都市の市長ですから、影響は大きいですよ。ほら、ニュースをご覧くださいよ。」

ニュースでは、突然の市長辞任で市役所が大騒ぎになっている動画を配信していた。

「次の作戦では、このふたりの関係者を使って、修羅場を作りますよ。ククク。」

「誰がいちばんの悪なのかハッキリしてきたな。」

「そうですよ。悪は寝て待つのですよ。」

「初めから横になってるではないか!」


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