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救世ちゅっ! ~Break a Spell~  作者: 大野はやと
第一章:『救世ちゅ、降臨す』

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第81話、男嫌いの聖女はあらゆる環境に強いらしい





SIDE:ローサ(inサーロ)



この際ある事ない事糾弾されようともいい加減元の姿に戻れるのならば土下座だろうが、永久荷物持ちと言う名のしもべと化したって構いやしない、だなんて思っていたのに。


やっぱり、救世主さまの大いなる意志的なものが働いてしまっているのか。

ラルちゃんが、派手派手な仮面とマントを身につけている理由……男として在れば世界の礎となる、そんな運命から逃れられると思っていた……なんてかつてのラルちゃんの人生の物語を、小出しにしつつも語ってくれたことで、耳にしたその場の皆が感極まってしまって。



セラノちゃんも、救世主さまと愉快仲間たち一行に、姿形を偽ったどうしようもない野郎が隠れ潜んでいるだなんてこと、どうでもよくなってしまったらしい。


ラルちゃんの波乱万丈な今までを聞いたことで、セラノちゃんだけでなく、ツンキャラの化身とも言えるレミラちゃんまで、ラルちゃんに『やられて』しまったメンバー入りを果たしてしまったから。

ラルちゃんしか目に入らなくなってしまったというか、ずっとじっと見守っていたい気持ちが強くなってしまったのだろう。



何よりタチが悪いのは、そんな出会う人すべてを巻き込んだ『人たらし』な部分を、ラルちゃんがまったくもって気付いていなさそうなところか。


それでも、上手く俺のあれこれについて誤魔化す事ができたと。

ご満悦そうに、案内役であったはずのレミラちゃんやセラノちゃんを引き連れ、先頭切って山を進む様を後ろから生暖かく見守ることしかできない俺がそこにいたわけだけど。





「……ふぅ。確かにこれは、日帰りで越えられそうな距離ではなさそうですね。魔物たちがそれほど現れないのは幸いですが」

「ぬ? ラルさまにもにがてな、というか山登りはこたえるようだの」

「そうなんですよ。体力と生命力に乏しい魔法使い型なものでして。ちょっと休みましょうか」



ラルちゃんは、レミラちゃんの揶揄うような言葉に笑ってそう返し、一同を見渡すようにしてひとまずの休憩を提案する。

反論なんぞ当然あるはずもなく、各々が各々のペースで一息をつくことに。



座って休むのにちょうどいい大きさの岩に腰掛けたラルちゃんは、確かによくよく見れば息が上がっているようだった。

言葉通り体力がないというよりも、こういった移動の際はきっと、魔法なり使い魔なりを駆使していて。

けっして口にする事はないのだろうが、徒歩で登山を楽しむ皆に合わせた形であるからこそ、なのだろう。



「モンスターたちがいないのはがっこの生徒さんたちがある意味ひきつけてくれているからなのかな」

「そうですねぇ。それを考えれば騎士学園の方達もたまには役に立つってことですか」

「実際カオを合わせたワケでもないのでナンとも言えませんガ……結構辛辣デスね、聖女サマは」



そして、休憩中の話題は今のところ肩透かしというか、思っていた展開になっていない山登り……実地体験学習へと移っていく。


恐らく、魔物に限らず生き物の魔力までたちどころに検知してしまうラルちゃんのことだから、索敵する余裕もなくずんずん進んでいるように見えて、しっかりと魔物のいそうな場所を避けて登ってきていたのだろう。


騎士学園の生徒たちを肉壁くらいにしか思ってなさそうな発言をしているセラノちゃんに対し、仮面の内で苦笑しているラルちゃんをお見受けするに、何事も起きない体験学習もあれだから、そろそろわくわくの冒険らしく、接敵する展開に持っていこうか、なんて考えていそうで。




「……あ、でも。セラノお姉さんがいっしょに来てもらうひつようがある、なにかがこの先にあるんじゃ」

「魔物などではない、ということはこの先の環境などに問題があるのでしょうか。いかんせん、先が把握できないのがもどかしいですけれど」

「あ、はいっ。この『ヴァレス山』は、それほど標高があるわけでもないんですけど、一度にあらゆる天候を体験できるって有名なんです。雨や雪などはまだ序の口で、山中なのに暴風が吹き荒れたり、雷が落ちたり……果てにはお星さまとかお魚とか、ありえないものが降ってきたりするみたいですよ」

「うぅ、雨雪こわい。雷はびりびりしてもっとこわいのだ。できればあいたくはないが……」



それより何より、アイちゃんの言うところのセラノちゃんが同行することとなった理由。

レミラちゃんが、なんだかんだで山登り山越えを、渋っていた理由。


どうやらそれは、それこそ突飛で幻想な物語に出てきそうな天候、環境にあるようで。

対面する環境変化こそランダム……運の要素はあるようなのだが、そういった様々な変化に対応できる魔法をセラノちゃんは使えるらしく。

あらゆるものから身を護る【コーティング】の魔法に限っては、12属性全て扱えるのが自慢らしい。



ちなみに、聖女の二つ名にありがちな、回復の魔法はそれほど得意ではなく。

実はアイちゃんの方が凄いようだけれど。


12属性扱えるっていうのは、さすが、自慢するだけはあるなって思っていて……。



       (第82話につづく)










次回は、6月17日更新予定です。

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