表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロマンチストの独占欲  作者: ray.
第一章
2/5

現実




つまんないことを思い出していたら、辺りはすっかり暗くなっていた。




俺に"飽きた"と吐き捨て、俺を残しそのまま部屋を出ていった恭ちゃん。


どうせ沢山いる女のとこにでも行ってんだろーけど、

‥‥あぁ、腑に落ちない。




恭ちゃんは、日本一の権力を持つと言われている相楽家の一人息子で

跡取りで、顔は綺麗に整っていて、ルックス良くて

当たり前に勉強もスポーツも出来て、そんな奴が女にモテない訳がなくて。


‥‥でも人操だからって理由で、常に国からの監視下に置かれていて。



口も悪いし、喧嘩早いし、俺に対する態度なんて冷たさを極めてるけど

そんな非の打ち所ない奴が涙を流してる姿を見たら放っておけなくなって

"この人の好きな人になれたら‥‥"

"この人の特別になれたら‥‥"そう思うようになった。




静「どこにいんの、恭ちゃん‥‥、」


恭ちゃんが女の家に行くということは、勿論そういう関係になる訳で

多分もう今日は家に帰っては来ない。




そんなこと分かってるはずなのに、なんでこんなに胸が痛いんだよ‥‥




時々思うことがある。

人操なら、俺のこと操ってくれればいーのにって。


まぁそんな能力使わなくたって俺は恭ちゃんの言いなりだけど

でも、なんか一緒にいても実感ないっつーか。


本当に人操なのかなって疑う時が、少なからずある。




静「‥‥じんそうか、」


恭「なにやってんのお前」


静「?!?!、えっ‥‥」




天を仰いでいた俺の視界に急に現れた恭ちゃん。


びっくりしすぎて、思考も、動きさえも全て停止。

そんな俺を見て恭ちゃんは呆れたように言った。




恭「いつまで俺の部屋にいんだよ」


静「‥‥あ、ごめっ、‥‥」


恭「つーか何考えてたのお前」


静「え、?」


恭「人操って言葉、お前から初めて聞いた」


静「‥‥あ、いや‥‥あれ、は‥‥」


恭「ま、聞かれたって教えねーけど。詮索されんの嫌いだから、俺」


静「‥‥、」




知ってるよ、んな事くらい。


だから今までだって、ずっと‥‥‥




恭「それと明日からお前学校だから」


静「え、学校‥‥?」


恭「全寮制の、すげぇいいとこ」


静「‥‥全寮制って、」


恭「言ったろ?飽きたって。金だけは支援してやるから出てけ。な?」




多分恭ちゃんにとって俺は、ただの遊び道具。


俺と身体の関係を持ったのだって、女とヤるの飽きた。だったし

恭ちゃんの中で、全ては"退屈しのぎ"。



けど、こんなのって‥‥




静「っ、」


恭「拒否権ねーって分かってるよな、静」




こんなこと言われたら、もう頷くしかなくて‥‥‥




涙を流してることがバレないように

俯きながら、頷いた。




.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ