表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/27

黒人黒塗りを問題視するなら、ゴレンジャーのイエローも問題視してほしい。

今回は正直書こうかどうか迷った。

非常にデリケートな問題だからだ。


ただ、A.C.G.M.Biographyの趣旨からは逸れていないから書くことにした。


ゴレンジャー。

後に戦隊物として進化し、輸出され、輸出先でもヒットして長寿作品化。

今やアメコミヒーローも巨大ロボットと5人組ヒーローを認める時代である。


その先駆者たるゴレンジャーと、そのゴレンジャーのイエローの話だ。


戦隊ヒーローのパロディにおいての黄色のイメージというと、

・コメディリリーフ

・肥満体

・カレーをよく食う

・カレー以外もよく食べて食事のことばかり考えている


このパロディ、実は黒塗り以上に問題行動だったりすることは全く知られていない。

なぜなら、この上記のうち4つのイメージによってイエローを演じた人は最終的に自殺したからだ。


そもそもこの4つのイメージ、特に下3つには理由があるのだ。

まず1つ目、イエローの役者はそれなりに貧しい家庭に育っている。

また、当時の役者というのは三船敏郎レベルに到達しなければ明日食す食べ物にも乏しい。


そのため、彼は生来の貧しさにも伴ってロケ弁と称される仕事中に振舞われるまかないで1日の栄養源を確保しようとしていた頃があった。

貧しい生活の中で唯一豪勢な食事というのがソレだったからだ。


ただし休憩時間は限られている。

その状況の中でより多く腹に収める方法は早食いしかない。



よく噛まずに飲み込むようにして食す場合、消化などに時間がかかるので空腹感を停滞させる。

しかし食事間隔は撮影に左右されるため、一定ではなくバラバラ。

そういった不健康な生活を送った結果、ある程度役者として成功し、まともな食生活になると彼は肥満体となってしまった。



他方、食事に拘る姿勢についても、役を演じる本人がやたら食に拘りがあり、そういう話ばかりしていたのをゴレンジャーにてそのまま演出したもの。

でも本人は「生きるのに必死だった」だけで、美談にされることも嫌だったし、それをネタにするのも嫌だったのだ。


加えてそれまでは元々シリアスな役柄が多かった上、本人もそういう真面目な役を望んでいたが……

一方でコミカルな演技にも定評があり、イエローことキレンジャーとして抜擢されてしまう。

本人も仕事は欲しいのでその時点では同意したのだった。


結果的にゴレンジャーは大ヒットし、今日のパロディイメージのイエロー像が出来上がる。

だが一方で本人にとってはそれ以降、完全にこの時の役柄イメージが定着し、それ以外の役の仕事がこなくなる。


自殺する前の晩年からイエローのイメージを変更してほしいと嘆願していたが、周囲がそれを気に留めることはなかった。


その後ドラマ放映中の中、彼は自殺。


実はこれが後の戦隊ヒーローに大きな影響を及ぼした。

パロディとしてのイエローは上記イメージだが、この死後、スタッフは事態を重く見てイエローのイメージを転換しようとするのだ。


どういうイメージ転換があったか。

それはバトルフィーバーJを見てみればわかる。

彼の死後放映されたバトルフィーバーJ。


そこで当初コミカルなキャラポジションだったバトルコサックは中盤でなんと死亡してしまう。

二代目バトルコサックは対照的なほど冷静沈着なキャラクターに。


この裏にあった大人の事情こそ、キレンジャー役の自殺だった。

バトルコサック自体はオレンジカラーのキャラクター。


イメージとしてはキレンジャーとは直接結びつかない。

しかしコメディリリーフでパチンコ好きだったり短気だったりとイメージとしては類似する。

またイエロー自体が存在しないので、実質イエローポジションだった。


上記自殺で最期までキレンジャーのイメージを嫌っていた事に配慮した結果の展開であった。


さらに次の作品でも影響した。

電子戦隊デンジマンである。


電子戦隊デンジマンは初期デザインを見てもらえばわかるが「ゴレンジャーのイエローを肥満体からラガーマン体系にしたようなキャラクター」だった。


しかし上記配慮から「イエローとしては比較的珍しい非常に知的なキャラクター」として再設定される。


当初の巨漢設定のため、変身後のパワーが最も高いという設定だけ残りやや不思議なキャラクター付けになったが、これも配慮による急な変更のためだ。


しかし過剰な配慮はスポンサーサイドも絡めた賛否両論の議論となる。

今回の件と似たようなことが起こったのだ。


だからその次のサンバルカンでは元の方向性に戻り、そしてそのままゴーグルファイブなどと繋がる。

この一連の結果、イエローのイメージは完全に定着してしまった。


だが忘れないで欲しいのは、キレンジャー役の人は自殺するぐらいそのイメージが嫌いだったことと、一時的とはいえそのイメージに配慮するぐらい影響を及ぼしたこと。

それらを考えれば最低限肥満体をイエローとして採用すべきではないと思ってる。


筆者はとりあえず女性でいいねと思うが、イエローをアジア人の女性にして北米のパワーレンジャーでは問題になったのでこの手の問題は面倒くさい。


次にもう1つ別の話をしたいが、今回の問題は裏では演出の制限にも関わっているということだ。

例えば米国においては80年代にかけて、こういった人権団体が騒いだ影響で映画では黒人枠が必要になった。


スターウォーズのEP5のランドはそのためだけに登場したキャラクターなのは有名。

他にもゴーストバスターズなどでも例がある。


一方で80年代イメージを強めたITなどの映画では殆ど黒人が出てこないのも80年代はまだ黒人が一定のコミュニティから脱出できず、ITの舞台の地方には殆どいなかったからだったりする。

人権団体は出ないというだけで騒ぎ立てることで問題になったこともあった。


クリントイーストウッドの映画、硫黄島では「黒人兵士が殆どいない」と大騒ぎになった。

しかしイーストウッドが激昂したように、「WW2の際に黒人で前線で戦った者は殆ど存在しない」というのが事実であり、実際に硫黄島の戦いに黒人兵士が参加したのは10名に満たないとされる。


理由としてはまだ差別感情が残っていたのと同時に、「前線を黒人だらけにして日本側に寝返ったらどうなる?」という恐怖もあった。


米国は表向き当時の日本が国家ぐるみによる人種差別はしないことを知っていた。

ユダヤ人に否定的ではなかったということも知っていたことは戦後の賠償金問題で賠償金が削減された理由の1つに列挙されているぐらいだ。


何しろ彼らはww1が終わった後、強制収容所から捕虜を解放してしまったりしたぐらいなんだから。

その後そのまま日本に定着し、そして日本に定着した永住権を持つ在日系の人間が様々な料理や文化を伝えた事例がある。


ドイツのバームクーヘンなどがその代表例である。


一応イーストウッドの映画では1カットだか2カットだかに黒人が出てくるが、確か3名か4名程度だったと思う。

実際の記録に照らし合わせているというイーストウッドの主張は間違ってない。


米国の黒人が戦争に本格的に参加するのはベトナム戦争になってから。

朝鮮戦争時代ですら前線には殆どいなかった。


前線で戦う黒人兵士が出てくるようになった理由は太平洋戦争でのダメージなど様々な要因があるが、戦う側に寝返る可能性が無いと判断された部分も大きい。

朝鮮半島やベトナムと日本では立場が違うということである。


ようは先進国としてきちんと日本が見られていたということである。

米国は日本人がソ連に寝返る恐怖と同時に、米国黒人が日本に寝返った場合の状況を実は裏で想定していた。


実際、この想定はある意味で当たったのだ。

日本の民族啓発活動がインドネシア諸島などで成功を収めうる状況を米国は予想できていたので黒人を前線に出しにくかったのである。


まあその独立運動によって米国は利益を得る構図を作ったりしていたわけだが、それは別の話。


とにかくベトナム戦争の題材で黒人がたくさん出てくるのは正しいが、朝鮮戦争より前に黒人米国兵が大量に出てくるのは非常におかしい。

何度も言うが、いなかったわけじゃないが写真でも殆ど残っていないぐらい前線で戦った者は少ない。


0ではないが極めて少ない。

では「黒人の軍属がいなかったのか?」というと違う。


エンジニアや看護婦として黒人の男性や女性が非常に多く採用されていた。

つまり、兵士として前線にいなかっただけだ。


黒人の場合、通訳やエンジニアなど、能力の高い者達が軍属に採用され、階級を高めていった事実が記載されている。

ただし前線で戦う者は皆無であり、太平洋戦争の記録でも黒人兵士の姿は殆ど確認できないだけだ。


しかし人権団体は一人でもいたら主要キャラクターに入れろと言ってくる。

この活動は80年代頃から強くなっていった。


そのため、80年代の米国アニメは黒人とアジア人が主要キャラに必ずいるということがあり、輸出されて大人気になったパワーレンジャーの5人組にもアジア人と黒人がいるというのが当初のテンプレートだった。


だがこれは、リアリティを追求したりすると邪魔になることもあるんだよね。

だから近年では互いに論争になる。


そればかりか肌の色だけでなく性別の問題にまで敏感になりつつある。

ゴーストバスターズなんかは2回も論争になったことで有名だ。


ゴーストバスターズの場合、黒人キャラを無理して入れたが、当初予定では3人組だったので本当に「後付で入れただけのキャラクター」だった。


そのため映画では背景に近いポジション。

問題はVHSにして4:3にした際、彼が殆ど画面に出られなくなったことだ。

その影響でVHSが黒人差別として叩かれた。


配慮して渋々出したけど、作り手から言わせれば「なんでコメディタッチの3人組でやりたかったのに真面目一辺倒な黒人キャラを出さなきゃいけないんだ」とった感じで、出すならせめてコメディタッチの黒人にしたかったが時代がそれを許さなかった事実があったりする。

(エディー・マーフィーが一部で偉大だといわれてるのはシリアスもコミカルも堂々と両方演じてそういう制約の幅を広げたからだが、だからこそ件のパロディが叩かれる原因になっている)


時は過ぎてゴーストバスターズリメイク。

今度はほぼ全員女性となってしまう。


このことで再び問題に。

しかも、今回は「全員コメディキャラ」にしたことでさらに問題に。


多方面で言い争いになり収集がつかない状態になったのを表したパロディ動画などがyoutubeなどでは大量にあるので是非みてほしい。


作品の良し悪しで言えばITと同じで「特殊演出」だけは高く評価できると思う。

それ以外は語るとめっちゃ長くなるのであえて語らない。


強いて言うなら、大人の事情で女性啓発を目的にすることが男を排除することなのか?というのは同意できる。


最近、女性監督や女性のノベライズ作品の映画化が相次いでいて、それらがヒットしてる米国映画の事情があるのだが、


女性監督+女性作家原作作品はむしろ逆に女が主人公なだけで女キャラは少ないぞ。

重要なのはキャラ付けなのはワンダーウーマンでも証明できてることじゃないかっていうことだけは言える。


しかし人権問題は「女性監督+女性作家」というだけで女1名+男多数の作品を批判しないのは確かにおかしいっちゃおかしい。


マイケル・ベイ版のタートルズのようにエイプリルを前面に出すだけで十分じゃないか。

演出にまで制約が生まれたらクリエイターはもう絶望するしかないが、この制約ある演出を好むニッチな層のせいでそこそこヒットできる影響で映画業界は苦労しているという。


それ多分DVD商法のアニメと同じ状況になるだけだと思うんだけどね。


まぁとりあえず、キレンジャーのパロディについてはもっと矢面で問題視されてもいいと思う。

今だから言える。

戦隊ヒーローにおいては配慮するようになってそういうキャラを出さなくなってきたが、パロディは排除できてない。


まぁキレンジャーじゃない!ゴーグルイエローのパロディーだ!と言われたアレなんだけど。

その場合は肥満体は使えないぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ