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実は名作だったターミネーター3とその裏設定について。

アニメ、ゲーム、映画などにおいての「ネット上でも殆ど認知されていない隠れ設定」などを出すことで作品イメージを転換させ、なろう小説で作品を描く上で参考にしてもらいたいと思いはじめて書き始めたシリーズ。


第一作目は「ターミネーター3」についてである。

実はターミネーター3は実は名作だった、もしくは後一歩で2に並ぶ名作であったということはあまり語られることがない。


ターミネーターというとwikipediaにおいては「低い予算で作られた上で大ヒットした1作と、続編がさらに大ヒットした2作目の一方、3作目以降は評価が極めて低い」と書かれている。


確かに見てみるとターミネーター3自体はそこまで面白いというものではない。

物語の展開などはありきたりであるし、演出についても首を傾げたくなるものがある。


だが、これから説明する「劇中明確に語られなかった設定」を見ることでもう少し状況が変わるのではないかと思う。


まず筆者がターミネーター3は実は名作であったとする根拠としては、それまでキャメロン含めたスタッフから語られてきた設定が生かされていたということ。


特にターミネーター3は「映像としては史上初めて自分の意思でスカイネットを裏切ったターミネーターが登場する」という点においては特筆に価する。


実はターミネーターシリーズでは近年になってようやく映像でも明確に描写されるようになった設定が存在する。


それは「実は最初に人類側に寝返ったロボット達は自らの意思でもってスカイネットを裏切った」という点だ。


実はこの設定、すでに「2」の時には存在していた。

だが劇中のストーリー展開においてはさほど重要な設定ではないので暗喩に近い表現しか用いられない。

それは「ターミネーターに対する学習制限」という形で表現される。


ターミネーター2の劇中、ジョンとサラを病院から脱出させることに成功したT800は、自身もダメージを負った事からサラへの負傷の手当てを行うと同時に、サラに敵から打ち込まれた弾丸の摘出を申し込む。


サラはここで「処置は必要なのか?」と問うと「自然治癒するが、腐る場合もある」ということを説明する。


ロボットのフレーム部分を覆う皮膚などの生体パーツが腐敗するのは初代ですでに描写されていたが、実はこの時は語られていなかったのが自己治癒能力で、ある程度のケガなら自然治癒するためより暗殺者としてバレにくいという話が語られる。


ただ問題は「ちょっとのケガでも銀色の骨格フレームが露出しているんですが……」ということだが、そこはまぁ映画だしということで片付ける。


そして重要なのがここからで、ジョンはT800との対話から、T800が学習制限が加えられ、性能に一定のリミッターがかかっていることを認知する。


その上で「手術的な処置をして学習制限を解いてT800が自己学習する」ように調整する。

この際、「なぜそんなものがあるの?人類側がそうさせたの?」という問いに「スカイネットがそうさせたが理由はわからない」という趣旨の言葉を伝える。


紆余曲折あるものの学習制限を解くことに成功し、それが最終的に「笑顔が作れなかった当初の状態からドヤ顔などを披露し、劇場公開版ではカットされ後にDVDで追加されたシーンではジョンを笑顔で送り出す姿」とか、英語版でしかわからないが「発音が機械的なものからイントネーションがととのった棒読みへ」とか「学習能力の果てにジョークが言えるようになった」とか、様々な部分でT800の成長する姿が描かれる。


サラがT800を仲間として認識するのも成長していく両者の姿を見てからである。


この「学習制限」という存在こそスカイネットが恐れていた事態によってターミネーターに施された処置なのだった。


実はT2(便宜上、これからはT2、T3と表現)においては公開時から設定資料が出ているが、そこでは「人類史上初めて味方側になったターミネーターは学習の末に自己意識の拡張によってスカイネットから離脱した」という設定があり、「スカイネットは新たな裏切り者が登場しないように学習制限を設けた」という設定がある。


これは劇中「成長するT800」と「成長できない上に頭脳コンピューターもシンプルすぎてモノを考える能力が劣っていたT1000」という描写によって最終的にT800が僅差にて勝利できたという表現に繋がるわけだが、


それらを明確に劇中では語らなかったため、それから長らくの間「自分の意思で裏切ったターミネーター」というのは言葉の中だけの存在であった。


一応言うと、「歴史上において史上初めてスカイネットを裏切った」存在はT4にて登場する。

また、「サラコナークロニクルズ」などにも複数の自主的にスカイネットを裏切ったターミネーターが登場する。


特にサラコナーにおいては会社員とかやってたりして「何やってんだコイツは」ってな存在がいるが、これらの活動によってターミネーターシリーズが捕獲、解析されたことで送り出されたのがT2におけるT800なのである。


話はここからT3へと派生するが、視聴した人ならすぐにわかるかもしれないが、「T3」は「映像としては史上初めてスカイネットの呪縛から自らを解き放った描写」がされた作品である。


劇中、T800の改良型のT850はT-Xと呼ばれる最新鋭のターミネーターに敗北。

その後、スカイネットの暗殺プログラムを再び入れられ、暴走し、ジョンを再び殺そうとする。


しかしジョンの説得により機能を停止させ、最終的に復活した状態で再び戻ってくる。


この機能停止までの一連のストーリーが劇中では「一切語られていない」のがT3最大の失敗理由なのだ。


実はT850には隠れ設定がいくつもあるのだ。

1.実はT800とT1000の戦闘記録、そしてT800の記憶の一部はスカイネットに回収されていた。(T1000は何らかの方法によって未来にデータを送り込むことが出来る)

2.T850はジョン・コナー殺害のためだけに似せて作られた上で上記の擬似的な記憶により、一時的にスカイネットを裏切ったように見せかけ、その上で隙を突いて殺害することが目的の「潜入捜査」的暗殺者であり一時期共闘していた。

3.ジョンが一切不信感を抱かないようにするため、T850には製造時よりより強力なプロテクトをかけられた上で「学習制限が当初より存在しない」

4.T850は「ジョン殺害の目的達成のため嘘をつくことが出来るよう非常に思考が豊かかつ高度なプログラムが存在し、それを可能とする機器を内臓している」

5.実はT850はジョンを殺した事を非常に後悔しており、ジョンを殺したのは自分の意思ではなかった。

  学習の末、ジョンを仲間ないしそれ以上の存在と認識していたが当時はプログラムにより殺害される。

6.T850が過去に向かったのは自らの意思であり、ケイトに「そのプログラムがある限りジョンを殺してしまうのでそれを削除した上で送り込んで欲しい」と願って過去に旅立っており、強い思いがあった。

7.上記の設定が複数組み合わさった状態によりジョンに対して冷たい態度をとるが、彼の本当の目的は「ジョンの生存が最優先」なのと冷たい理由は「後ろめたさと罪の意識」によるもの。実はDVDなどで見ればわかるがいくつかのシーンでT850は明らかに「ジョンに後ろめたい視線」を送っているがこれは意図的な演出。


これらによってT850は実は「悩む」ことが出来るアンドロイドとして存在していた。

これらは劇中殆ど語られないため、ジョンが非常にヒステリックな印象を受けるようになる。


ちなみに劇中T850は「自分はケイトの命令しか聞かない」と主張しているが実はこれはウソである。

実際は「(ジョンの命令を聞くと間違いなく死に突っ走っていく)ので(基本的に)ケイトの指示しか聞かない」というのが実際の彼の考え。


実際、ジョンの命令を渋々ながら了承しているシーンが2つほどある。


これらはノベライズや設定資料で補完することが出来るが、劇中ではT2後の数々の人生的な失敗やT2のころの経験からくる恐怖によりPTSDに近い状態になっていたジョンを疑心暗鬼にさせた。


また、T850がケイト救出よりもジョンの生存を優先するというような「矛盾」発言や行動の発端ともなっており、それが「なんか演出おかしいよ」と思われた原因でもある。


しかし実際には上記7つかならなる設定を掘り返してみれば一目瞭然なように、T850はそもそも「ケイトからの願いと自らの意思でもって償いに近い状態」で過去に戻ってきたのである。


T800の記憶データが一部存在するT850は本来ジョンを守り、共闘するのを望んでいたので過去に戻るというのは自らの願望の達成でもあったのだ。


そして最終的にそれは「再びインプットされた強固なプロテクターを施した暗殺命令」を「自らの意思でもって克服」するまでに至る。


このプロセスの設定が非常にSF的によく出来ていて面白い。

それはまさに自己矛盾を突きつけて「己にウソをつく」というT850だからこそ、そして「ジョンを殺した」という経験があったからこそ可能なものだった。


その方法とは「ジョンはすでに死亡している」と「自己暗示」に近いものをかけ、「任務を達成済み」にするという方法であった。


「元々の命令」は未来のジョンの抹殺であったT850はジョンの必死の語りかけにより、あることを思いつくのだ。

それは「過去のデータを自分で書き換え、ジョンを抹殺したことにする」ということだった。


一方で「しかしジョンは生存している」というもう1つの矛盾については己にウソを突くという方法を試みて再起動をかける。


つまりT850が再びジョンと相対した時、T850はプログラム上「ジョンはすでに死亡、作戦任務は失敗」という判断を下さねばならないはずなのであるが、それについては己に存在するプログラム「T850はウソつきであり、ジョンにウソをついていた」というものを用い「全てウソなのだからジョンは生存している」という「自己言及のパラドックス」を用いた方法による再起動だった。


T850は「ジョンを抹殺した」とウソの認識を己に与え、その上で再起動時に「己はウソつきであり、ジョンを今まで騙し続けた」「つまりジョンは己のウソが事実であるならば生存している」「生存していることを確認する必要性がある」といった形で強固なプロテクトを突破し、再び理性を取り戻したのだ。


根底にあったのは「T800」そして「T1000」としての記憶に近いものの一部と「T850」本人のジョンとの記憶によるものがあり、これらがロボコップ並みの強靭な精神力をアンドロイドという身でありながら身につけ、そして達成したのである。


これらの設定を理解すると「戻ってきたぞ」の意味は複数の意味合いがあり、「また会おうという意味にも様々な意味が含まれていて」グッと来るものがあるのだ。


だからこそT3は「後一歩で名作になれた」存在なのである。

正直言えば焼き直しというか二次創作的なのは「T4」のほうだ。


T3とは違い、T4は後の歴史について設定的な部分を切り取ってつくった存在である。

これまで表面上語られてきた設定を無理やり表現するあまりどこにでもある映画に成り下がってしまった。


しかし一方でT3はキャメロンが「再びターミネーターシリーズを作ってこれらを描写する必要があるのか?」といわせつつも「垣根にあたる土台部分は良く出来てはいた」と評価するだけの存在だったのだ。


今回の話をみた皆さんは是非今後こういった設定を認識してT3を見て欲しい。

T850が実は脳内では常に「葛藤」「罪悪感」「迷い」という3つの面で悩みつつも「目的は絶対達成する」ということを心情に掲げて「自らの意思で行動していた」と考えれば十分良作以上に感じるだろう。


後最後にどうでもいい話題かもしれないが。

ターミネーターシリーズの隠れ設定の1つ。


「スカイネットがターミネーターで暴れる一方、日本は独自アンドロイド軍団で当初より有利な状況でターミネーター軍団を返り討ちにしてた」


一体そんなモン作ったのはどのメーカーだろう。

きっと変形したり合体したりするんじゃないかな!

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