ギルド:グレートナイト
新作オンラインゲーム【Real Time Legend】が発売されて数日がたった。
このオンラインゲームの影響で、全世界では自由にゲームをすることができるようになった。
このオンラインゲームは、自分の体が実際に、ゲームの世界へ飛び込むことができるという新システム、【Real Teleport System】の導入に成功した。
実際にゲームの中に入り、体験したいという多くの意見に答え、天才女プログラマーの篠崎花蓮は多くのプログラマーなどの者たちとともに、このシステムを作り上げ、このゲームが作られた。
最強の座を目指して、彼らは日々精進していた。
その中のあるギルドでは…―――
―――「これでいい装備が作れそうだ。ありがとうな」
「いいってことよ。それよりも、問題は俺たちのギルドをもっと大きくしないとな…」
「そうだね。ギルドに入っていない人もたくさんいるだろうし、探してみるのも悪くないね」
このギルド、「グレートナイト」では、人数は11人。基本的にギルドメンバーは20人が普通なのだが、圧倒的にこのギルドは人数が不足している。
ここにきて数日たってはいるが、まだギルドに入っていない者も多い。
勧誘をしたいのだが、このギルドメンバーの半分以上が人とのコミュニケーションが欠けており、誘い込むことが困難となっている。
その一人に、このギルドのリーダーである職業:戦士のハルトも含まれている。
戦士ハルト、本名:菜切隼人、現在18歳。髪は白の短髪、細身でリーダーというには惜しいものである。
ギルド自身は気に入ってはいるが、ギルドを作る時期が少し遅れたため、この状況に陥っているというわけである。
「まさか、少し遅れるだけでこんなにメンバーが集まらないなんて…最悪だ…」
「リーダーがこんなんじゃ、いつまでたっても集まらねえよ。しっかりしろよ」
リーダーの背中をたたくのは、防具を外せばひげ面がよく似合う男。
職業:ウォーリアのギル。ハンマーを使い戦うタイプのものである。
ウォーリアギル、本名:白崎恭賀、現在36歳。髪は茶髪の肩までかかるような髪、男らしい雰囲気が似合っており、リーダーのサポートをしていて面倒見が良いと高評価を得ている。
「リーダー、ギルさんにあまり迷惑をかけてはだめだよ」優しい口調でリーダーに話しかける男。
彼は職業:ヒーラーのアルト。
ヒーラーアルト、本名:佐々木直哉、現在22歳。髪は水色の長髪、地味にイケメンで現在、彼女とともにこのゲームで遊んでいる。
「リーダー、しっかりしてよ!あんたがまとめ役にならないとどうにもならないじゃない!」この強気な女がアルトの彼女である。
職業:スレイヤーのナツキ。スレイヤーは小さいドラゴンを率いて戦う攻撃&サポートの職業である。
スレイヤーナツキ、本名:河村夏樹、現在21歳。薄いオレンジのツインテール。いつもはツンツンしているのだが…、
「あんまり怒らないでねナツキ」こう言われると、
「ア、アルトさんがそういうなら…」真っ赤な顔で照れてしまう。それほど仲が良い恋人なのだ。
「と、とりあえずほかのみんなが言ってくれているから大丈夫だとは思うけど…」ハルトは少し不安な顔をしながらそう言う。
「ま、大丈夫だよリーダー、仲間は信じるものでしょ?それに今は特にほかのギルドと争わないようにしているしね」アルトが優しくそう言う。
事実、現在はレベル上げとメンバー集めに取り掛かっているうえに、ほかのギルドへ襲撃をしないようにしている。メンバーはその指示に従って、レベル上げとメンバー集めに専念している。それに―――、
「ほかのギルドから弱小とかって言われてなかったか?」
「それを言うな…泣きそうになる」
とは言っても事実でなのに変わりはない。
この世界では、ギルドメンバーの人数が20人未満の場合、「弱小」と言われ、このギルドはそう呼ばれている。
「そんなことより、そろそろ戻ってくるはずなんだが…」そう言っていると…、
ギルドのドアが開く音がした。
「リーダー!新しいメンバー連れてきたよ!」元気な声でリーダーに話しかける少年。
職業:魔法戦士のバン。魔法戦士だが、魔法よりも剣技に特化したタイプの方である。
魔法戦士バン、本名:本田智弘、現在10歳。赤髪のツンツン頭、このギルドの中で最年少である。
「ちょっとバン、新メンバーがびっくりするからやめてよ…」おどおどした様子の少女。
職業:魔法使いのアルル。このギルドのアイドル的存在でもある。
魔法使いアルル、本名:逢坂ひな、現在12歳。薄い赤髪のショートヘアー、泣き虫ながらも根はしっかりしている。
「そうよバン、あなたはそれでよく逃げられるんだから」お姉さんのような口調の女性。
職業:バトルヒーラースミレ。バトルヒーラーとは、回復もできるが、攻撃に特化しているタイプの職業である。
バトルヒーラースミレ、本名:青木菫、現在19歳。薄い紫のロングヘアー、お姉さんみたいな感じだが…、
「ありがとうアルル、スミレ。バンはびっくりさせないように気をつけろよ」
「はーい」と言っている裏でスミレは…、
「ハルトさんに褒められた…えへへ…」すごく顔を真っ赤にして喜んでいる。
当の本人以外は気づいてはいるのだが、残念なことにまだ、結ばれていない。
「俺たちも探してきましたよリーダー!」バンと同じくらい元気な声を出す青年。
ハルトと同じ職業:戦士のカイト。盾役として仲間を守るタイプの戦士である。
戦士カイト、本名:春風快斗、現在22歳。黒髪と少し金髪が入ったパーマ、アルトと同期らしい。
「…お前も少しは落ち着くといいぞカイト」全身真っ黒な装備をしている基本的無口な男性。
職業:アーチャーのクロウ。このメンバーの中では結構強いらしいが、詳細は不明。
アーチャークロウ、本名:黒田義純、現在30歳。黒髪で右目が隠れたロングヘアー、ちなみに奥さんは美人らしい。
「クロウもありがとうな」
「リーダには気を使わせてしまったな」かっこいいセリフだが、全部アニメに影響されていつしかこういう性格になってしまったらしい。つまり中二病である。
「リ~ダ~帰ってきましたよ~」甘ったるい声でリーダーに抱きつこうとする女性。
職業:スナイパーのヒリング。「銃の天才」と呼ばれるほど腕前はいい。
スナイパーヒリング、本名:草木智子、現在25歳。黒髪のセミロング、なぜかリーダーのことを気に入っている。
「抱きつこうとするな、やめてくれ」とりあえず避けるハルト。
「なんで~もお~」一方的に好んでいるらしい。そのせいかスミレからは「ビッチホルスタイン」とか呼ばれているが本人は気にしていないらしい。
―――これが初期メンバーである。
性格に難ありの人が多いため、他のギルドに入れなかった人もいる。
このギルドは、そういったものも受け入れてメンバーに入れている。
ハルトはそういったと部分を考慮してこのギルドを作ったのだ。
そこがリーダーとして慕われている理由でもあるのだろう。
これが、あるギルドの日常である。