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一弓入魂!!  作者: 小倉あんこ
1章 弓道始めました!
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LHR

 入学式。周りには私と同じようにこの瞬間を楽しみに待ち望んでいた人はたくさんいたであろう。そのうちの私も一人なんだろうなと思いながら校長のありきたりな話を聞いている。いや実際のところ、この制服を着れたことが嬉しすぎて、校長の話も入ってこない。この制服を着てみたくてこの高校を選んだといっても過言ではないのだ。


 入学式も終わり、クラスに戻りLHRが始まる。


 この学校では大抵同じ中学校の人が受けるので、知り合いが多い。よって出会いイベントが起こるよりも「久しぶり〜春休みどう過ごした?」という会話が多い。私もそんな感じだ。


 そんな中、初めて見る子もいた。「霞 梓」っていう名前らしい。なんとも可愛らしい名前なんだろう、梓っていう響きが好きだ。


 それよりも初めて見る子は珍しい。知らなかったっていうことはよくあるのだが、案外同じ学校に通っていたり、街の周辺などで遊んでいると大抵の人の顔は覚えてしまうものである。ということは転校生?

 

 見た目的には派手っていう感じよりも控えめな感じだ。とてもショートボブが似合っている。私が好きな髪型ランキング3位のショートボブが似合うなんて羨ましい。ちなみに2位がポニテ。1位が黒髪ロング。気が合いそうな子だから後で話しかけてみよう。


 そんなことを考えたりしているとLHRが終わった。あれ〜LHRのLってlongの略じゃなかったっけ?短すぎない?とりあえず霞梓ちゃんに話しかけてみる。


「霞さんだよね、初めまして、櫻町さとみです!気軽にさとみって呼んでね♪」

「は、初めまして、さとみさん...わ、わたしのこともあ、梓って呼んでください」

 おおっと、物静かな感じの人か。しかも少し声が上ずっている。人見知りなのかもしれない。


「ところで梓ちゃんってどこ中出身なの?」

「わたしは緑丘中だよ。さ、さとみさんは?」

「私は、山吹中。このクラスの子の大半がそうだよ〜」

 緑丘中、隣町だ。何でそんなところから来たんだろう?この学校そんなに有名とは思えないのだけれど。まあ聞いてみよう。


「遠いのによくこの学校を選んだね〜。何か理由があってきたの?」

「わたしは、中学校の頃から弓道してたので、高校でも弓道がしたくて...緑丘の方では弓道部があるところが少ないので。でも進学の事も考えるとやっぱりこっちかな、ってなりまして」

「梓ちゃん弓道しているんだ!私も少し興味あるかも」

「じゃあ、明日の放課後一緒に弓道部の見学に行きませんか?」

「ぜひ!」


 まさか相手から誘ってくれるとは思ってなかった。梓ちゃんは人見知りだけどいい人なのかもしれない。礼儀も正しいし。


 その後、中学校の時の話をしたりなどをして盛り上がり、梓ちゃんの下校の時に使う電車がもう直ぐ出るという理由でおひらきとなった。

 私は帰り道、新しく始まる高校生活の始まりそうな予感に心がワクワクし、朝天気が悪くて機嫌が悪かったのが嘘のように晴れ晴れとした気持ちになっていた。



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