I Crossed band 〜ウルトラダイナマイト〜 Cパート
そしてフェス当日!
「よしよし、全員揃ってるな」
NEOセンテラルホールの待合室に3人は居た。
サーが『うんうん』と頷く。
「いや、待て待て待て、確かに全員いるよ、俺とブルーとお前(サーの事)だな…隣のガンギマリ野郎は誰だ」
サーの隣には緑髪で電柱の様な髪型をしたピッチリスーツの青年が居た。青年は目を見開きヴェンとブルーをガン見している。
「ああ、彼の名前は『ディーン・シックス』だ」
「ヒャア!ヨロシクなぁ!ピープル共ォ!」
ディーン・シックスは更に目を見開き挨拶を決めた。
「ロックな男ね…で、誰よこのー・・・電柱もどきは」
ブルーは真顔である。
「うむ、彼が今回のフェスから仲間になるんだ」
「唐突過ぎるだろ!!てか今お前『今回から』って言ったな、コイツずっといるのかよ!?これからも!?」
まるでハリウッド映画の俳優の様にヴェンが大げさに叫んだ。
「わりぃかよ!アフロちゃん!」
ディーンはヘッドバンキングをしながら叫ぶ。ヴェンは心底、嫌な顔をしたがサーは否定した。
「すまない、嘘だ」
サーも真顔だ。
読者の皆さんはお気づきだろうが、このディーン以外はバンド熱が冷めだしている。
『いらん事を言うんじゃなかった』『こんな話に乗らなきゃよかった』『俺達何してんだろ』という思いで3人はいっぱいだった。
そんな願いが届いたのか、突然ホールに警報が響いた。
「な、なんだぁ!?」
警報で待合室はパニック
『ホール内にいるお客様に放送いたします。現在ホール内に不審者が現れ、暴れています。直ちに避難してください。』
待合室の人々が慌てて逃げ出す。ホール内でも同じようになっているのか、外からも悲鳴や怒号が聞こえる。
「例の過激派の連中の仕業か!」
サーは待合室を飛び出した。
「やっと俺ららしくなってきたな!」
ヴェンも待合室を出た。
「じゃ、そゆことで」
ブルーもディーンに手を挙げて待合室を出ていく、待合室にはディーンだけがポツンと残された。
「なんだよ、せっかくの大舞台なのに皆、ノリがわりぃな・・・」
電柱頭を整えながらディーンも歩き出す。しかし足どりは外へではなかった。
「ヒャッハー!!歌なんてくだらねぇぜ!」
ホールには、モヒカンに口元バンダナという格好をした男が火炎放射機を振り回しながら暴れ回っていた。時を同じくして3人はホールにたどり着いた。
「なんだあのモヒ野郎!?あいつも参加者か!?」
ヴェンが目を丸くした。
「いや、あの容姿は・・・あいつが例の過激派だ!」
サーは脳内検索によりモヒカンの顔を調べ、過激派であることを突き止めたのだ。
「奴の名前は『スピンギー・バードJr』国籍は不明だが、年齢は27歳でここ2、3年で数々の音楽フェスに乱入しては妨害しているらしい」
「それにしては奴の方がロックな格好してるけどね」
ブルーが呆れながら刀に手をかけた。同時にスピンギーが3人に気づく
「あぁん?なんだぁてめぇら!」
スピンギーがボッ!ボッ!っと火炎放射で威嚇してくる!
「いやいや、君には感謝しているんだがーあまり暴れられると他の人が迷惑するのでね、ここで警察の人に引き取ってもらう」
サーが一歩前に出てスピンギーをまくし立てる。
「なにぃー!?俺を警察に突き出すだとぉー!?上等じゃねえか、俺はお前ら見たいに歌を歌ったり、楽しそうに聞いてる奴らがだいっっ嫌いでな!全員まとめて焼鳥にしてやるぜぇぇ!!」
そうスピンギーが叫び、火炎放射機を3人に向けて放つ。ブルーがに手をかけた。
「無刃無影剣、風切り」
素早くブルーが刀を戻すと、向かって来ていた炎が真っ二つに割れて火炎放射機ごと切断していた。
「なにぃぃぁあ!?」
スピンギーが叫ぶ頃にはサーとヴェンに取り押さえられていた。
「はいはい、言い訳等は警察でお願いしますねーお客さん」
ヴェンがスピンギーの腕を捩りながら組しだいた。
「くそぉ!てめぇらなんか!てめぇらなんかにぃ!!」
なおも暴れているスピンギーだったがある人物の登場により突然大人しくなった。
「よぉ、そんなにイラついてるなら俺の歌、聞いてけよ」
気がつくとディーンがステージの上に立っていた。
「ディーン!?何しているんだこんな所で!?」
サーが慌ててディーンに声をかける。しかしそれ以上に驚いているのはスピンギーだった。
「ディーン・シックス!なんでここに!?」
スピンギーがバタバタと暴れる。
「おかしな奴が居るって聞いてな・・・やっぱりお前かスピンギー、いや相棒」
『相棒!?』
サー、ヴェン、ブルーは声を合わせて驚いた。
「相棒!?ふざけんな!お前は俺とのデビューを捨てて、レコード会社の話に乗った!お前のせいで俺は音楽への夢を失った!変わりに得たのは音楽への嫌悪感とてめぇへの恨みだ!」
スピンギーは体を奮わせて怒りをあらわにした。
「すまねぇ、確かにもうお前を相棒なんて呼ぶ資格なんてねぇな、だからって歌を歌っている奴らや、楽しんでいる人達を恨むなんてのは筋違いだぜ?なぁ、最後に一曲聞いていけよ」
サー達は呆然としたままスピンギーがこうなってしまったであろう理由を知った。
「え?なになに、これは?」
ブルーが二人に聞くが二人も答えない。二人も着いていけないのだ。
「なぁ眼鏡の兄ちゃん、サツが来るまで後どんくらいだ?」
ディーンがサーを見ないまま尋ねた。
「ん、ああ、後・・・3、4分程だ」
「なら十分だ!」
ディーンがギターを鳴らした。
「スピンギーを離してやってくれ、俺の歌を聞かせてやりたい。あの時と俺は少しも変わってねぇって事をこいつに伝えたいんだ」
「・・・わかった」
サーがスピンギーを離す
「いいのかよ、逃げるんじゃねぇか?」
「彼の頼みだ、聞いてやろう」
ヴェンもスピンギーを離した。そしてディーンは歌った。熱く、激しく、しかしその歌には何処か悲しみすら感じた。ディーンが歌い終わって暫くすると警察が来て、スピンギーを連れていった。スピンギーの顔は見えなかった。しかしサー達には泣いているように見えた。喧騒にあったセンテラルホールはいつの間にか静けさを取り戻し3人だけがポツンと残った。
「ねぇ、飽きたなんて思ってたけどさ・・・あたし歌いたくなってきたなぁー、なんて」
ブルーが後ろに手を組んで歩き出した。
「いや、俺はいいや」
ヴェンが歩き出した。
「私もだ」
サーも歩き出す。
「あっ!ちょ!待ちなさいよ!」
ブルーが二人を追ってホールの外へ出た。
~CパートEND~ 次回に続く→
失踪してました




