I Crossed band 〜ウルトラダイナマイト〜 Bパート
手術室が開きブルーとノルトレイが出てきた。
「治療は無事終了さ、また何かあったら来まえ」
「いつもすまないな、博士」
「いやいや、僕にはこんなことしか出来無いが用があったらまた来てくれ」
サーは軽く挨拶をすると、ノルトレイの家を後にした。
帰り道で、ブルーが治った腕を回して一人で呟いた。
「なーんであんなに治すの早いんだろ…」
「そんな事よりバンドだ」
サーの言葉にヴェンが足を止めた。
「おいおい…今度はバンドかよ、前はなんだっけ?陸上選手だっけか?」
ブルーがヴェンの話題に意気揚々と食いつく
「陸上選手!?」
声は既に笑っている。
「プッ!陸上選手だって!アッハハハ!」
膝をバンバン叩き爆笑するブルーはこの後2分笑った。
「笑うな!今度こそ成功してみせる!」
ギュイィィィン!とギターをかきならすロン毛を世間は冷たく見下すだろうが、彼は至って本気である。
「いやー…プッ!陸上て…」
「お前、陸上ツボなの?」
崩壊寸前の自宅にたどり着いた2人はため息をついた。しかしただ一人夢に燃える男は屋根が無かろうが野晒しだろうが構わないのだ。
「よし、早速練習だ」
無事だった一室をサーは早くもバンド練習部屋に変えた。
「いやいや、あんたらはサイボーグだから知らないけどさ、私は譜面みれば即効で弾けるよ、ギターでもベースでもピアノでも何でもね」
ブルーがヒラヒラと楽器のジェスチャーをとって見せる。
「いや、それは俺らサイボーグも一緒だ、譜面があればそれの通りに弾ける」
「じゃあ意味ないじゃん」
ブルーが、ビシ!っとサーとヴェンを叩く
「後は歌とメンバーだな」
サーがキメ顔で2人の方を向く
「えっ?メンバー足りてないのかよ」
ヴェンが真顔でサーにツッコんだ。
「メンバーは…まぁ現地で調達するとして、歌だな」
「いいのかよ!てか、現地って何処だよ!」
ヴェンがズッコケる。
「で、本番というか、その『現地』ってどこよ?」
ブルーが尋ねるとサーは嬉しそうに答えた。
「よくぞ聴いてくれた、それは『NEOセンテラルホール』だ!」
NEOセンテラルホールとは、著名な歌手のコンサートやチャリティイベントなどに使われる大型施設である。
「随分デカイところでやれるのな、で…貸し切る金は何処にあんだよ」
「貸し切る、センテラルを!?」
ブルーが大声をあげて慄いた。
「違う、違う、コレだ」
サーは一枚の紙を取り出した。紙には『第13回 ミュージックフェスティバル開催! 場所はNEOセンテラルホール 君の歌を銀河に響かせろ!』とあった。
「なんと、当日飛び入り枠がある」
サーが付け加えた。するとブルーが
「あれ?ミュージックフェスって確か前回は変なヤツらが乱入してきて台無しになってなかった?」
「あー、なんか歌で反戦や人権を訴えるのが気に食わなかった過激派の連中がやらかしたアレか」
ブルーが「そうそう」と首を振る。
「他に意見は?」
サーが2人に聞く。
「まっ、いいんじゃね?面白そうじゃねぇかROCKだぜ」
ヴェンがグッと親指を立てた。
「私もいいわよ」
ブルーがピースサインを作る。
「では諸君、始めようか」
『イェーイ!』
3人が声を合わせた。
Cパートに続く→




