ああ愛しのサイボーグ Aパート
先の事件から2日経った。ギャングのドンが死んだとありマスコミが大騒ぎしたかと思えば裏の世界でも大騒ぎとなった。
しかし2人は特に変わらぬ自堕落な生活を送っていた。ここは2人の家でもあり探偵稼業の事務所でもあるが、大体の客は事務所には来ずに、任意の待ち合わせ場所で落ち合うのでほぼここは2人の家だ。
「うぉぉえ…頭痛ぇー、飲み過ぎた…うぇ」
ヴェイパーはソファーに横になって天井を虚ろな目で見ていた。二日酔いなのだ
「つくづく思うが、何故お前は弱いのに酒を飲むんだ?カクテル二杯で二日酔いなんて肝臓の弱った老人でも無いことだ」
「肝臓の弱ったジジイはカクテルなんか飲まねぇよ…てかお前も目の下に物凄いクマが出来てるぞ、何してたんだよ…うぉえ」
サービアの目の下は真っ黒になっていて、目は充血していた。
「わたしは『あなたと♡ラブラブMAX 初回限定版 全ヒロインタペストリー付き』で女の子と戯れていただけだ…」
サービアの白目は遠くを見ていた。
「相変わらず根暗でキモいなお前、二重の意味で吐きそうだ…」
「今回も素晴らしいシナリオだった、特に『三条時 蓮花』ちゃんが可愛かった」
話が終わるとヴェイパーが席を立ち、洗面台へ走った。
「うぉぉぉぉぇ…!」
昨晩のカクテル二杯と晩飯のカップラーメンが排水溝に流される。
「おいおい、いくら何でも今の話で吐くなんて失礼だぞ」
「二日酔いに追い打ちをかけるのが悪いんだよ!」
ヴェイパーは口をゆすいで、顔を洗った。
「あー…若干治ったわ」
ヴェイパーが顔をジャバジャバと洗っていると、『コンコン』と入り口のドアがノックされた。
「サービア、出てくれよ」
「分かった…にしても誰だろうな…TVの集金か、ガス代、光熱費?」
サービアがブツブツと入り口に向かう。
「全部止まってんだろ」
ヴェイパーが横槍を入れた。
時を遡ること3分ほど前。
一人の女が、サービアとヴェイパーの探偵事務所の前に立っていた。女はショートヘアで金髪。身長は170センチほどあるだろう、それにつけても異様なのは衣服だった。ツバの長い黒帽子に、真紅のコートを纏い、左の腰には日本刀を携えていた。そして今にも雨の降りそうな空の下で微笑んでいた。
「『ここがあいつらの…ハウスね』なんつって」
女は二枚の写真を手に持っていた。
一枚目にはアフロ頭の男。ヴェイパーだ
「んー…顔はハンサムだけど髪型に清潔感が欠けるわね、75点!」
ピッ!と写真を投げ捨てる。
二枚目には長髪で色白の男。サービアだ
「これは、ロン毛で色白…オタクは嫌いなの、70点!」
ビリッ!と写真を破り捨てる。
「でも、こいつらサイボーグの癖に顔を変えてないのには感心するわね…何でかしら」
女は事務所横の階段を登り始めた。部屋の中から話し声がするが、構いはしない女は部屋の扉をノックし刀を構えた。
「it Showtime!」
ドアを開いたサービアが目を見開いた瞬間、サービアの体は横一閃に断ち斬られた。
Bパートに続く→




