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フラワーズ・メモリー Aパート

アサシンとの戦いから半年が過ぎた。サー達は依頼をこなしながらも、アサシンに関する情報をかき集めたが有力な情報は得られなかった。事務所に戻って来た三人はここまでの状況を整理していた。

「ここまで漁って何も出ないとは、いよいよキナ臭くなって来たな」

ヴェンがアイスコーヒーを混ぜながら呟いた。混ぜ終えると使っていたマドラーをサーに渡した。

「裏の情報も何も回って来ていないようだ…それらしい事を嗅ぎつけた奴は全員消されたんだろう」

サーは紅茶を混ぜながら目頭を押さえ、混ぜ終えるとマドラーをブルーに渡した。

「汚いから要らない、まぁでもアイツ(アサシン)の目的もどっから来たのかも解らない以上こっちから探っても無駄かもね」

ブルーは指で緑茶を混ぜながら回って来たマドラーをキッチンに放り投げた。

「汚いとはなんだ汚いとは!全く…あ、そういえば」

サーは怒りながら懐から一通の封筒を取り出した。封筒は丁度ブルーのコートと同じく赤黒く、封の所には見慣れない薔薇の刻印があった。

「これ…あんた誰から貰ったの」

ブルー冷たい声でサーに問いながら封筒を雑に開けた。封筒の中には一通の手紙が入っており、短い文が添えてあった。

「ああ、『赤いお姉ちゃんに渡して』くれって、小さな女の子に貰ったよ。お前と同じような色のワンピースだったからよく覚えてる。それがどうかしたか?」

サーの抜けた発言にヴェンがツッコミを入れる。

「アホか、どう考えても怪しいだろ。なんで見ず知らずのガキがこの女に手紙なんか渡すんだよ」

ブルーには2人の会話が聞こえていなかった。手紙を読み終えたブルーは「ふぅ」とため息を吐いてから弾かれたように事務所を飛び出した。

「あっ!?おい、どこいくんだよ!?」

ヴェンが叫んだ時には既に半開きの玄関ドアが風に揺られていた。外からはブルーが先月買ったバイクの音が遠ざかって行った。

「おい、コレ読んでみろ」

サーはブルーが読んでいた手紙を読み、ヴェンに渡した。

「どういうことだよ…」

手紙には無機質な文字で『カーマトン郊外の墓地にいる。今度こそローズ姉さんの仇を取る 貴方の妹より』と書いてあった。

「姉さんの仇?貴方の妹?どういう事だよ…」

ヴェンがは手紙をグシャッと握りつぶし、そのままソファーに座り込んだ。

「俺たちと会った時はサイボーグ専門の殺し屋をやってたとか言ってたしな…知らないところで何かあったのかもしれん…」

サーは突然仲間になったブルーにも詮索を入れていなかった。他人の過去に興味はない、しかし自分の過去を探られるのは好きではなかった。そういう話に繋がりそうな事はサーも言わないようにしていた。言われなくてもブルーに何か思惑が有るのは分かっていたがサーは心の何処かでブルーを信じてあげたいと思っていた。

「どうすんだよ、追わないのか?」

ヴェンはすこし急かす様にサーに聞いた。

「…希少な従業員だ何かあっては困るしな、追いかけてやらんくもない」

ニヤリとヴェンが笑い、サーの肩に手を置いた。

「素直じゃねぇな」

2人は事務所を出て郊外の墓地に車を走らせた。

Bパートに続く






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