放て必殺、バスターキャノン!! Aパート
前回の事件から2日、いつもの事務所にアロソリアとジンから着払いで荷物が送られてきた。
荷物には〈お徳用!煎餅500g〉と書いてあった。三人は事務所の居間兼、客室でそれを見ていた。
「センベイってあれでしょ?日本のファストフードだったかしら?」
ブルーが何処から聞いたのかわからない謎の知識を披露していた。
「違う、煎餅は日本のお菓子だ」
「んなことより、早く開けよーぜ」
バリバリとヴェンは荷物を開けた。すると、中には手の平サイズ程ある紫色の石が入っていた。
「これはー鉱石のようだが、これが報酬なのか?」
サーは紫色の鉱石を蛍光灯に翳した。石はゴツゴツしており、蛍光灯が乱反射した。
「宝石か何かかしら?」
ブルーは石を覗き込んだ。
「ただの石ころだったら割に合わない所の話じゃねぇぞ」
ヴェンも石を覗き込んだ。
「この星の物質ではないのかもしれん。ノルトレイ博士に見てもらおう、ブルー頼む」
サーは紫色の石をブルーにポイと投げた。
「えー、あたし?まぁ良いけどさー」
ブルーは石をキャッチして、渋々だが承諾した。ブルーは玄関に向かった。
「さて、私は・・・」
サーは掛けてあったコートに袖を通した。
「あ?どっかいくのか?」
ヴェンが読んでいた雑誌を読みながら聞いた。
「久々にマスターの所にな」
「あの、まっずいコーヒー飲みにいくのか?」
ヴェンは「うへー」という顔をした。
「新しい豆にしたんだそうだ。試飲によばれててな、ツケもチャラになるそうだ。」
「ねぇ、マスターって誰?」
外へ出ようとしたブルーが二人に聞いた。
「まずいコーヒーが何時でも飲める喫茶店の店長だよ」
ヴェンは半笑いで言った。
「なーんだ、予想通りでつまんないの」
バン!とブルーが玄関を閉めた。
「じゃあヴェン、留守を頼むぞ」
「へいへい」
サーも玄関から出ようとしていた。が、首だけを「ひょこ」っと出してヴェンに言った。
「依頼人が来たら、愛想良くしてくれよ」
バン!と玄関のドアが閉まった。
「試飲なんて、来るんじゃ無かったな・・・」
数時間後サーは喫茶店から出て来て呟いた。豆を変えても本人の作り方が異常なら味が異常になるのも当然なのだ。マスターはコーヒーになぜか胡椒をいれ、マヨネーズをコップのフチに添える。マズイに決まってる。
「うぉえっ」
吐きそうになりながらサーは事務所への帰路をとっていた。マスターの喫茶店と事務所は徒歩で5分程だが、細い路地を通らなければならない。ゴソゴソと犬がゴミ箱を漁っている横を通り、大通りに出ようとしたその時、サーは違和感を感じた。
「・・・」
足を止め、後ろを見ると空のゴミ箱が倒れる寸前だった。ゴトンという音と共にゴミ箱は倒れ、少し揺れた。
「気のせいか」
サーが前を向き歩き出そうとした時
「キノセイジャ、ネェゼ」
「!」
サーは振り返りもせず、後方に弧を描き飛んだ。体を空中で捻りながら声を発したソレを目で探す。
「イッテ、オソイナ」
サーが空中に居るのにも関わらずソレは後ろにピッタリと張り付いていた。
「馬鹿な!?」
「シネ」
サーは羽交い締めにされる。サーを掴んだ手はまるで恐竜の様で、爪は鋭く、肌は土の様だった。
ソレはサーを掴んだまま、回転し地面に激突した。凄まじい音がして地面の破片や埃が舞い上がる。そしてソレはビルの間を蹴って飛び去った。
「うぁ、く、くそっ・・・」
サーの意識はそこで途絶えた。
Bパートに続く




