Targeted town ~永久の侵略者~ Cパート
アロソリアと名乗った女性はサーを静かに見据えていた。
「ではアロソリア嬢、貴女が最近起きていると言われる『妙な事件』の犯人なのですか?」
『妙な事件』とはノース・リバーに住む人間が数日程失踪した後に、何事もなかったかのように帰ってくる、というものだった。そして、帰ってきた人は必ず言うらしい。「何も覚えてない」と
「そうだ、私が犯人だ。」
アロソリアは意外にも、素直に認めた。
「そして正確には、この事件は君達をおびき寄せる為に私とジンが打った芝居だ」
「そうか・・・」
サーは何事もないように、頬を掻いた。
「ほう、わかったいたのか?」
「いや・・・しかし貴女達からは敵意が感じられない。何か理由があるのでは?」
サーの問いにアロソリアは頷いた。
「私達はもうすぐこの星を発つ。その前に君達に未来を示してやろうかと思ったのだ。」
アロソリアは暗い瞳で、サーを見据えた。
「知りたいだろ?キメラシステムの本当の力を、知りたいだろ?失われた過去を」
「・・・生憎だが、自分の未来を人様に示して貰うほど子供ではないつもりだ」
サーは鋭い瞳で見つめ返した。
「フッ・・・強情な男だな、まぁ未来はいいとして・・・キメラについては知っておきたまえ。」
キメラシステムの事はサーやヴェンも完全に知っているわけでは無かった。むしろ殆どの事を知らないのだ。
「キメラシステムとは、言わば『神の失敗作』なのだ。そしてー」
サーは部屋に吹き込んだ風に目を細めた。
「それだけ教えて貰えば十分だ。後は私達が自分で見つける」
サー立ち上がり、首をグルリと回した。ゴキゴキと首が鳴る。
「私達はこれからも自らの未来は自分で掴み続ける。立ち塞がるモノが有るなら越えて行く。それだけだ」
「辛い道だぞ」
「覚悟の上だ」
サーはドアを開けて、外にでた。
外に出るとブルーとヴェンが立っていた。
「遅かったな、大丈夫か?」
心配もしてなさそうにヴェンが聞いた。
「待ちくたびれちゃったわ」
髪の毛の毛先を弄りながらブルーが言う
「依頼は解決した。返ろう」
すると突然アパートが激しく揺れ出した。
「なになになに!?」
ブルーが辺りをキョロキョロしだす。がヴェンに担がれてアパートを降ろされ、サーも後を追って降りる。
三人が降りるとアパートが突然真っ二つになり、中から円盤が出てきた。
「さらばだ、キメラ達よ!私達は新婚旅行の続きがあるのでな!またいつか、この惑星をちゃんと侵略しに来る!」
円盤の小窓からアロソリアがジンと笑顔で手を振っていた。円盤は見る見るうちに空へ上がっていく。
「新婚旅行!?・・・って、おい!依頼金はどうなるんだよ!」
ヴェンが二人に拳を上げて怒鳴った。
「安心したまえ!報酬ならちゃんと君達の事務所に送ってある!(着払いで)」
「お元気で~」
ジンが挨拶し終えると、円盤は急加速して何処かへ飛び去った。
「てか、アフロ!アタシを降ろしなさい!結局、何だったのよアイツら?」
ブルーがサーの肩を掴みユサユサと揺さぶる。サーはブルーの手を払いのけ
「知らんな、ただの新婚宇宙人だったんだろう?報酬も届けられているようだ、依頼が終われば依頼人にはアレコレ詮索は無用だ。」
サーは車に戻って行く。
「なんだかなぁ・・・」
ヴェンは円盤が飛んで行った空をブルーを担いだまま、暫く眺めていた。
CパートEND
次回予告
サーが倒れる!ブルーがやられる!ただ一人残ったヴェンに賭けられた二人の命、必殺のバスターキャノンが放たれる時、傷だらけの栄光を背負うのは誰か!?
次回 〈放て必殺、バスターキャノン!!〉




