Targeted town ~永久の侵略者~ Bパート
ジンの話を聞いた三人は唖然としていた。
なにせ『宇宙人が自分のアパートに住んでる』と言われたのだ、普通ならこの話を聞いた時点で依頼を受けず、突き返してやってもいいのだがそうも言ってられないのが、現状だ。
「う、宇宙人ですか・・・では詳しくお聞かせ願えますか?」
サーは気を取り直してジンに尋ねた。ブルーが入れ直したお茶を少し乱暴にテーブルに置いた。
「は、はい私の住んでる町はカーマトンの外れにある下町の『ノース・リバー』なのですが、最近、妙な事件が起こってまして・・・」
ジンは俯き気味に言った。
「ノース・リバーですか、まだ都市開発の進んでいない静かな町だと聞いていますが?それに事件なら警察の管轄ですので、私達にはなんとも」
するとジンは慌てて声を上げた。
「ま、待ってください!警察が取り合ってくれないから、ここに来たんです!宇宙人がお菓子を袋詰めにする内職をしながら、妙な光を当ててる所を見たんですよ!」
テーブルを『バン!』と叩くジンの手は震えていた。話しを聞いていたサーにヴェンが耳打ちする。ブルーは欠伸を堪えて涙目になっていた。
『この爺さん、ボケてんじゃねぇの?』
『あたしも、そう思う』
辛辣なヴェンとブルーだったが、サーはジンへの違和感を拭い去れなかった。
サー達がノース・リバーへ着いた頃には日が落ちかけ、夕日が二階建てのアパートを照らしてる。
「なんとも、古風なアパートだな」
サーがポツンと呟いた。
再開発からも見放された土地に、時代からも見放された建造物は、時に逆らうように佇んでいた。
「この中です」
ジンがアパートへと向かう。サー達が遅れてジンに続く。アパートには人の気配は無く、一階を上がり二階の廊下に差し掛かった。
「ここです」
ジンがある部屋の前で立ち止まった。部屋の表札には『アロソリア』と手書きで書いてあった。
「アソロリア星人っていうのね、侵略者っぽい名前だわ」
ブルーが半笑いでドアに手をかけようとした。
「待て、私が行こう」
ブルーを制してサーがドアを開けた。
「お、おい!?サー、危ねぇ奴だったらどうすんだ!」
ヴェンがサーを止めるがサーは手を挙げて、部屋に入っていった。
「失礼」
サーがドアを閉めて挨拶をした。すると奥の部屋から
『待っていたよ、入り給え』
穏やかな女性声が聞こえた。サーは靴を脱ぐと、6畳間の部屋へ進んだ。
『やぁ、サイボーグ探偵、いやキメラ・・・と言った方がいいかな?』
そこには、紫色の髪をした女性が小さなちゃぶ台を挟んで座っていた。
「貴女が、ジンさんの言っていた宇宙人ですか?」
サー単刀直入に尋ねた。女性はふっ、と笑うと「まぁ座り給え」とサーに促した。畳の縁を避けて正座をした。
「さて、まずは自己紹介からだ、私の名前は『アロソリア』君達の言うところの宇宙人だ。」
Cパートに続く→




