1-1 始まりの場所へ
短いですか、よろしくお願いします!!
七月一日 午前一〇時 北洋皇国 東紡港の埠頭
天草
「ふぅ......ここか......」
そう言いながら、接岸された客船から天草は降りた。
ここ東紡はちょうど地理的に北洋と日本の真ん中に位置しており、しかも天然の良港だったもので昔から日本と北洋との貿易港と栄えていた。
明日、編成される『日北英三カ国混合艦隊』も、その地理的条件よりこの東紡港を本拠地とすることがけっていしたらしい。
天草は荷物を置き、そこに腰かけこの広い港を見渡す。
現在『日北英三カ国混合艦隊』に編成される艦は着々とこの港に入港してきていた。しかし、その顔ぶれはなんとなく......いや、やはりというかなんというか......旧式......それ日露戦争のモノから第一次世界大戦のモノまで色とりどりであった。
天草
「(姉さん......俺......ちゃんとやっていけるかな......)」
そんなことを思いつつ眺めていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
天草が振り返ると、一人の男性が走って来ていた。
彼の士官学校時代からの友人の中村秀雄大佐である。
中村
「よぉ久しぶりだなトラ」
天草
「そっちこそ......お前もこの艦隊に派遣されたのか?」
中村
「まぁそういうことだ。気にすんなってここでしっかりやればいつか必ず戻れるからさ」
天草
「そうなんだがな~......はぁ......」
二人はそんなやり取りをしながら東紡港の町のはずれにある二階建ての『日北英三カ国混合艦隊司令部』の立札がついている屋敷に到着した。
中村
「ついたぜ」
天草
「やっぱり......というとあれだが......ボロいな」
遠目では見かけ立派そうに見えても近くで見ると、ところどころにツタがあったりヒビがあったりと何となく廃墟を思いださせる雰囲気であった。
中村
「まあまあ、住めば極楽っていうじゃないか」
天草
「そうだが......!!」
その時、屋敷の二階の部屋付近から目線を感じた。
しかしそこには誰もいなかった。
天草
「......?」
中村
「? トラ、どうした?行くぞ~」
天草は中村に言われ、慌てて司令部(屋敷)に入っていった。
その時、天草が先ほど見た部屋に女性の姿が映り、そして彼女は光るとどこかに消えた。
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