表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第4章 再生
82/150

3月11日(日)  〒1

 昨日、約一ヶ月ぶりに新宿の献血ルームに行って、献血をして来た。武下定秋と別れて、フリーになってから、いや、レーシックをしてから、どんどん自分らしさを取り戻しているような気がする。


 武下定秋なんかと別れて本当によかった。男のくせに血の話をしただけで気絶するなんて、実に情けない。あんな奴に合わせて、五年も献血してこなかった事を紫はただ不思議に思うのであった。


 献血をする事で小さなボランティアができる。それだけで心が温まる。普通の生活ではまず得られない大切なものが、ここには確かにある。さらに待っている間にお菓子と飲み物で小腹が満たせるし、好きなマンガ本が好きなだけ読める。 


 普段のストレスやら不満やらが献血ルームに来れば、きれいに吹っ飛ぶ。確かにここは血を捧げる場所であるが、献血者の多くは普段の生活では満たされない何かをここへ来ている。紫はそう考えていた。


 この日は朝から実家へ戻り、今週土曜日のお見合いについての話を進めていた。お見合い相手の小倉義広についての写真とか、年齢とか、職業とかの情報を母から漏らさずに聞く。


 お見合いよりも今話題の婚活パーティーに出た方がたくさんの出会いがあるだろう。しかし、その分危険も大きいような気がすると思うのは、紫だけではないだろう。まず、一回お見合いして、これまでの嫌な出来事をリセットしよう。そうすれば、また新しい道が開けてくるのではないかと考えていた。


 こう言う時、生きているのが母で良かったと思う。もし、父であれば、結婚についてとか、恋愛についてとか、いろいろと相談などできなかっただろう。この日は先週話せなかった武下定秋や水戸あおいについての都合の悪かった所も全て話してしまった。


 母と一緒に、春野菜のグラタンとちらし寿司とあさりのみそ汁を作りながらだったからだろうか…。なぜか、よろいを脱ぎ捨てて、素直な気持ちで全てをさらけ出せた。紫はこう言うのも悪くないと思う。


 来週から二週間は有休消化のため、暇になるだろう。福岡へ行く前にもっといろいろな料理を教わりながら、もっといろいろな話をしたいものである。まあ、親孝行できる時に親孝行しておかないと、いつできなくなるかも分からない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ