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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第3章 決着
80/150

3月8日(水) ☎2☎

 夜、陽美に連れられて、紫はカフェ・ボニータへと向かう。今ならまだ帰れるのではないかと紫は思った。しかし、陽美はそんな紫の思いなんかを知る由もなく、ズンズンと歩いて行く。それに反比例するように、紫の足取りはどんどんゆっくりになる…。


「どうしたの?」


「いや、やっぱり行きたくないな…なんて思ってね」


「何言っているの…。そんなこと言っているから水戸からなめられるのよ! さあ、行くよ!」


「……」


 どうにかして、カフェ・ボニータに着いた。まだ、水戸あおいは来ていない。六時五五分か…、待ち合わせの七時まであと五分。ちょうどいい時間に着いたが、肝心の水戸あおいが来ない…。


「あいつ、先輩を待たせるとはいい度胸しているね〜。電話してみようっと」


「もしかしたら、仕事で遅れてるのかもよ。それにまだ五分しか経ってないし…」


「何でもうすぐ辞める人が残業する必要があるのよ。私達と同じ立場だから、さっさと帰れるはずでしょう…。もう、紫は何であんな奴をかばうわけ?」


「別にかばってなんかいないから…。ただ、もうあいつと関わりたくないだけだよ」


「すみません。遅くなって申し訳ありません。ちょっと道に迷ってしまいまして…」


 水戸あおいがようやく来た。あと少し来るのが遅かったら、陽美と紫は必要の無い口論を始めていたかもしれない。とりあえず、水戸あおいが来た事で、二人の矛先が水戸あおいに向く。


 さっきまでもう関わりたくないと思っていた紫でさえ、水戸あおいが遅れてきた事に少し腹を立てていた。


「先輩を待たせるとは、いい度胸ね」


「本当にすみませんでした。本当に悪気はないんです…」


「まあ、いいよ。とりあえず、水戸がやりたい放題やった結果、武下君がどうなったか説明するから…。そして、紫はそのとばっちりで本当に迷惑しているんだから…」


 水戸あおいと陽美のやり取りに取り残され、一人ポツンとしている紫。正直、紫はどうすればいいのか分からず、ただ途方に暮れている。陽美は昨日までの武下定秋とのやり取りについて、一つずつ説明している。もちろん、奴のストーカーまがいの行動なども含めてである。

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