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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第3章 決着
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75/150

3月6日(火)  ‡2‡

 結局、昼食の時間は水戸あおいの悪女っぷりについて、四五分間語り続けて終わってしまった。そのついでに、武下定秋の浮気性やダメンズっぷりも改めて浮き彫りになった。


 二人とも、紫にとってひどい人になってしまったが、元々はそうでもなかった。むしろ、どちらも紫にとって、それなりに目をかけたかわいい後輩であったはずだ。


 それが飼い主に突然噛み付いた犬のように、手のひらを裏返したのだから、紫にとってはかなり大きいショックであった。しかし、それからわずか一ヶ月半で立ち直ろうとしているのだ。いつの世も女性は強い。


 夕方、紫が帰ろうとすると、会社の出口の所で武下定秋が待ち伏せしていた。紫はあえて、見て見ぬふりをして、何食わぬ顔で通り過ぎようとする。


「桜田さん、ちょっと待って下さいよ…」


 奴は一体何を考えているのか? 紫は足早にその場から遠ざかる。負けじと武下定秋がついて来る。これは社内のセクハラ防止委員会に訴えた方がいいかもしれないとさえ思った。


「桜田さん、ちょっとだけでいいですから、止まって下さい」


 それでも無視していると、すごい形相で奴が追いかけてきた。紫は恐怖のあまりに走って逃げる。社内にあるセクハラ防止委員会では、もう間に合わないかもしれない…。


 こりゃ、直で交番にでも逃げ込まないとダメかもしれない。しかし、それではいたずらに騒ぎを大きくするだけだ。どうしよう…。

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