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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第3章 決着
73/150

3月4日(日)  ☀3☀

「桜田さん、郵便です。」


 紫は配達人からレターパック350を受け取る。それから一つずつ書類を確認していく。次に契約書や火災保険申込書、口座振り込み依頼書など、不動産屋の説明書を読みながら、一つずつ丁寧に記入・捺印していった。


 ふと、大学を卒業してから十年間も住み続けたこの家とも、もうすぐお別れか…と感慨にふける。紫にとって、この家は就職を決めたのを機に実家を離れて、一人暮らしを始めた家でもある。


 あの頃は、まさか十年間もこの家に住み続けるとは思ってもいなかった。この十年間、実にいろんな事があった…。おっと、危ない、危ない…。危うく、書き間違える所であった。


 意識が違う所へ飛ぶと、大事な書類を書き間違えそうになる。とりあえず、余計な事を考えずに集中して、さっさと書類を仕上げるようにしよう。一時間後、紫はようやく書き終えた書類を返信用封筒に書類を入れてから、家の近くにある郵便ポストに封筒を出した。


 それから、近所のスーパーへ自転車で向かって、夕食を買いそろえる。母にあれこれ言われたので、少しは自炊に励んでみようと思った。しかし、なぜかやる気が起こらず、結局は三割引の総菜セットとつまみとビールを買って、そのまま家に戻る。


 日が暮れた頃から、ビールを飲みながら、軽くつまみを食べた。いい具合に出来上がったところで、冷蔵庫の残り飯を電子レンジでチンして、お茶漬けにして食べる。


 酒も入って、かなりいい気分になったので、ネットでダウンロードした「続・三丁目の夕日」を見た。昭和三十年代って、何もかもが右肩上がりで、全てが希望に満ちあふれていたんだな…。


 誰もが夢を見て、夢を叶える事ができた時代…。こんな時代、日本にはもう二度とやってこないだろうな…。紫はそう思いながら、「続・三丁目の夕日」を最後まで見た後、深い睡魔が襲ってきたので、ベッドで横になるとそのまま眠りにつく。

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