表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第3章 決着
PR
63/150

2月29日(水)  ◎2◎

「大芝課長、先ほど、福岡出張を終えて戻って参りました」


「そうですか。それは本当にお疲れ様でした。お疲れだと思いますが、沢木部長がお待ちのようなので、出張報告を先に済ませて下さい。では、一緒に行きましょうかね…」


「あれっ、課長も同席されるんですか?」


「そうですよ。桜田さんが同じことを二回もしなくていいように、部長が配慮されたんですよ」


「ありがとうございます」


 大芝と紫はそのまま人事部長室へと向かった。もちろん、出張報告書を忘れないように持って行く。部長室へ向かう途中、二人は完全に無言であった。


「桜田さん、お待ちしておりましたよ。まずは福岡出張お疲れ様でした」


「ありがとうございます」


「ところであれからワンピースは少しでも読まれましたか?」


「はい、あれからすっかりはまってしまいました。今、アラバスタの対決編まで読みましたよ…」


「そうですか。じゃあ、二〇巻当たりですね…。あそこはクロコダイルとの戦いが見物です。その後のCP9編とかウォータゲート編とか面白い話が続きますからね…」


 沢木と紫がワンピースの話を挨拶代わりにしている間、一人蚊屋の大芝…。そのことに二人がようやく気付き、話を本題である紫の福岡出張報告へと移そうとしたのだが…。


「ワンピースって、あの週刊少年ジャンプに連載されているワンピースですか?」


「そうですよ。大芝さん…」


「部長、読んでおられるんですか?」


「孫が読んでいて、ちょっとでも話題を合わせようと読み出したら、すっかりはまってしまいましたよ」


「そうですか。やはり、コミック売り上げ一億冊は伊達ではありませんね。退職したら暇になるから、私も読んでみようかな…」


「それなら、私が一巻からお貸し致しますよ。桜田さんにも貸すので、遠慮せずに仰って下さいね」


 今度は沢木がワンピースの単行本を貸し出すと言い出した。紫は、ここは中学校か?…と思わず突っ込みたい衝動に駆られたほどである。


 それに平社員が部長から何かを借りるとは恐れ多くて、とてもじゃないができない。紫は部長のありがた迷惑な申し出を丁重に断った。大芝も同じように断っていた。まあ、課長の場合は、適当に部長の話に合わせていただけかもしれないが…。それからようやく本題に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ