表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

モンスターの死体が『円』に換金できるスキルを得たので、ダンジョンに潜って借金1億円を1日で完済してみた。ついでに日本の国家予算も俺が支えることになりそうです

掲載日:2025/11/29

借金を返すためにダンジョンに潜ったら、とんでもないスキルが覚醒しました。 頭を空っぽにして、通帳の桁が増えていく快感をお楽しみください。

「明日の正午だ。それまでに一億二千万、耳を揃えて返せなきゃ……わかってるな?」


 電話の向こうから聞こえるのは、ドスの効いた低い声。  俺、金田満かねだみつるは、乾いた唇を舐めて「……はい」とだけ答えた。


 通話終了の音が、死刑宣告のように響く。


 友人の連帯保証人になったのが運の尽き。友人は飛び、残されたのは俺と、利息で膨れ上がった一億二千万の借金だけ。  内臓を売っても足りない。マグロ漁船に乗っても追いつかない。


 残された道は一つ。  一発逆転の聖地、ダンジョンだけだ。


「死ぬか、稼ぐか……シンプルでいいじゃねえか」


 俺は震える足で、新宿ダンジョン(Fランク)のゲートをくぐった。  装備はホームセンターで買った安全靴と、バール一本。これで死ねば、それはそれだ。


 薄暗い洞窟に入って数分。緑色の小鬼、ゴブリンが現れた。


「ウギャッ!」


 飛びかかってくるゴブリン。俺は死に物狂いでバールを振り下ろした。  鈍い音と共に、ゴブリンが動かなくなる。


 はあ、はあ、と荒い息を吐いた、その時だった。


『――固有スキル【即時換金キャッシュバック】が発現しました』


 脳内に無機質な声が響く。


『対象:ゴブリンの死体。換金しますか? YES / NO』


 換金? 魔石を取り出すんじゃなくて?  俺はわけもわからず、念じてみた。 (……YES)


 シュンッ!  目の前のゴブリンの死体が、光の粒子となって消滅した。  同時に、ポケットの中のスマホが「ピロン♪」と軽快な音を立てる。


 通知画面を見て、俺は目を疑った。


【大和銀行:入金のお知らせ】 お振込:¥5,000 振込人:ダンジョン


「……は?」


 通常、ゴブリンの魔石は一個五百円だ。  だが、このスキルは「死体丸ごと」を換金するらしい。肉も、骨も、装備品も、全てを最高レートで日本円に変えて、口座に直接ぶち込む。


 つまり、通常の十倍の効率。  しかも、解体の手間も、持ち運ぶ重さもゼロ。


「……これ、いけるぞ」


 俺の目から、恐怖が消えた。代わりに宿ったのは、¥(エン)マークだ。


 そこからは、ただの作業だった。


「ウギャ!」(ピロン♪) 【¥5,000 GET】


「グルァ!」(ピロン♪) 【¥8,000 GET】


 バールを振るうたびに、スマホが鳴る。  他の探索者が「魔石袋がいっぱいだ、一度帰還しよう」と引き返す中、俺は手ぶらで突き進む。  インベントリ容量など関係ない。俺のインベントリは、銀行のサーバーだ。


 三層、四層と深く潜るにつれ、金額は跳ね上がっていく。  オークを倒せば三万円。オーガを倒せば十五万円。


 アドレナリンが脳を焼き、疲労など感じない。  俺はダンジョンの生態系を破壊する勢いで狩り続けた。


 そして、運命の出会いは訪れた。  通路の奥で、プラチナ色に輝くスライムが震えている。希少種、プラチナ・スライム。


「……ボーナス確定演出かよ」


 逃げようとするそれを、俺は全力のタックルで壁に押し付け、バールで粉砕した。


『対象:プラチナ・スライム(希少種)。換金しますか?』 (YESッ!!)


 ピロリン、ピロリン、ピロリロリンッ!!  スマホが聞いたこともない確変音を奏でる。


【大和銀行:入金のお知らせ】 お振込:¥50,000,000


「ご、五千万……!」


 震える手で銀行アプリを開く。  朝、数百円しかなかった残高の桁が、バーコードのようになっていた。


残高:¥138,450,000


「……終わった」


 俺はバールを投げ捨て、その場に大の字に寝転がった。  ダンジョンの天井が、一万円札の柄に見えた。


 翌日の正午。  俺は指定された闇金融の事務所にいた。


 革張りのソファには、社長の権藤ごんどうがふんぞり返っている。周囲には怖そうな男たちが四人。完全に脅しの布陣だ。


「おう、時間だな。金は用意できたんだろうなぁ?」


 権藤がニヤニヤと笑う。どうせ無理だと決めつけている顔だ。  俺は無言でスマホを取り出した。


「ネットバンキングで送ります。口座番号は変わってませんね?」 「あぁ? 送るって……一億だぞ? 振込限度額って知ってるか?」 「法人契約の即時決済にしてあるんで、大丈夫です」


 俺は淡々と画面をタップする。  指先一つで、億の金が動く。


(送金、実行)


 数秒後。  権藤の懐で、スマホが震えた。


「あん? ……なっ!?」


 画面を見た権藤の目が、飛び出さんばかりに見開かれる。  事務所の空気が凍りついた。


「い、一億二千万……!? き、きさま、どこでこんな金を! 強盗でもしたか!?」 「いえ、ちょっとダンジョンでゴミ拾いを」


 俺は立ち上がった。  用は済んだ。ここに長居する理由はない。


「あ、そうだ権藤さん」 「な、なんだ」 「迷惑料として、百万ほど色をつけておきました。それと――」


 俺は出口で振り返り、ニッコリと笑って告げた。


「今日の稼ぎがまだ余ってたんで、さっき不動産屋に電話して、このビルごと買い取っておきました」


「……は?」


「来月から大家は俺です。家賃、滞納しないでくださいね? ……出ていくなら、敷金は返しますけど」


 ポカンと口を開ける権藤と、ざわめく組員たちを残し、俺は事務所を後にした。  背後で「社長! オーナーが変わったって電話が!」という悲鳴が聞こえたが、もう俺には関係ない。


 後日談。


 借金を完済しても、俺はダンジョンに潜り続けた。  一度味わった「即時換金」の快感は、何物にも代えがたいからだ。


 俺が潜れば潜るほど、ダンジョンの魔物は減り、日本の治安は良くなり、俺の口座残高だけが天文学的に増えていく。  あまりのハイペースな入金に、ついに政府が動いた。


 ある日、俺の豪邸(現金一括払い)に、総理大臣がやってきたのだ。


「金田くん! 頼む! 君のそのスキルで、日本の経済を回してくれ!」


 総理が言うには、俺が稼ぎ出す外貨(魔石換金による円の価値上昇?)が凄すぎて、もはや俺が働くのをやめるとGDPが傾くレベルらしい。


「いやぁ、そう言われましても。今は悠々自適に暮らしたいんで」 「消費税を廃止する! 君だけの特別免税権も与えよう! だから頼む、あと一兆円分だけ狩ってきてくれ!」


 一国のトップが土下座する姿に、俺はため息をついた。


「……仕方ないですね。じゃあ、サクッと国家予算分くらい稼いできますか」


 俺はスマホとバールを手に取る。  さて、今日も稼ぎに行きますか。


 ピロン♪


【¥5,000 GET】


 俺の通帳の桁が溢れるのは、まだ先の話だ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


主人公の金田くんはこの後、日本の借金を全て返済し、世界中のダンジョンを買い占めるオーナーになりました。


【読者の皆様へのお願い】


「スカッとした!」「このスキル俺も欲しい!」 と少しでも思っていただけましたら、


ページ下部(スマホなら↓の方)にある 【☆☆☆☆☆】 をタップして、評価を入れていただけると非常に嬉しいです!


星をいただけると、作者のモチベーション口座に入金され、次の作品を書くエネルギーになります! ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ