俺の子をお前、勝手に何おろしてんだよ!
”俺の子をお前、勝手に何おろしてんだよ!”
俺は好きな女の子とその日、一夜を過ごす。
そして、”その女の子が俺の子を身ごもった!”
でも? その女の子は俺の事が好きで体の関係を
もった訳じゃない!
その日、好きな男にフラれて彼女はムシャクシャして
俺と関係を持ったのだ!
そんな事も知らない俺は、彼女のお腹に俺の子がデキた
事が凄く嬉しかった。
だから彼女から俺に、”子供がデキた”と言われた時、直ぐに
彼女と”籍”を入れたいと想い、俺はニヤけながら彼女にそう言うと?
まさかの彼女の返答に、”俺は戸惑ってしまう。”
『“じゃあー直ぐに籍を入れよう!”』
『ごめん、この子はおろすわ。』
『えぇ!? な、なんでだよ! 俺の子だろう? なんでおろすんだよ!』
『“ワタシ、アンタの事本当はそんなに好きじゃないんだ、”』
『・・・す、好きじゃないのに、俺と関係をもったのか?』
『ムシャクシャしてたのよ! 好きな男にフラれて、あの時の私は
どうかしてたの!』
『・・・ど、どうかしてたって、でもお腹の子は俺の子だよな!』
『”ワタシは、この子を産んでも絶対に愛せないわ!”』
『産んでみないと分からないじゃないか!』
『育てていけないでしょ! 絶対に無理よ!』
『“俺がキミとお腹の子を支えるから!”』
『ごめん、無理! 絶対にムリよ!』
『頼む! 俺の子をおろさないでくれ!』
『・・・ご、ごめん、アンタは何にも悪くないのに、本当にごめんね、』
『・・・そ、そんな、』
*
・・・俺はその後も、彼女を何度も何度も説得したのだが、
結局! ”彼女はお腹の子を勝手におろしてしまった。”
俺の子でもあるのに、勝手にお腹の子をおろすなんて絶対に許せない!
俺は彼女が俺の子をおろした後も、何度も関係を修復する事を望んだのだが、
彼女はとうとう俺から離れるために、俺の知らない間に何処か遠くに
行ってしまった。
だから俺は、”俺の子を産んでくれる女性を探す事にしたんだ。”
俺は結婚と子供を同時に欲しくなった!
どうしても”家庭を持ちたいのだ!”
もう好きかどうかはどうでもいい。
俺の子を産んでくれる女性が居るなら、片っ端から女性なら
誰とでも体の関係をもつ事にした。
そして俺はとうとう、俺の子を産んでくる女性と巡り合い、
その女性と結婚をした。
ただ、俺が好きでもない女性とデキた子を愛せないでいる!
あんなに自らが望んだのに......。
毎日、好きでもない女性が同じベットで寝ている姿を見て、
”赤の他人が何故? 俺と同じベットに寝ているのだろう”と想い
ながらいつも目を覚ますんだ!
そして何より、俺の血を引いた赤ん坊を見ても俺の子だと自覚さえ芽生えない!
ただ小さな物体がウギャーウギャーと泣いているという感覚で、
俺は多分、この子を自分の子供として一生見る事ができないかもしれない。
このまま無理をして俺は、”この家庭を築いていけなくなるのかな?”
それとも今! 彼女と離婚して独り身に戻るべきなのか?
勿論! 彼女に養育費は払うよ。
俺が好きな女性ではないが、結婚し子供もデキたのだから責任はある!
それもこれも俺が、”彼女も子供も愛せないから悪いんだ。”
分かってはいるけど、やっぱりどうしても、、、。
*
俺は彼女と結婚して1年で、”彼女と離婚をした。”
子供は彼女が親権を持ち、俺は養育費を払う形で終わる。
でもその後も、俺は自分の子供を産んでくれる女性を探す事がやめられない!
結局、俺は自分の子供を産んでくれる女性が好きなのだ。
こんな女性の好きになり方なら、また俺は結婚しても直ぐに離婚するのだろう。
俺の、”変なクセ”が俺を苦しめている!
ひょっとしたら? 俺は女性を心から愛せないのもしれない。
それでも俺は家庭を持ちたいのだ!
例えそれが、”嘘で作り上げたモノであっても、、、。”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。