ずっと俺の後にくっついて来ていたコイツを他の男なんかに 簡単にやりたくないんだよな?
ずっと俺の後にくっついて来ていたコイツを他の男なんかに簡単に
やりたくないな?
俺の家の隣に昔から住んでいる幼馴染の亜海。
俺が亜海の2つ上で、俺の弟の一つ上の亜海。
俺達は兄妹みたいに育ってきた!
弟にとっては、兄貴じゃない俺より一つ上の亜海になんでも話して
いたみたいだ!
弟は昔から、男の子がするサッカーや野球に興味がなく、
女の子がするオママゴトやお人形で遊ぶのが好きだった。
次第に弟は、“俺にとって妹になりつつあった。“
鈍感な俺は弟の気持ちが分からなかったのだが、亜海はいつも弟の
味方になってくれていたんだ。
・・・そして俺達兄妹が次第に大きくなっていくうちに、弟はとうとう
両親を説得して正式に、“俺の弟から妹に変わる!“
俺はそんな弟をなかなか受け入れられず、思春期の頃はあまり弟と話さ
なくなってしまった。
その間、亜海は弟と一緒に買い物に行ったり一緒に居る事が増えていく。
俺から二人を見ると? “仲が良い姉妹みたいに見えていた。“
【アイツは俺の弟なのになって、】
なんか俺だけ仲間外れにされた気分だった。
『ねえ、琉くん?』
『うん? なんだよ、最近! 良飛、亜海とばかり居るよな?』
『“それなら、琉くんもワタシ達と一緒に居ればいいじゃん!“』
『“ワタシ達か、もう完全に良飛! 女だもんな!”』
『・・・ご、ごめんね、琉くん。』
『別にいいよ、俺じゃ良飛の気持ちを分かってやれないし! 亜海なら
良飛もなんでも話せるんだろう? それなら俺はいいよ。』
『“ワタシが普通の男の子なら、琉くんの弟としてもっと一緒に遊んで
たんだろうけど、、、本当にごめんね。”』
『“それは良飛が悪い訳じゃないじゃん! 誰も悪い訳じゃない!
だからもう誰にも謝るな良飛! いいな!”』
『・・・ううん、ワタシのお兄ちゃんが琉くんで良かった。』
『バカ! 俺はもっと良飛の事、分かってやれなくて俺の方が本当に
良飛には申し訳ないって想ってるんだ! 亜海にも感謝してる。』
『実は知ってるんだ~琉くんがワタシを庇ってくれてる事! 学校でワタシ
の事でバカにされたり、ワタシを陰でバカにしてる人にもちゃんと言って
くれてる事も知ってるから。』
『“そんなの当たり前だろう! 俺の弟をバカにされて兄ちゃんは黙って
られねーよ!”』
『・・・ううん、ありがとう、』
『な、泣くなって良飛、今は俺の妹になったんだから! 俺にとって妹が2人
居て、どっちの妹も俺にとって大事な妹だよ。』
『・・・りゅ、琉くん、』
『“これからも俺にとって良飛は大切な存在だから。”』
『・・・ううん。』
・・・隣の家の幼馴染の亜海には、本当に弟の事を含め感謝している。
でも? “俺が本当に好きなのはアイツで、まさか? 弟が妹になった
良飛を俺は心から愛しているなんてな、“
俺はその事が誰にもバレないように、必死に隠してきたのに。
亜海は俺の心を簡単に見破ってきやがった!
『“あのさ、いつから?”』
『えぇ!?』
『“琉? 良飛の事が好きなんでしょ!”』
『・・・な、何言ってんだよ亜海? アイツは俺の弟で、』
『知ってる! だから真剣に聞いてるの!』
『・・・な、なんだよ、それ?』
『“私さ、琉の事がずっと好きで見てたからさ! 琉が良飛の事、
好きな事ぐらい分かるのよ。』
『・・・・・・』
『“別に良飛が弟から妹になったからとかじゃないんでしょ! 最初から
ずっと琉は良飛を好きだったもんね!”』
『・・・あ、亜海、』
『正直ね? 琉が良飛を好きだと分かった時から、何度も私は夜寝る前に
泣いてるの! 私だって琉の事、好きなのに! なんでいつも良飛ばっ
かり琉は見てるんだろって考えてたわ! でもそれが、恋愛感情だって分か
ったのは、随分先になってからよ。』
『・・・そ、そっか、』
『“もう否定もしなんだね!”』
『“本当の話だし、まさか? 亜海にバレてるなんて思いもしなかったけど、
俺は良飛が好きだ! アイツが弟でも妹でも関係なく! アイツが俺は好き
なんだと分かったから。”』
『・・・そうなんだ、』
『あぁ!』
『“琉の良飛への気持ちは変わる事はないんだね!”』
『まあな!』
『“そっか、じゃあー二人を応援するわ! 私もふたりは大事な兄弟だし!”』
『ありがとう。』
『“でも? 二人は本当の血が繋がっている兄妹なんだよ、それはどうする
つもりでいるの?”』
『・・・お、俺にも分かんないよ、』
『いつかさ、二人が結ばれる日が来るといいね!』
『・・・ううん、そうだな。』
・・・”俺の恋愛は複雑だ!“
最初は弟だったのに妹になって、でも俺とは血が繋がっている本当の兄妹で!
俺達の両親も、“弟が女性になる事は認めたのだけど、、、?“
俺と良飛が結ばれる事は許さないだろうし!
それにこんな事、アイツには絶対に言えないよ。
“俺がアイツの事を兄貴としてじゃなく良飛自身を好きだと言って!
素直に受け入れられるはずがない!“
でもさ? ずっと俺の後にくっついて来ていたコイツを他の男なんかに
簡単にやりたくないんだよな?
“男から女になったら? アイツは他の男に取られてしまうじゃん?“
そんなの俺! 嫌だな。
なんとかならないのか、、、?
だから! 出来るだけ今は、俺はアイツと一緒に居るようにしているんだ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。